すべては数式に出来る。
私、『才牙 勝』は天才である。
私は天才だ、正確に言うなら、自称天才である。
よく考えてみて欲しい。
「あの人天才だわ。」「なんて素晴らしいんだ、まさか天才か?」
誰が本人の前で言ってくれるのだろうか? 私が天才だという事実は間違いないが、天才故に言葉の表現は正確にしておこう。自称天才と・・・
さぁ、まずは天才が天才故に理解出来る数式というものがある。
この世の数式は、
1+1=2
この数式がわかれば全てわかるのだ。
それを今から紐解こう。
1×3=3
これを分解すると、
1+1+1=3
数式を短くするために作られたものがかけ算である・・・かけ算作った奴は天才か?
私の大好きな少年漫画でよくあるのだが、
「1+1が10にも20にもなっている!!」
違うんだよ、ヒーロー君。私から、天才の私から見たら君たちの数式はこうなるんだ。
1+1+勇気+希望=10や20
1+1+努力=15
もしくは、
(1+努力)+(1+努力)=勝利
こんな数式が成り立つんだ。教科書を作って欲しいと言われたらいくらでも作ろう。遠慮なしに言ってくれ。
では、実体験の数式を見てみよう。
私の家の側に花屋があり、そこの店員がとても可愛い子でね。是非ともお近づきに・・・
ある日、その娘がお店の前でハンカチーフを落としたんだ。私はすぐさまそれを広い彼女に言った。
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
ここで余計なことを言っちゃいけない、植物で例えさせていただこう。私はここで種をまいた。花屋だけに!! 種に余計なことをすれば、種は育たずに枯れてしまう。そっと土をかぶせ待つんだ。成長を・・・
私と彼女がくっつけば、
1+1=2
の数式が完成する。もしかしたら1+1=3、1+1=4の数式ができあがって、天才の数式がくずれてしまうかも? 困った♪
私は種がすくすく育つの楽しみに待つ。
ある日、私が友人Aと歩いていると、花屋の娘がこちらを向いてにこりと会釈してきた。私もすかさず会釈を返す。ここは会釈する程度にしておこう。会釈する仲という成長を実感しつつ私は通り過ぎる。私の数式の正しさが証明されるのは近い。
また、ある日、一人で花屋の前を通りかかった、いつもの可愛いお嬢さんがいた。彼女は私を見つけ小走りに走り寄ってくる。
(きたぁぁぁぁぁぁ)
私は種を植え成長を見守り果実が実ったのを確信した!!
彼女は恥ずかしそうにうつむきながら私に声をかける。
「こんにちは、急にすいません。」
「はひ!」
「この間、隣で歩いていた方・・・紹介して頂けませんか・・・」
最終的な数式を書き連ねよう。
2-1=1
(私+友人A)-花屋の娘=ひとりぼっちの私
おわかり頂けただろうか?
全ての事象は数式で表す事ができる。私のような天才ならね。
私のことを褒め称えてくれてもいいんだよ・・・
でも、今日は、そっとしておいてほしい・・・
この物語はフィクションです。決して私の実体験ではありません!!
どこかの誰かが笑って頂ければ幸いです^^