また明日の夜
ひゅ
放った矢が芋虫に刺さり、
<[R]ミスリルソードを入手しました>
<[R]ミスリルソードを入手しました>
<[R]ミスリルアックスを入手しました>
ゴミだが、とりあえず持てるだけは持っておく。
ロリアには、食べさせ済みだ。
きゅぽ
弓から黒い泥が伸び、ドロップを包む。
「カギロイ殿、武具はキャパが大きいので注意して下さい」
ロリアの警告。
ロリアは、固有空間にアイテムを保持できるらしいが。
そこまで大きくは無いらしい。
四畳半くらいか。
時間が止まっている訳でもないので、熱々の料理を保存したりもできない。
収納空間は大きな部屋にまとめて、らしく。
出すのに時間が掛かるし、液体そのまま保存とかもできない。
それでもまあ、かなり楽にはなった。
ガシャガシャ・・・
向こうから、銀色のリビングアーマーが数体来る。
強そうだ。
「ロリア、敵の解析を頼む」
「できませんよ?!」
え。
「従魔なのに?」
「従魔を何だと思ってるんですか?!」
く・・・
「仕方が無い・・・鑑定スキルを強化するか・・・ロリア、鑑定スキルを強化する方法を教えてくれ」
「何で私に分かると思ったんですか?!」
ええ・・・
「いや、システムに侵入して、情報を持ってきてくれればそれで」
「従魔に対する認識がおかし過ぎます?!」
あれ・・・
「分かった・・・じゃあ、1体は俺が引き受けるから、残り3体の足止めを頼む」
「今、弓なんですけど!」
何・・・だと・・・
まさか、魔装化している間、戦闘に参加できない・・・?
「とりあえず、そのあたりの魔物を従魔にしたら良いんじゃないですか?」
ロリアの提案。
「基本、向こうから従魔になりたいって言ってきた事しか無いからなあ・・・最初の月花から、連れてけアピールが凄かったし。もう、あれで流れができたんだよな」
「月花ちゃん、カギロイ殿の事が大好きでしたからね」
月花、懐かしい。
また会えるのだろうか?
ガンッ
ガンッ
パワーショットのスキルを乗せ、後退しつつ、リビングアーマーを狙撃。
徐々に距離を詰められ。
ジャギ
形態異相。
巨大な戦斧に変え、思いっきり叩きつける。
弓の熟練度は上げたいが、距離を稼げない時はやはり近接武器が必要だ。
鎧系には、鈍器系の武器。
斧は効果が高い。
「貫通力向上、習得しました」
ロリアの報告。
魔石を食べさせると、新しいスキルがアンロックされたり、といったメリットがあるが。
それとは別にポイントが貯まり。
それを消費して、スキルを習得する必要があるらしい。
しかも、スキルは武器種毎に管理。
鬼畜仕様。
それでもまあ、通常武器よりは遥かに強い。
弓や投擲武器なら、消耗しないというメリットも有る。
ジャギ
大盾に形態異相。
武器、と、盾、は別カテゴリで、同時には使えない。
これも地味に痛い。
ガンッ
再度、斧に変え、殴りつける。
結局、撃退に十数分掛かった。
やはりレベルが低いのだろうか・・・
「いや、レンジャーという職種と、PTメンバーの数だと思いますが・・・せめて従魔を増やしませんか?」
「俺には、ロリアがいればそれで良いよ。頼りにしてるよ」
「できる事には限度が有りますからね?!」
多分、レベルが上がればそのうちチートになるだろう。
さて。
「このあたりは安全そうだな・・・一旦ログアウトしよう」
「お仕事、と言っていたものですね。立派に成長されたのですね」
「成長と言うべきか、退化というべきか・・・」
ゲームをやめて仕事に行く、それを成長と呼ぶのか?
有給使って休もうかなあ。
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名前:カギロイ(真名:シルビア)
種族:ニンゲン
種族レベル:[UPD]1025
ファーストジョブ:[UPD]トレジャーハンター
職業レベル:[UPD]7
セカンドジョブ:なし
STR:[UPD]133
AGI:[UPD]649
DEX:[UPD]622
VIT:[UPD]168
INT:[UPD]44
MEN:[UPD]46
BONUS:0
武器:
[NEW]偽装・ダークマター
防具:
[NEW][SR]オリハルコンブレストプレート
[NEW][SR]疾風のマント
装飾:
[NEW][SR]蒼天の指輪
[NEW][SR]ウイングブレスレット
備考:
ふくろうのかご
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名前:ロリア
種族:ミミック
種族レベル:[UPD]316
STR:[UPD]433
AGI:[UPD]345
DEX:[UPD]441
VIT:[UPD]371
INT:[UPD]633
MEN:[UPD]594
BONUS:0
魔装:
弓:[UPD]84
剣:[UPD]63
斧:[UPD]38
槍:[UPD]28
鞭:[UPD]7
備考:
シルビアの従魔
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さて。
「じゃあロリア。また明日の夜に」
「はい」
ログアウト。
視界が暗転し・・・
朝の1時。
予定だと、日が変わる前にやめるつもりだったのだが。
仕方が無い。
「此処がカギロイ殿の部屋・・・真っ暗ですね」
ロリアはそう言うと、スマホの光量を上げる。
部屋が照らされる。
・・・
?!
「ロリア・・・まさか・・・現実に?」