モテるためにさらに努力を
天才『才牙 勝』の部屋へようこそ。
先日は大失敗をしてしまった。なんと私としたことが警察のお世話になるとは・・・
「モテたかったんです。」
そう言ったら警察の人はすごく可愛そうなものを見る目で見られた。
「これ食って帰りな。いつかいい時があるから・・・」
うまい飯を奢ってもらった。
きっとアプローチの仕方が悪かったんだ、今回は自分はイケメンのはずだが? さらにイケメンになって女性の視線を集めてみよう。
私は、本屋へ行き、ある一冊のイケメンファッションの参考書を買ってきた。
ほほう、これが最近流行の服なのか・・・ どれも似たような服ばかり・・・ 私は唯一絶対に目を引きたいのだ・・・ ペラペラとページをめくる、カップルになったら・・・ これだぁ!!
私はページに描かれている服を用意した。
商店街を歩く、みんなが囁いてる、視線は集まってる、ポージングもばっちり。
この服暑いな・・・ あははとかうふふとか言いながら口の部分を抑えてみる。手には風船も用意した。
一気に人が集まる。子供連れの奥様が写真を一緒にとってくれと私に願う・・・
なにかが違う?想像していたのと違う・・・女性に声をかけていただくという目標は達成された・・・
でも、私の理想とは違うんだ!!!
失敗ではない惜しかったんだ!
そうか、顔を出してなかったからだ、かなり分厚い服だった、子供たちが側に来て、女性との距離が遠かったのだ、距離が遠いと言うことは心の距離も遠いのだ、だから私の純な心は満たされなかった・・・
しかし、発想は悪くないはず、顔の見える人気キャラを模していけばいい。
あれだ!!あれしかない!!
赤いシャツにオーバーオール、赤い帽子ばっちりだ。ヒゲはつけないでおこう真似してるって思われるからな・・・
僕は再び商店街を歩いてみる。みんなの視線が集まる。
ほら、さっそく声がかかった。
「ちょっと寄ってけよ。」
「はい、お巡りさん・・・」
なんかこのお巡りさん優しいんだ・・・
天才はいつも理解されない生き物である・・・
あと少しで彼はモテるはずなんです、そう紙一重で・・・
大事なことなので何度でも言います。現実とは一切関係ありません。




