第81話 あっという間に長期休みでクリスマス
あっという間に、魔法学園での一年生が終わった。授業は四月から十二月までで、一月から三月までは長期休みなのだ。
え? 成績? 大人の頭脳を持ってしても、わたしは中間くらいです。この世界の子ども、賢すぎない? わたしの無双の夢はあっさりと崩れ落ちました。
ちょうどクリスマスイブの日に終業式があって、その夜は各寮でパーティー。そしてクリスマスの朝から帰り始める人がいたり、寮に残る人がいたり、というスケジュールのよう。
そして今日は、そのクリスマスイブの日! いえ〜い!
この世界では神様はキリストではなくて女神なので、「クリスマス」っていうのはおかしいんだけれど、ただ単に「恋人や友達、家族と過ごす楽しい日」という感じで定着している。
昔の転生者、日本人説濃厚です……!
さて、寮のパーティーでは、みんなドレスアップ……かと思いきや、マオ寮なので、みんな思い思いの格好をしています。
サンタクロースや、トナカイに、アグリークリスマスセーター。クリスマスエルフも。
これがローズ寮だと、バシっとピシッとドレスアップして、男の人はタキシードで優雅なパーティーだそう。マオ寮でよかったぁ。
さて、わたし達四人の服装は、なんと! 女神様の好意で、というよりも絶対に嗜好で、ミニスカサンタです。
『クリスマスパーティーには、杖で変身していきなさい』
とお告げをもらったわたし達。
「もはや魔王が潜んでるとか!?」
「いや、でも、魔王は魔の森でしょ?」
「じゃあ、手下とか?」
「とりあえず変身して備えておけってことよね」
ドキドキして呪文を唱えます。
「マジカルミアミア、メークアップ!」
「ニャーニャーパワー、メークアップ!」
「ホーリークリスティーヌ、メークアップ!」
「セイントヴィクトリア、メークアップ!」
ちなみに、せっかくなので四人で合わせた変身のポーズを作りました。可愛いんだよ!まあ恥ずかしいから、寮の部屋のリビングでやってるだけなんだけどね。
いつもは白い光なのに、今回は赤と緑でピカピカ。そのピカピカが止まると……。なんと!
全員、ミニスカサンタ姿であった!
『ひゅうひゅう〜! ミニスカサンタ魔法少女! くぅ〜!』
ライくんが可愛いけどうるさい。
「か、可愛い! みんな可愛いよ!」
「えっ、これ恥ずかしいわよ、でも他のみんなは可愛いわ」
「わたしも今回はスカートなんだな……」
「ボク、みんなでおそろい嬉しいな」
「とりあえず、変身はきっと女神様の趣味だったってことかな……」
「その可能性が高いわね」
恥ずかしいけれど、女神様のお告げなので着たまま寮のパーティーへ繰り出す。
やはり四人お揃いというのは目立つみたいだ。まあ、でも気にしてもしょうがない!楽しむだけです!
聖獣レオ様がのっしのっしと近付いてきた。今日は赤い蝶ネクタイをしていてめちゃくちゃ可愛い。
「ミア達、また気合入った格好してるな」
「これね、女神様仕様なのです」
「あぁ、あの杖か?」
「お告げがあったから何かと思ったんですけど、サンタを着せたかっただけな気がします」
「ああ〜。あの女神なら、やりそうだな。ま、可愛いからいいんじゃないか?」
そう言って、のっしのっしと去っていくレオ様。
「えへへ〜レオ様に褒められちゃった〜」
「ミア、本当にレオ様が好きねぇ」
「うん! かっこよくて可愛くてモフモフだなんて最高だよ!」
それにしてもパーティーでの一番の楽しみはやっぱり! お料理なのです!
「食べるぞ〜!」
『ミアねーちゃん、全制覇しような!』
頭にライくんを乗せて、やる気満々なのです。
クリスマスと言えば!の肉アイテム。フライドチキンに、ローストビーフ、煮込みハンバーグ、ラムチョップ。
エビグラタン、ラザニアなどのホワイトソースたっぷりにチーズ系も!
サラダはとりあえず、今日は無視してもいいですか? ブロッコリーとミニトマトだけ彩りに取っておこうかしら。
あちこち山盛りお皿に乗せて、頭の上にいるライくんに持たせる。頭が重くなってくるけれど一気にたくさん運べるので便利です。
そろそろと動きながらテーブルに着いてお皿を並べていく。
『いただきま〜す!』
「いただきます!」
どれから食べようか悩む。ライくんは迷いなくエビグラタンだ。スライムって火傷しないのかなあ?
わたしは……うーん、まずは煮込みハンバーグにしようっと!
フォークを入れると、中からとろりとチーズが出てきた。
「あっ、これチーズ入りだぁ!」
『なぬっ! 次はそれ食べるぜ』
ジューシーなハンバーグにとろりとチーズ。最高……!ソースもこれまた肉の旨みがぎっしり詰まってて美味しいよう。
ライくんと、「これ美味しいね」『こっちも最高だぜ』と二人でじゃんじゃん完食していく。ちなみに他の友達や従魔達は、うろうろして、きっと社交をしています。
わたしはスライムと二人、食べることに集中さ。
あらかた食べ終わった。
「ライくん、次はやはりデザートですな?」
『おうよ! 甘いものは別腹ってなー!』
ライくんがお腹をぽんぽん叩いている。うん、透明だ。さっきまで食べたもの、どこ行ったんだろ。別腹どころか消化が速い!
デザートは、パーティーらしく、ミニケーキがたくさん並んでいる。ショートケーキ、チョコレートケーキ、チーズケーキに、タルトとシュークリーム。ブッシュドノエルまで発見。ジンジャーブレッドクッキーも。
食べ放題で元を取ろうとするおばちゃんさながらの勢いで、全種類制覇です!
全部取って、席に戻ろうとしたところ、視界の端に何か見えた……。
あれ? ジンジャーブレッドハウスに、なんかニャムスターのホッシーさんが入ってませんか? なんか寝転がりながら、壁や床を舐めたりしている。
『ニャウー。我輩、幸せにゃ。ここに永久に住むにゃぁ』
これ、いいのかな? うちの従魔が問題を起こしてるのでは!?
近くにいた、食堂の従業員の方に聞いてみる。
「あの……あれうちの従魔なんですけど、ジンジャーブレッドハウス、もしかしてだめにしちゃいました?」
「あぁ! 大丈夫ですよ。これは食べれる素材で出来てはいますが、食べるのではなくて見て楽しむものなので、逆にニャムスターさんが入ってくれている方が可愛くて眼福です。それに、聖獣のレオ様を通して、きちんと許可を取られてましたよ。賢い従魔さんですね」
うっ……。聖獣を、お菓子の家のために通訳に使うホッシーさん。
でもとりあえず、確かに可愛いし、迷惑はかけてないようなのでよかった。ヘンゼルとグレーテルはお菓子の家に引き寄せられて捕まっちゃうんだよなあ……。
ホッシーさん、丸焼きにならないようにね!
「さ、わたしはケーキを食べるよ!」
『おうよー!』
この後、動けなくなるまで食べて、みんなに呆れられるのであった。
あ〜楽しかった!




