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魔王軍

水の都市、アクアビストの陥落。

街はその話題でもちきりだった。

脱出に成功したお姫様を助けるクエストも、冒険者ギルドに掲示されている・・・遠いけど。


俺達プレイヤーも、NPCも、こぞってクエストを受けているようだ。


「これは規定されたイベントなのか?それとも、クエスト結果でストーリーが変わるのか?」


月花に尋ねる。


「後者ですね。アクアビストの陥落も、地域限定クエスト、アクアビスト防衛が失敗した結果です」


「おや・・・」


地域限定クエスト、か。

なるほど。


「尚、フレイムハート、ウインディレイン、ギガロックも現在防衛戦の最中です」


「魔王軍活発だな?!」


「アクアビストが陥落した事で、水の大クリスタルが魔王軍の手に落ち、魔王軍が強化されています」


「敗北したら難易度上がるって、ゲームデザインとして間違ってるよな?!」


「更に、アクアビストを足掛かりに、4つの都市が戦火にさらされました」


「魔王軍、人材豊富ですね!」


「NPCの勇者や巫女は大半が殺されたので、総崩れ目前です」


「プレイヤーは?!」


「うち以外のプレイヤーの最高レベルは4000、魔王軍1小隊の対応推奨レベルが1万のアライアンス級、魔王軍幹部が10万のワールドクエスト級」


・・・歯が立たない。


「更に言えば、参加したのはレベルが高くて1000とかなので・・・残念ですが」


うーむ・・・


「このゲームって、ダンジョン潜って、自己強化して、スローライフおくるゲームじゃないのか?何だか、状況が急変しているんだが」


「いえ、最初から魔王軍に勝利する戦略ゲームですよ?ちゃんとゲーム開始時の説明に書いてありましたが・・・」


えええ・・・


--


「ギガロック防衛に参加しましょう!」


リミアに招集されて、アジトに集まった。

リミアがそう切り出す。


「魔王軍侵攻、か」


「流石ご主人様、お耳が早いですね」


イデアが称賛の声をあげる。


『ギガロックが落ちれば、魔族領に接する国が一気に増え、非常に苦しくなるでしょうね。最新鋭の魔導騎兵を魔族が投入予定なので、苦しい戦いだと思います』


月花が補足してくれる。

なるほど。


「ねえ、フレイムハートを助けられないかな・・・知り合いが多いんだ」


ミストが言う。


『フレイムハートの王は、賢王。国民だけではなく、周辺国からも慕われています。傭兵団を抱えたり、武具の生産も盛ん。闘技場のメッカでも有ります・・・が。他国への救援がたたり、国力が低下したところに、魔族の間者による工作・・・そして水の大クリスタルを利用した新兵器の効果で押され気味ですね。状況は相当苦しいです』


月花の補足。

凄い情報量だな。


人情的にはフレイムハートなんだろうけど。

やはり戦略的にはギガロックが。


「ウインディレインを救援しよう」


フィロが言う。


『ウインディレイン・・・風の集う地。もし落とされれば、瘴気がウインディレインから拡散・・・病気の蔓延や、魔族の戦闘能力強化・・・重要な拠点です』


・・・


おい。


どうしろと。


まあ・・・


「風の集う地、ウインディレインが最重要拠点だな。瘴気を拡散されてはかなわない」


「「「「「「?!」」」」」」


みんなが驚愕の表情を作る。


「・・・瘴気の拡散・・・何の事でしょうか?」


イデアが尋ねてくる。

あれ?


「いえ、ますたあの話は恐らく正しい。私が集めたデータから、そう結論づけたんだ・・・なのに、何故説明するより先にそれを知っていたのか・・・」


・・・月花、周知されてない情報を横流しするなよ。


「レンジャーのスキル、風の噂、ですね」


おい月花、嘘をつくな。


「すごいね、レンジャー」


アイリスが称賛の声をあげる。

リミアが口を押さえている。

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