まったりギルド
「・・・?誰って言われても・・・普通にフレンドだけど?」
「人の事をいきなり痴女呼ばわりする輩とは、やっていけないわ。私は痴女じゃないわ。この装備は、守備力が高いから仕方が無く」
「嘘ですね」
やっぱり嘘だったのか。
「嘘じゃないわ!」
「嘘ですね」
「・・・フェル。リミアは看破のスキルがあるので、嘘をつくと話が進みません」
月花が困った様に言う。
「・・・そう、防御力の為ではないわ。マナを身近に感じる事で、魔法の威力を高め」
「嘘ですね」
「・・・可愛い服だから着ているのよ」
「・・・嘘であって欲しかったですね。その露出が高い服を可愛いと感じるとは・・・」
リミアが困惑した表情を浮かべる。
「とりあえず、話が進まないから、仕切るぞ?こっちがリミア、僧侶系列だ。こっちがフェル、魔導士系列だ」
「・・・初めまして、フェルよ。ハイウィザードをやっているわ。圧倒的火力を誇っているので、怪我を負うことはあり得ないの。だから、僧侶系とは相性が悪いのよ。だって、ただのお人形さんにしてしまうから」
「初めまして、リミアです。巫女をやっています。支援以外は不得意です。魔力バフや回復力向上もあるので、魔導士の支援も得意です」
「あらあら残念ね。魔力バフが無くても敵が一撃だし、自分の魔力を使わなくても十分威力が出るので、回復力向上も不要なのよ」
フェルがドヤ顔で告げる。
「そうなんですね。分かりました。それではソロで活躍なさって下さい。私は支援しか能が無いので、シルビアさんと一緒に狩りに行きますね」
リミアが微笑みを浮かべ、告げる。
「ちょ?!」
フェルが一転、泣き顔になる。
「・・・フェル、気を強く持って下さい。大丈夫です。フェルなら1人でもやっていけます」
月花が慰めている。
「・・・えっと、話を戻すぞ?フェルから提案があった通り、ギルドに所属すれば、狩りや情報交換は楽になると思う。2人とも、良ければギルドに入って欲しい」
「是非入りたいよ」
「私が最初に誘ったんだし、私も当然入るわよ」
「有り難う。俺はギルドマスターの器では無いし、今後ギルド戦等が実装されても参加予定は無い。そういうのは戦闘職がギルドマスターをやっている、廃ギルドがやれば良いと思う」
続ける。
「俺のギルドは、まったりギルドにする。ギルドチャットでの情報交換、雑談、気分転換のPT狩り・・・そういった事が目的だ。上を目指すなら、ギルドを抜けて、上位ギルドに転籍してくれ。止めはしない」
こくり、2人が頷く。
「では誘うぞ」
「「え?!」」
え。
「・・・シルビア、もうギルド作ったの?」
「うむ・・・何故か出来た・・・」
「・・・シルビアさん・・・確か作成条件は非現実的に難しかった筈ですが・・・」
「何でだろうねえ・・・」
何だよ、禁則事項って。
2人をギルドに誘う。
「「?!」」
何故か2人とも、驚いた顔をする。
「ギルド名・・・まったりギルドの名前・・・ですか・・・?」
リミアが困惑した様に言う。
ですよね。
「名前・・・格好良い・・・シルビアのネーミングセンス最高よ!惚れ直したわ!」
ご好評のようで何より。
「では、2人とも、よろしくな」
慣れない笑みを浮かべ、告げた。