時の支配者
「次のテストは地上戦じゃ!」
そう言うとクロードは手を上に上げる。そこに時空の流れが集まる。
「スロータイム!!」
時空の流れが遅くなる。周りのものすべてが遅く動いている。しかし、クロードだけは通常の早さだ。
クロードはそのまま動きの遅くなったヒーターを蹴り飛ばす。
「ぐ…わ…ぁ…」
言葉もふっとばされるのもすべて遅い。そして、遅い早さで倒れて口から血をはく。
次にクロードはさっきの手とは逆の手をあげる。時空の流れが戻っていく。
ヒーターや周りの動きが通常になる。
「スピードタイム!!」
次はクロードの動きだけが早くなる。まわりは通常のままだ。
高速化したクロードはヒーターをまた蹴り飛ばす。
「ぐがぁーー!!」
クロードは両方の手を左右にのばす。
「ザ・タイム!!」
すべての早さが元にもどった。ヒーターは連続攻撃をもろにくらって倒れている。
「んー?見込み違いかのぉ。もう、限界のようじゃのぉ。」
クロードはヒーターに背を向けてあるきだした。静かに風がなびく。クロードは少しがっかりしていた。
「まだ…試験は…終わってねぇ!!」
「ん??」
クロードはヒーターの方を見た。立てないほどのダメージは与えていた。それでも、ヒーターは笑いながら立っている。
「な、なんじゃと!!なんという回復力と精神力!!」
「まだまだこれからだぁ!!」
ヒーターは炎の力を手にためながらクロードのもとに走る。
「は、はやい!?」
「炎化一点フレイム・スラッシュ!!」
すごい早さで近づきヒーターは炎の拳でクロードを殴り飛ばした。ものすごい早さでクロードはふっとぶ。
「よし!倒したか!?」
「ほーほっほほほ。やはり、お主は強いのぉ!」
クロードは何事もなかったかのように立ち上がっている。これぞ、最強英雄帝の真髄。
「そろそろ、我の本気を見せるかのぉ!!」
クロードが青く光始める。クロードはその場で合掌し目をとじて呟き始める。
「時大明神、時空鳳凰光琳釈滅……」
その瞬間クロードのまわりを光っていた青いものが無数の弾に変化していく。まるで鬼火のようにあちらこちらで青い弾が浮いている。
「空流弾!!」
青い弾はいっせいにヒーターに降り注ぐ。ヒーターは次から次に来る青い弾をよけるが避けきれずについに直撃した。
「つ、つぇー!ぐはっ。」
ヒーターは圧倒的な力の前に倒れて気絶した。
~数分後~
ヒーターは目を開けた。目の前はきれいな青空が広がっている。
「ようやく気がついたようじゃな。わしもむきになって本気を出しすぎたわい。」
「でも、負けは負けなので旅に出て強くなって…」
「お主をレブティーアへ迎えよう。合格じゃい!」
クロードはヒーターのものすごい才能に目をつけた。後にそれはいい方向に運ぶことになることを誰も知らない。
「本当ですか!?や…やったぁー!!」
ヒーターは嬉しさのあまり大きな声で叫んだ!その声は空の奥にまで響き渡った。
「これを渡しておくぞい。」
クロードはヒーターに地図を渡す。そこには、レブティーアまでの道のりが書かれていた。
「分かりました!では、俺はさっそくレブティーアへ向かいます!」
ヒーターはクロードよりもさきに地図に向かって走り出した!
「面白い子だ。私も行くとするか。」
チュオンが立ち上がる。
「チュオン、芝居ありがとのぉ。」
「いえいえ、逆に感謝してますよ!ヒーターくんという才能を見れて良かったですよ。」
「また、会おう…」そして、クロードとチュオンは違う方に歩いていった。
つづく