表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/254

増える借金

[ギルドメンバー、増えたよ]


ギルドチャットで呼びかける。


[あ、メンバー確保出来たんだ。初めまして、魔導士のフェルと言います・・・って、マスター、新人さん女性じゃない!]


[うん、女性だね]


[初めまして、ミストだ。シルビアさんにナンパされて、このギルドにお世話になる事になりました]


[まって、ナンパしてない]


ちょ・・・勘違いする様な事を言うのはやめてほしい。


[あら・・・マスター、またナンパしたのですね。困ったマスターです。私はリミア、支援しか出来ませんが、良ければ一緒に狩りに行きましょう]


[私は脳筋だからね。支援を貰えるのは有り難い。是非!]


ミストが嬉しそうに言う。

後、ナンパが冗談だって伝わってるよな?


[あ、私も行くわよ?!攻撃から防御、回復まで、私は何でも出来るんだから!]


フェルが対抗心を燃やし、


[凄い、1人でどこにでも行けそうだね]


ミストが感心して言う。


「流石です。卒業されますか?Y/N」


月花も感心して言う。


[卒業しないわよ?!入ったばかりよ!!というか、本当に選択肢ポップアップしたんですけど?!]


流石フェアリー。

冗談も手が込んでいる。


さて、ミストの借金返済もあるし、早めに商品を売り捌かないと。


--


「毎度ご贔屓に」


老婆──フィロの前に積み上げた品物を、手際良く見て。


「このくらいでどうだね?」


提示された額は、予想より多い。


無論、市場価格よりは安いが、すぐにお金に変えられるメリットは有難い。


彼女は俺と同じく非戦闘職だ。

なんちゃってマーチャント、らしい。


「ところで、ギルドを作ったそうだね」


どうやって情報を仕入れているのか。

フィロがギルドの話題を振ってきた。


「凄いな、もう噂になっているのか?」


流石の情報収集能力だ。


「独自の情報網が有るからのう。なあに、そこまで広まっている訳では無いわい」


「流石だな」


月花がぽつりと言う。


「と言うか、この前募集してた時に横を通り過ぎてましたよね」


ひゅるー。


・・・?!


気づいてなかった。


「ふぉふぉふぉ。月花ちゃんには敵わんのう」


フィロが目をくしゃりとして笑う。


閑話休題。


「それで、ギルドがどうかしたか?」


「うむ。私もそのギルドに参加させてくれんかね?」


「勿論、歓迎するよ」


フィロに加入要請を送る。

フィロが承諾。


「よろしく、じゃな。ふぉふぉふぉ、強そうなギルド名じゃな。なんちゃってマーチャントではきついわい」


「俺だって非戦闘職だからな。非戦闘職同士、仲良くしよう」


さて。


[ミスト、アイテムが売れたぞ。お金渡すから取りに来てくれ]


[本当か!早いな!有難う!・・・いやあ、借金が膨らむ一方だから不安だったんだ]


[待て。この前のドロップで借金は8割程返した筈だが]


[いや・・・その、違うんだ。借金を返したと思ったら、マイハウスの建築を勧められて・・・」


そんなイベントがあったのか。

あれ、マイハウスってフェアリーが自力で建てるよな?


[通常はフェアリーを魔石で育てて創りますが。借金が多い状態から返していくのと、フェアリーが成長していない場合、特殊イベントが発生します。お金でマイハウスの建築や増設が出来ます。通常のマイハウスとは違ったデザイン、中身も近代的になるので、悪い事ばかりではありません」


隠しイベントかあ。

と言うか、中身近代的になるのか。

魔石でも十分近代的だと思うけど。


[魔石は大変なので、お金で解決出来るならそっちの方が楽ですね。ただ、発生条件が難しそうです]


リミアが言う。

そうか?

魔石の方が楽だと思うけど。


[借金イベントがさっきの条件なだけで、お金でのマイハウス建築や改造は、誰でも出来ますよ?システム上の説明不足な感は否めないですね]


月花が補足する。

そうなのか。


[そうなのね。後で早速お金で拡張するわ]


フェルが感心して言う。


[マイハウスの建築は、お金で実施すれば、1000万~1億、規模にもよりますが・・・]


月花が言うと、


[私が建てたのは、3000万だね]


元の借金が5000万、それに3000万で8000万。

ドロップが4000万程有ったと思うから、あれから一切稼いでなくて、単純計算で4000万か。

まあ、すぐに返せるな。


[それに地下室増設とか、2階や3階を建てたり、システムキッチンを作ったり、お風呂をジェットバスにしたり、ソーラーパネルつけたり・・・勧められるままに追加してたら、3億まで借金が膨らんで]


ミストが泣きそうな声で言う。


[何でだよ。借金するなよ]


3億でも返すのは難しくないけど。


[そういうイベントなんですよね。借金を返せそうになったら、次々と新しい物を提案してきて、無限に借金させられる]


月花が困った様に言う。


[・・・酷いイベントだな・・・]


意思を強く持たないと。


[イベントが進めば、そのうち、了承なしに勝手に工事して、借金が増えた報告だけしてくるので、イベントを進めるのはお勧めしません]


[おかしいだろ]


それは払う義務が有るのか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ