プロローグ
___〇月
放課後の図書室にて___
「月崎先輩」
先ほどまで俯いていた顔を上げ、大きな瞳がこちらを見る。
胸の前で両手を重ねて、緊張?した表情をしている。これほどまでに分かりやすい表情は初めて見た。
「もう一度確認します、本当にもう誰も来ないんですね?」
「?ああ、だから僕たちも帰ろう」
言葉の意図がわからず、そのまま、外へ出ようと扉に手を掛けると───
「ま、待ってください!」
いつもより大きな声に少し驚く。
「どうした?大きな声なんかだして」
「ごめんなさい…」
また少し俯いてしまった。そんな顔しないでくれ、なんか悪いことをした気になる。
だが今度は、すぐに顔を上げ、もう一度こちらを見据える。
口を開き、なにか言おうとしているが、うまく言葉が出ないらしい。
意図はわからないままだが、真剣な雰囲気を察して、彼女の言葉を待つ。
そして、声を震わせながら言う。
「月崎先輩、お話があります」
そこまで言って、震えていた声を落ち着かせるように、深呼吸をする。長く、二回。
今一度こちらを見る。その瞳はまっすぐ前を見ている。
「…わかった、聞かせて」
雰囲気を察しているので、さすがに後回しにはせず、続きを促す。
そこでもう一度、深呼吸をする。今度は短く、一回。意を決した表情で告げる。
「先輩、───」
とりあえずプロローグを書き始めました。
おおまかな話の道筋は決まっていますが、形だけしかなく、細かな内容、中身は全然決まっていません。これから、ゆるりと書いていきます。