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従魔

(何故というか。本当に成長してないですよね)


何でだよ。


「ロリア・・・?魔王の娘のロリア、ですか?」


「お、おう?」


「この世界に戻っているのですか?消失したと思っていましたが・・・」


「此処にいるな」


ロリアを掴み、見せる。

フロートポッドに偽装しているけど。


「・・・まさか、従魔・・・?」


(ああ・・・)


にゅる


フロートポッドが液体になると、ロリアの姿を取る。


「久しぶりだな、月花殿」


「?!」


月花は後ずさると・・・そっと目を逸らし。

冷や汗を滝の様に流しつつ、


「あの・・・その・・・罪を着せた件はその・・・」


「いや、それはもう良いから」


ロリアがふるふると首を振る。


「・・・そういう事ですか。ロリアさんは、ご主人様の従魔となっていなかったから、霊格が上がらなかった・・・結果、ご主人様の従魔となる資格があったのですね・・・」


月花が呻く。

成る程。


「ロリアと、オトメが、今の従者だな」


シャキン・・・ガチャ・・・ガチャ・・・


フロートポッドが激しく組み変わり・・・そして・・・

オトメの人間形態となる。


「オトメ・・・デス・・・イゴオミシリオキ・・・ヲ・・・」


だから流暢に喋れよ。


「もう一体居たのですね・・・」


月花が驚きを隠さず、言う。


ふと、微笑すると、


「それでも、ご主人様を支える方がおられるのは、安心しました。ロリアさん、オトメさん、宜しく御願いしますね」


「この命に代えても、シルビア殿の身は護ろう」


ロリアが、真剣な声音で言う。


「万難を排す剣として、この身を捧げます」


オトメが、宣言する。


「・・・普通に喋れるんですね」


月花が半眼でツッコミをいれた。


--


翌日。


:「おはよおおおおおおおおお!」


レイが一番乗り。

元気だなあ。


:「おはよう、レイさん。早いね」


:「ますたああああの方が早いよ!」


:「俺はログアウトしてないしな」


ゲーム内の方が快適に寝れるからな。


:「んー、徹夜でゲームしてたの??」


:「いや、寝てたぞ」


もう若く無いからな。

徹夜で狩りなんて真似はできない。


:「??」


話が通じない。


:「それより、朝ご飯はもう食べたのか?」


:「うん、食べたよ!」


:「そうなのか。ちょうどソーセージとパンが焼けたから、食べるかと思ったが」


:「食べる食べる!現実(リアル)の話かと思った!」


お腹の膨れ具合に、現実(リアル)もゲーム内も関係ないと思うが。


:「ギルドホームに来てくれ」


:「ギルドホーム?」


:「システムメニュー、ギルド、ギルドホーム、を選べば、ホームゲートを出せると思う。そこから入れば」


ひゅん


レイが出現。


「ますたああああ!」


レイが飛びついてきた。


「改めて、おはよう」


「どうぞ」


オトメが、パンを切り分け、ソーセージを乗せ、レイに渡す。

いつの間に形態変化を・・・?


「あれ、おねーさん、誰?」


「私はカギロイ様の従魔、オトメと言います。身の回りの世話をしております」


「わ、従魔、従魔って何?」


「従魔は、魔物を使役するシステムだな。心を込めて敵を倒せば、稀に起き上がるらしい」


「一般スキルの魔物使いを取る、特殊なアクセサリーをつける、魔物が好む香水をつける・・・そういった方法で、確率を上げる事もできますね」


月花が口を挟む。


「あ、月花ちゃんもおはよおおおおお!」


「おはよう御座います」


月花が微笑む。


「下位の従魔であれば、従魔ショップで契約できるものもいます」


月花の補足。

そんな方法が有るのか。


「んー。自分で捕まえたいなあ。一般スキル取る〜」


一般スキルは、特定の行動をする事で覚えたり、上昇したりするが。

それとは別に、種族レベルを上げた際に貰えるポイントを消費する方法が有る。

効率が悪いので、訓練した方が早い。


レイがパクパク、元気に食べている。


「お腹空いていたのか?」


「んー、あまり食べると太るから、現実(リアル)ではダイエットしてるの!」


ゲームの中で暴食しても、現実(リアル)で太るがな。

もっとも、レイはよく動くので、どれだけ食べても大丈夫だと思う。


:「おはよ〜」


ユウタだ。


:「おはよう。ギルドホームで朝食をとってるよ」


:「ゲーム内で食事ができるんですね!」


「そりゃそうだろう。ゲーム内で食事ができなきゃ、お腹が減るじゃないか」


「え、ゲーム内で食事したら、現実(リアル)で食事しなくて良いの?」


何を今更。


「ゲーム内からログアウトできなくなって、何ヶ月、何年とゲーム内ですごした人がいたんだから。ゲーム内で食事や睡眠がとれて当然だろ?」


「え・・・ゲーム内で何年・・・と言うかログアウトできなく?!」


レイがわたわた手を振る。


「待つにゃ」


半眼になったトキが、ぬっと現れる。

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