表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ありきたりの台詞

作者: 灯野あかり

400字以内で描くある男女の別れの場面。

 子どもたちの歓声。鳥のさえずり。長閑な公園の一幕。これがお芝居ならどんなにいいだろう。彼との気まずい雰囲気も、笑い飛ばしてしまえたのに。でも、彼が私から視線を逸らすようになってから、私の台詞は決まっていたのかもしれない。

「もう、これで終わり」

 彼がハッとして今日、はじめて私の顔を見た。久しぶりに見た、彼の表情はあの頃と変わっていない。

「今まで、ありがと……!」

 変わってしまったのは、私たちの気持ち。

「待って!」

 彼は、走りだした私を呼び止めたけれど、追いかけてはこなかった。

 ありきたりの言葉に救われた事実に気づく。

“ありがとう”のひとことで、自分からこの恋を手放すことができたから。



過去最短のSSです。

N○Kの高校生講座の国語表現にあった、寸劇の映像を見て400字以内で表現してみようという課題に挑戦してみました。原稿用紙を意識して書くと、タイトル・P.Nぶんの二行を除けば360文字以内で書くことになって…凄く苦戦しました。あるドラマの一場面を文章に描き起こすだけでも苦労するんだな、と勉強になりました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 場面がとても印象的に切り取られているようでした。押しつけがましくもなく、不自然でもなく。 「ありがとう」の一言いいですね。前向きな言葉に救われた気がしました。 こういうSSの試みも面白いで…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ