番外編4:ニシャちゃんの一日
番外編からの再開で申し訳ありません
朝、目をさますと明るいお日さま。
今日もいい天気!
これならミミルちゃんとあそべます。
かおをあらって歯をみがいて(ガーデオさんが歯ブラシとコップを作ってくれました!)お気に入りのパジャマをぬぐとお母さんがよういしてくれていた今日のおようふくに着がえます。
あらい立てのいいにおい。
むねいっぱいすいこんでテーブルにつくと、お父さんがえがおであたまをなでてくれます。
お母さんが朝ごはんを持ってきて、みんなでいただきますっ!
今日もお母さんのりょうりはおいしいです。
わたしのお父さんとお母さんは金物やさんをしています。
それほど忙しくは無いですけれど、たまに朝はやくや夜おそくに買いにくるお客さんや、しゅうりをたのみに来るお客さんがいます。
うちではお父さんがちょっとした金物のしゅうりができるので、穴があいたり、取っ手がとれたりしたおなべやフライパンを持ちこむお客さんがいて、みんなあわててくるのでお父さんはたいへんです。
朝ごはんがすむと歯をみがいて、行ってきますのあいさつをして家を出ます。
ミミルちゃんの住んでいるやどやさんはわたしの家から歩いていけるところにあります。
ミミルちゃんはときどきお店を手つだっています、すごいなぁ。
私もときどきうちのお店を手つだってます、負けないよ!
ミミルちゃんはまっしろでふわふわです。
いつもえがおなんでわたしもえがおになります。
やどやのアマンダさんはいつも元気です。
おいしい食べもののにおいがいつもしているので、ぎゅうっとだきしめられるとたまにおなかがなっちゃいます、しかたないよね?
ミミルちゃんはウサルといつもいっしょです、ちょっとズルい。
わたしももっとミミルちゃんといたいのに。
今日はまほうのおべんきょうの日なので、ミミルちゃんとお手手をつないでガーデオさんのお店に行きます。
ガーデオさんはおにいさんみたいなのにおじいさんよりもっと年上だそうです、へんなの。
お店の中にはミミルちゃんが「ほねしゃん」とよぶ、、だがしやのおにいさんもいました。
だがしやはおいしいものもたのしいものもいっぱいなので大すきです。
だがしやさんのおにいさんもすごいまほうつかいなんだって!
ふだん見せてくれるアニメもまほうをつかってるってはじめてしりました。
まほうといえば、このあいだのたべられるくもはおいしかったなぁ。
お口の中でふわっととけちゃうの、あまいし。
ミミルちゃんのほうがさきにおべんきょうをはじめたので、まほうがじょうずです。
わたしも光のかたちをかえるれんしゅうをしていますが、うごかすのがむずかしいのでお花とかしかつくれません。
わたしもミミルちゃんみたいにうごかせるようになりたいなぁ。
おべんきょうがすむといつものケーキのじかんです。
ガーデオさんのケーキはとってもおいしいです。
おかねをはらわないといけないのではと、きいてみたことがありますが「ニシャちゃんたちのえがおでぼくにはじゅうぶんだよ」とうけとってもらえませんでした。
ちゃんとおこづかいをためてもってきたんだよ。
ケーキをたべおえるとミミルちゃんはもうおねむ。
いつものようにふたりでおひるねです。
おきたらミミルちゃんといっぱいあそぶんだ。
きょうはなにしてあそぼうかな?
◆◆◆◆◆◆◆
今日はガーデオのトコで魔法の勉強の日。
あさイチでニシャちゃんもやって来て手を繋いでガーデオの店に向かう。
引っ込み思案でミミルの後ろに隠れることが多かったニシャちゃんだが、今は普通に並んで歩いてる。
子供の成長はホント早いな。
2号と4号はいつもの冒険者稼業。
今回は討伐系ということを建前に、自由に駆けずり回るためイヌルも同行。
散歩は欠かしてないが、街中では全力疾走不可能だからな。
こういう機会でも無いとなかなか難しい、ミミルが離れたがらないしな。
お仕事で必要と言えば納得してくれる。
ホント、ウチの宿主の賢さは大したもんだろ?
2号や4号が仕事から戻ってくると「おちゅかえしゃま」と労ってくれるしな。
まあ、そんな訳で今日の同行者は本体、ウサル、3号だ。
3号は俺たち同様、普通に喋れるんだが、ほとんど口をきかず、撮影に専念している。
たまに作者にも居たことを忘れられるしな。
何事も無くガーデオの店に到着。
ミミルの魔法も上達したし、ニシャちゃんの制御も問題無いし、ということで、実は初の営業日の授業なんだな。
ミミルもニシャちゃんもそういうトコは分かってないみたいだけど。
光で形を作って、それを動かすことに成功したミミルはその数を増やすことに挑戦。
ウサルと2号を作っている。
ニシャちゃんはまだまだ動かすのは難しい様だが、作り出した光の花の造形は、今日は冒険者の仕事ではなくウェイトレスをしている魔法少女たちが、どんよりと煤けるくらいの見事な出来栄えだ。
大元のウサルの造形が単純だからミミルとの純粋な比較は難しいが、精密さでは勝っているのではと思える、デフォルメなど入ってない、実にリアルな花の造形である。
たまたま店に来ていた田中さんも、純粋に絶賛してたから俺の素人目に限った判断じゃない。
最強の幻術士である田中さんの根幹を支える観察眼でも非の打ちどころが無い造形。
現物の花を目の前にしてという話じゃないから、ニシャちゃんの観察力や記憶力も大したもんだな。
これも精霊の加護なのかね?
「2ごうしゃん、へんしんです! とおぉ!」
ミミルの操る光で作った2号。
本物そっくりに空中ジャンプで回転するとマサギの姿になった。
え?
黒い光だと……。
厨二御用達の黒い光の現物を初めて見たぞ?
マサギそのままのブラックボディに赤いひび割れ。
流石のガーデオも絶句してるな。
田中さんは五月蠅いくらいミミルを絶賛しては3号に写真撮影を促してるけど。
やっぱミミルは最高だな!
◆◆◆◆◆◆◆
目がさめてガーデオさんにおれいをいって、ミミルちゃんとそろってバイバイ。
そのあと、ミミルちゃんとシルバーくんのおうちにいっておにわであそびました。
シルバーくんはおとこのこでちょっとらんぼうだから、さいしょはこわかったけど、いまはへいきです。
ミミルちゃんはシルバーくんとおなじくらいうごけるんだよ、すごいでしょ!
おにわでかけっこしたり、お花をながめたりしてるともうゆうがた。
シルバーくんにバイバイして、ちょっとつかれたんでウサルにミミルちゃんといっしょにのせてもらって、おうちにかえる。
ミミルちゃんともここでバイバイ。
もっといっしょにいたいなぁ。
お手手をあらって、うがいをしたら夕ごはん。
お父さんもお母さんもわたしのはなしをきいてニコニコだ。
「あのね、あのね、今日はミミルちゃんとね!」
という訳でほぼレギュラーなニシャちゃんの一日でした
ニシャちゃんの守護精霊はピューマに似た岩山に住むネコ科の生き物ですが、急斜面に直立したり、オーバーハングを駆け上ったり出来るので、ニシャちゃんが成長するとスパイダーマンみたいなことが出来ます(糸は出せませんが、ウサルの補助で似たことは可能)




