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地味な田舎娘パルが、王家の秘技クルクル回転魔法で国を救う。  作者: 宮本海人


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第22話 エレファスの魂

「バーリさん、こんにちは。」

パルはバーリの工房を訪れていた。

少し寒いが、暖かい陽もときよりさしている。

チルとテオも一緒だ。


「おおっ、パルさん、いらっしゃい。

仲良しのチルさん、そしてテオくんも一緒だな。

今日は三人揃ってどうしたのかな。」


「バーリさんにお届けしたいものがあって。

二人もバーリさんの工房に行ってみたいって。」


パルは鞄から、大事そうに海岸で見つけた水晶玉を取り出した。


「おおうっ!これは、これは。

会いたかったぞ、エレファス。

いったいどこでこれを。」

「砂浜を歩いていて偶然見つけたんです。」

「そうか、ふっ、万物は戻るべき所へ戻る、帰るべき所へ帰る、つまりは自然の摂理かのう。」


「でも、この水晶玉に触れて、エレファスって呼び掛けても何も反応が無いんです。」


「うむ、まあそうだろうな。

この水晶玉は、エレファスであってエレファスではない。」

「そうなんですか。」


「まあそれには、エレファスというものが何なのかから話さねばならんな。

お茶でも飲みながらゆっくり話そうか。」

「バーリさん、これお土産。

テラさん自慢のクッキー、すごく美味しいんです。」

「こりゃいい、美味しそうだな。

おおっ、いい香りがするぞ、ありがとう。

では、クッキーを頂きながらお茶とするか。

みんなそこに座って、ちと待っててくれ。」


パルはバーリを待つ間、バーリの工房を見渡した。

金属、木材、皮、布等様々な素材や、道具、工具が所狭しと壁に掛かっている。

部屋の奥には、エレファスの物と思われる鉄片が並べられている。



「さてさて、お待たせした。

長い話になるが、お茶でも飲みながら聞いてくれ。」



「エレファスとは、わしが魔力で操る道具として作ったもの。

あくまで、ただの魔力で動く機械でしかない。

王女様の命令に絶対服従するためだけに、魔法回路を設計したのだ。

しかし、予期せぬことが起こった。

王女様が、何やらエレファスと楽しそうに話しているのだ。

わしは不思議じゃった。

王女様が魔法で作り出した、幻なのかと疑ったりもした。

しかし、だんだん分かってきたのだ。

こいつ、本当に自分というものを持ってると。

そう、エレファスという確固たる魂が、そこに存在しているのだとな。」


「だがそこで疑問が生まれた。

では、エレファスの魂はどこにあるのだろうかと。

鉄の体か、水晶玉か?

水晶玉かと最初考えた。

この水晶玉は、魔力を効率的に伝えるための重要な装置だ。


しかし、王女様は時に水晶玉に触らずともエレファスに言葉を伝え、さまざまな会話をしていた。

ついには、全く水晶玉に触れることなく意思疎通していたのだ。」


「そこで、わしは気づいた。

エレファスの魂とは、目に見えるものではなく、エレファスの体の回りにいつも浮かんでいるとのだと。

またそれは、物理的な存在ではない、目には見えない何かであるとな。

そして、それは王女様を助けるというただ一つの目的のために存在している。

だから、王女様が旅立ってしまったあの日、唯一の目的を失った魂は、その存在価値を急速に失っていったのだ。」


「では今、その魂はどこにあるのか。

わしにもわからん。

だが、必ず帰ってくる気がしている。

そして、今それが確信に変わったのだ。

それは何故か。

万物は戻るべき所へ戻り、帰るべき所へ帰る。

それが、まさしく自然の摂理だからだ。」










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