第23話 魂が帰る場所
「何を隠そう、今わしがエレファスのかけらを集めているのも、魂が帰る場所を作るためだ。」
「あのエレファスを、もう一度作るんですか。」
「そう、ただし今度は全く違う姿になる。」
「エレファス、どんな姿になるんだろう。
早くエレファスに会いたいな。」
「パルさん、新しいエレファスの姿を知りたいかの。
ならば、よし特別に披露しよう。
まだスケッチ段階じゃがな。ちょっと待っておれ。」
バーリは、木棚から一枚の紙を取り出した。
「初のお披露目だ。
これが新たなエレファスじゃ。」
「えぇ、なんか弱そう。」
「なんか前と全然違いますね。だいぶ小さいかな。」
「うん、全然戦車じゃないよ。
上に大きな風車みたいなの着いてるし。
それに大きな耳や長い鼻があって、子供の象さんみたいで可愛い。」
「そう、新たなエレファスは小さくそして軽い。
何故なら、、、空を飛ぶからな。」
「ええっ、空なんか飛べるの。」
「飛べるさ。
上にある風車みたいなものはプロペラという。
これを高速回転させると、下に向けて風を送ることが出来る。
その力で、新たなエレファスは空を飛ぶのだ。
骨組みやプロペラはエレファスゆかりの鉄で作るが、外装は木と革や布で出来ておる。
もはや鋼鉄の勇者とは言えんがな。
かつて、エレファスに防御力が無いのが欠点だったが、空を飛ぶことが出来れば何の問題もない。
矢など到底届かないからな。」
「それで、いったいこれを誰が動かすんですか。」
「ふふふふ、こんなもの動かせる人間、この国、いや世界に1人しかおるまい。」
「まさか、、、、パルちゃん。」
「バーリさん、無茶です。
さすがにそれは危険では。」
「まあ、全く危険が無いとは言わん。
何せ、空など誰も飛んだことはないからな。
パルさん、無理にとは言わんぞ。
ただ、動かせるのはパルさんしかおらんのは事実。」
「私、、、乗りたい。
大空をエレファスと飛んでみたい。」
「えぇっ、パルちゃんいいの。
落ちたら大変だよ。」
「うん恐いよ。
でも、エレファスが一緒ならきっとうまく飛べる気がする。」
「ははは、まあ、まだまだ先の話よ。
まだ設計図も出来とらん。
わしの途方もない夢の話よ。
出来上がってから、ゆっくり、じっくり考えてくれたらいい。
まあ、こんなことを話したら、シルさんにどやされるわ。」
「そしてな、この新しいエレファスは戦いの道具では断じてない。
王女様もエレファスも、図らずも望まぬ戦に巻き込まれてしまった。
侵略者とはいえ、数多くの敵兵を死なせてしまった。
彼らとて、愛する人がいただろうに。
新しいエレファスには、もう同じ道を歩んで欲しくないのだ。
戦いではなく、平和へ導く翼を持ったエレファスになって欲しいのだ。
そして、それが間違いなく王女様の願いだとわしは信じている。」




