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『恋愛魔法のススメ』  作者: なる
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大賢者テンザン

     

【第一章 二節:大賢者テンザン】



〔魔道を極めた者〕とよばれる対象は世界に3人といないだろう。その中でも、最初に名前が上がるとしたら、それは大賢者テンザンである。その要因は彼が〔魔王〕を封印した勇者のパーティーであった事が大きい。しかし、それ以外にも彼は特別だった。彼はもともと魔法を使う事のできない農夫であったが、齢30に魔法に目覚め、その後すぐに頭角を現し〔魔王〕を封印するに至るまでの能力を獲得した。いわば異質な天才であった。

 魔道を志すものは皆テンザンに憧れ、魔力の無い人間ですら彼のような可能性を信じ、彼に憧れている者は多い。


 と言われているらしい。まったく嘆かわしい話だと俺は思う。一度テンザン、いやオヤジにどうやって魔法に目覚めたのか聞いて見た事がある。オヤジは嫌そうな顔をしてから、絶対に言うなよとつぶやいた後に教えてくれた。


 「嫌な話だ。世の中には30歳まで女と×××してないと魔法が使えるようになるという噂があった。わしも20代の頃はそれをネタに笑っていたんだが、まさか自分がその体現者になろうとは。わしの経歴を聞いた青年が尊敬の眼差しを向ける度に何度燃やしてやろうと思った事か。」


 そして遠い目をしながら「魔道とは茨の道だ。」とつぶやいていた。


 オヤジはそれからも現在に至るまで一度も女性と付き合った事がない。それゆえに〔モテたい〕という思いが積み重なり、晩年は女性にモテる為の研究と、リア充の魔導士に付き合っている限り魔導士として限界が来ると嘘をつき、別れたカップルを見ながら酒を飲む事を生業とするクズと成り果てていた。


 では、オヤジに子供はいないはずなのに、俺=ラフィルが息子というのはどういう事かという話なのか。・・・といってもそれはよくある話なのだが、魔物に襲われた村で孤児の俺をオヤジが引き取り後継として育てようと思ったとの事。幼かった俺のもっとも古い記憶は、誰もいない光景だったし、その次はオヤジや勇者パーティーのメンバーが笑いあっている光景だけだった。それからずっとオヤジと一緒だし、そのせいかあんまりオヤジを他人だと意識した事がなく、男二人で楽しくやっている。


 そんなオヤジに育てられたせいなのか、10歳という多感な時期に親友との顔面格差社会という社会の裏側を見たせいなのか、不思議な因果に導かれ、いつしか俺もオヤジと同じ願いを持つようになっていた。そう、《モテたい》と。


 しかし、80歳近くまでモテなかったオヤジとそれに育てられた俺。・・・結果は考えるまでもなかった。そんな追い詰められた状況の中、いつものリーガルの本屋にオヤジがエッチな本を探しにいった際、その魔術書・・・のちに封印される事となった〔禁断の書〕サイレンスとオヤジは出会う事になる。空気が澄み、空を高く感じる晴れた秋の事だった。少し風が寒かった今から5年前の話だ。

1話からいきなり時間が飛びます。分かりづらくてすいません。生暖かい目を継続してもらえると嬉しいです。また何かアドバイスを頂けると幸いです。

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