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第78話 女神様に面会

 教会は学園の森の中にあった。

「おおー、こんなところに教会があったんだねぇ」


 ステンドグラスの大きな窓が美しい。建物自体は大きくなくて、こぢんまりとしている。木漏れ日が降り注ぐ教会はなんだか神秘的な雰囲気だ。


「なんだか、素敵な教会だね。神様とかいそう」

「おう、いるぞ?」

「え?」

「神だろ? いるぞ。まあ実際にここに住んでいるわけじゃなくて、話ができる交信所って感じか?」


 聖獣のレオ様が言うんだから、間違い無いのだろう。さすが異世界。神様とおしゃべりできる。


 中に入ると、シスターがやってきた。

「あらまあ、レオ様、お久しぶりです」

「今日は、こいつの付き添いで来た」

「こんにちは、ミアです!」

「こんにちは。どうぞ、ゆっくりしていらしてね。まずはお祈りかしら?」


 シスターさんに案内されて、女神像の前にたどり着く。とってもボインでセクシーな女神様だなあ。


 膝をつき手を組みお祈りをしてみる。従魔ズも一緒だ。

 心の中で、『はじめまして、女神様』と語りかけてみる。


 するとスゥーっと意識が白い部屋に移った。

 従魔ズとレオ様も一緒だ。


「はいはい、初めまして、みなさん! レオは久しぶりね〜!」

 突然、女神様とおしゃべりできる部屋にやってきてしまった。呆然。本当に、神様っているんだ……!


「あら、この魂はミアちゃん? ミアちゃんじゃない。 どう? この世界でモフモフライフは満喫している? あら、すでにモフモフが三匹もいるのね」

「わたしの転生をご存知なのですね」

「そうよ。だって、わたしが転生させたんだもの。無事にこの世界での生活を楽しんでいるみたいで良かったわ」

「そうだったのですね! ありがとうございます」


 見た目はセクシーなのに、なんだか元気いっぱいの可愛い神様だ。それに、とっても良い人! あ、良い女神!


「あ、そういえば、わたしが転生者だってまだ誰にも言ってなかったけど、三匹とレオ様にはバレちゃったね」

「あぁ〜。でもまあ、俺は知ってたぞ」

「え!?」

「一応、聖獣だからな。魂の輝きとか、いろいろ見えるんだよ。それに、この世界、結構転生者いるぞ」

「やっぱり! カレーとかラーメンとか、そうだよなあって思ってたの。でも、そっかぁ。それなりにいるんだね」

「身近なところだと……。いや、やめとくか。そのうち本人同士で話せば良いよな」

「えっ!? えっ!?」


 どうやら身近にも転生者がいるらしい。誰なんだろう!


 ふと見ると、ライくんが女神様にぽよぽよされて幸せそうに震えている。ホッシーさんとクロちゃんも撫で撫でされて楽しそうだ。


「あら、ごめんなさいね。あなたの従魔達、みんな可愛いからつい触りたくなっちゃって」

「そうでしょう、そうでしょう? うちの子達、可愛いのです!」


 そのあとは、従魔談義に花を咲かせた。

 次は乗って飛べる動物を従魔にしたいのだけれどオススメはないかと聞いたところ、魔の山にいるそうだ。

 次に里帰りした時に、仲良くなりに行こう。


「あら、もうこんな時間! わたし、今日は次代の聖女を発表しなくちゃいけないんだったわ!」

「おいおい、しっかりしてくれよ」

「じゃあね、あなた達、また教会に遊びにきてね〜!」


 気付くと、意識が教会に戻っていた。身体の方は長い間、膝をついたままだったので、体がバキバキする。次からは座ってお祈りしよう……。

 シスターさんにお礼を言って外に出ると、突然教会が光り始めた。


「ああ、聖女の選定とお告げが始まったな。女神からのお告げがある時は、教会が光るんだ。全ての教会が光って、シスターに告げられるんだ」


 そして空から太い光と、細い光が伸びた。なんだか舞台のスポットライトみたいだ。

 音楽が聞こえてきそうな動きでスポットライトが、たらったら〜と動き回る。わたしの上も通って行った。


 そして、なんと学園の中で止まったのだ!

 どちらの光もマオ寮のあたりを指している気がする。


「レオ様! あれってもしかして、次代の聖女のいる場所?」

「ああ、そうだな」

「マオ寮のあたりだよ! 知ってる人かも! 見にいこう〜!」


 急いで寮に戻ると、寮のまわりに人だかりができていた。やっぱりマオ寮の中に光が伸びている。

 他領の人は中に入れないので、人混みを縫って中に入る。これは食堂の方かな? ワクワクと小走りで行くと、ヒマリも食堂に向かっているところだったので一緒に向かう。

 そして食堂に着くと……。なんと、クリスとヴィーちゃんが光の中にいたのだ!


「わぁっ! クリスとヴィーちゃんが聖女なのっ!?」

「もう、何が何だかわからないわ」

「私は聖女の騎士、ということらしい。聖女はクリスだ」


 かっこいいなあ、聖女と聖女の騎士!と思っていると、二人の手元に、何かが降りてきた。


 杖と剣だ!


 どちらも白銀の聖女っぽい見た目をしている。キラキラしているのに、上品なキラキラでさすが聖女アイテムである。


「なんだか、言うべき呪文が頭の中に響いているけれど、言いたくないわ」

「私もだ……」


 二人はチラチラと、わたしとヒマリを見ている。なんだか分かってきたぞ。あれだな。


「くっ、でも女神様の声が頭に響くわ…しょうがないわね…」

「頑張れ〜!」


「ホーリークリスティーヌ! メークアップ!」

「セイントヴィクトリア! メークアップ!」


 やっぱり変身だ〜! 女神様は魔女っ子スキー!

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