驚愕!伝説の英雄
崩れ去る建物のなか、ヒーターとチュオンは無事ジェブを倒した。
「まちを破壊されましたがこれからどうするんですか?」
「私も旅に出ようと思う。色々なことを学ぶ必要がありそうだ。」
チュオンは冷静だ。目の前に広がったまちを何とも思っていないかのような少し違和感を感じた。
「お主、強いのう…!!」
どこからかの声。チュオンさんの声ではない。老人のような声。しかし、まわりを見渡してもチュオンさんの他に誰もいない。
「誰の声だ!?」
チュオンさんも一緒になって辺りを見渡す。しかし、誰もいない。
「よっと!!」
するといきなり空気のなかから一人の老人が姿を現した。老人はピシッと立ったままヒーターに近づく。
「ん??あれ??見たことあるきが…」
「わしの名はクロードじゃ!」
クロード…クロード…ん!!??クロード!!ヒーターは頭のなかに一人の男を思い出した!
「クロードって英雄所レブティーアのマスター!!??」
レブティーアとはたくさんの英雄たちが集まり仕事をする場所である。さらにレブティーアはそこそこ有名な英雄所である。
「ほっほっほ!そうじゃよ!」
ヒーターはいきなりクロードに質問した。
「レブティーアに入りたいです!!入れてもらえませんか!?」
ヒーターが目指していた街にある英雄所こそがレブティーアである。ヒーターははじめからレブティーアに入ろうと思っていた。
「レブティーアに入りたいのであれば…わしを倒しなさい。」ヒーターは固まる。
「え…?」
クロードを倒すのは至難の技である。クロードはレブティーアのマスターというだけでなく英雄頂のひとつしたの七人の者にしか与えられない最強英雄帝の称号を持っているのだ!
「やらんのかね?ならば、わしは帰らせてもらおうかのぉ…」
「や、やります!!あなたを倒してレブティーアの英雄になります!」
ヒーターはジェブとの戦いの疲れなど忘れていた。燃え上がる闘志!それだけが心の中にある!
「スタートじゃー!!」
そういってクロードは空気のなかに消えた。空気はなにも変化せずに無造作状態である。
「こ、これじゃ、戦えないっすよ!?」
クロードが近くにいるのは感じているがどこにいるのかは全くわからない。
「目だけがお主の武器かぁ?違うであろう。」
ヒーターはこの言葉から何かをよみとったのか目をゆっくり閉じて耳をすます。
「スッ…スッ…」
クロードが少し動く度に風が少し生じる。ヒーターは風の起こる場所からクロードの場所を特定した。
「炎弾!!」
かぜの起こる場所に炎の弾を飛ばす。炎の弾は空気を沿って見事にクロードに当たった。
「ほぉ!あれだけのヒントでわかるとは!」
クロードに攻撃は全く効いていない。
ヒーターは自信をもって炎弾ばかりをとばしはじめた。もちろん、同じ攻撃が何度も通じるほど甘い敵ではない。
「これならどうする?」
そのとたん、動いていたときに生じていた風そのものが消えた。止まっているのか?しかし、止まっていても風は起こっていたはず。
「いや、待てよ。風が完全に消えるなんてことはありえねぇ。もっと耳をすませば…」
風のおとは聞こえない。
そのときヒーターはジェブの言っていた台詞を思い出した!
「風の弱点は空気そのもの。空気が消えることはない。ならば!!」
ヒーターは人差し指に炎を宿すと空気にそって人差し指をふりおろした。炎は一本の線となり空気を沿って拡散していく。
「熱風の舞!!」
ヒーターは炎で風を作り上げた。風を消されたならこっちが作ればいい。
クロードは予想もしていなかった攻撃にあたり地上に姿を現した。
「ほぉ!お主やるのぉ!!」
ヒーターは少し勝ち誇った顔をしてクロードに視線を向ける。
「まだ、合格じゃないぞぉ。わしはまだ倒れておらん!」
「なに!?」
「次のテストは地上戦じゃ!わしの時の能力の本当の力をみせてやるぞい!」
「なんだって越えてやる!そして、絶対ごうかくしてやる!!」
ヒーターのレブティーア加入をかけた戦いは続く
つづく