表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

171/254

再開

大きな神殿、そう、大きい。

外から、屋根は見えなかった。


中に入っても、天井が視認できない。

数キロくらいなら視認できる筈なのだが・・・?

暗いという事はなく、昼間の様な明るさだ。


月花や女神様(着替えた)に連れられて、向かった先。

ついてきたのは、俺、カゲ、ロリア、オトメ、アポカリプス。

恐らく、女神様の住まい。


天使兵達が居並び・・・彼奴等、強い。

恐らく、単独で魔王フェルをあしらえるレベル。


「でかいな・・・天井が見えない」


女神様は半眼で、


「高さ、など設定していないよ。3次元的な制約を、敢えて設定する意味は無いだろうに」


俺は3次元的存在なんだ。

そんな事言われても困る。


「まあ、腰掛けなさい。その方が落ち着くのだろう?」


いつの間にか、個室にいた。

後ろに出現していた椅子に、腰を下ろす。


「それで・・・私達は、何故呼ばれたのでしょうか?」


「ふむ・・・あのキミが、私に敬意を払うとは・・・年月がキミを成長させたようだね・・・」


女神様が一瞥すると、俺達の前に、ワイングラスが現れる。


「何も、尋問しようという訳ではない。旧交を温める事と・・・少々状況説明を願いたいだけだ」


ひたり・・・ひたり・・・


壁をすり抜けて入ってきてきたのは・・・漆黒の狼に、流水を纏った天使・・・

姿は変わったが・・・


「フェリオに・・・メイル?」


「久しいの、ご主人」


「お久しぶりです、ご主人様」


無事だったのか。

月花同じく、従魔にはなれない、という状況だろう。


「して・・・尋ねよう・・・月花よ」


女神様が、半眼を月花に向ける。


「は・・・はい」


だくだくだくだく・・・


月花がすげー、汗をかいてる。


「シルビアがこの世界に来た・・・キミはそれを知っていて、隠していたね・・・?」


「そ・・・それはですね・・・」


目を泳がせる月花。


「報告せずに、情報を握りつぶしていても、すぐにバレます。そんなの、考えなくても分かる事です。なのに、情報の遮断を試みるなんて・・・何故ですか?!気になります!」


オトメが、身を乗り出して叫ぶ。


ぐふっ


月花がダメージを受けたようだ。


ぐい


オトメの首根っこを引っ張って、座らせる。


「まあ・・・月花の事は良い」


「いえ、そこはちゃんと明確にすべきです!有耶無耶にしてはなりま──むぐ」


オトメの口を塞ぐ。


女神様は、オトメを一瞥すると、再び俺に視線を向け、


「して、シルビアよ。何故、キミが此処にいるんだい?ゲーム環境を整え、βテストが終わってから喚ぶ手筈だったのだけど」


「応募したら、普通に当選の手紙が来ましたよ」


「・・・ちゃんとチェックしていた筈でしたが・・・漏れてしまったのでしょうか・・・?」


メイルが不思議そうにする。


「・・・加えて、そなたの今の状況・・・システム側から、そなたや、その周辺の情報を追跡できない様になっている。それはどんな仕組みだい?」


「ああ、それならひょっとしたら───」


あれ。

何か心当たりがあった気がしたが。


・・・あれ?


「それは分かりません。私は普通にプレイしているだけです」


「ふむ・・・?」


女神様が思案気に呟く。


「私からも尋ねて宜しいでしょうか。俺と関わりがあった者ですが」


「ふむ。ご主人の従魔に関しては、ほぼ全員神格を保持していたのでな。死亡後も、消失はしておらぬ。残って運営スタッフをしているものと、根源へと回帰した者がいる。神格を持たない、フレアは、死亡した時点で消失したがな」


「フレア・・・」


ロリアが呻く。


「とは言え、運営を手伝っているのは、私、フェリオ、月花、の3人だけですけどね。他のものは、根源へと回帰しました・・・そのままの存在では、どうせご主人の従魔には戻れないですしね」


メイルが続ける。


「みんな、根源の一部が投影され、人格を得ていた存在。本体である根源に比べれば、極めて小さい存在うさぁ。根源に還るという事は、大海に一滴の水を落とす様なもの・・・ご主人と冒険した記憶も、心も、薄れて・・・本体に一片の影響を与える事すら困難うさぁ。なので、ご主人様が同型種を従魔にしても、以前の従魔と同じ存在になる確率は、非現実的うさぁ」


なるほど。

でも、何故お前が解説するんだ、アポカリプスよ。


「それで・・・ロリアよ。何故お主が、此処に存在できておるのだ?」


「私は──」


フェリオの問いに、

ロリアが、思い出す様に、唇に指を当て。


確かロリアは・・・あれ?


「・・・私はどうして助かったんでしたっけ?」


「えっと・・・確か・・・ミミックになってて・・・」


「はい・・・扉や宝箱になってて・・・」


俺とロリアは顔を見合わせると、


「「分かりません」」


「そうですか・・・」


メイルが困った様に言う。


そう言えば、


「魔装システムって、どのくらい開放した人がいるんだ?」


「まず、魔装システムというものを初めて聞いたのですが・・・?」


月花が困惑した様に言う。

えええ・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ