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第77話 一気に人気者?

 お城探検、四季の庭の後は厩舎を覗かせてもらったり、大きな大きな図書館を案内してもらったりした。

 こんな大きな図書館が家にあったら、わたし、一生家から出ないかもしれないわ!


 そんなこんなで楽しいお城探検も終わり、学園に帰ってきた。

 マオ寮の先輩達はすでに学園祭の打ち上げ気分も終わり、また個人個人の研究や趣味に没頭していた。切り替え、速い……!


 桜姫の娘だとわかっても、マオ寮のみんなは、わたしに対する態度が変わらない。まあ、ルイスやオーランドに対してもそうだったからね。二人がマオ寮を選ぶ気持ちがわかるなあ〜。居心地がいいのだ。


 しかし、一歩寮から出ると、わたしはいろんな視線に晒されることになった。


「ううーん、これは想定外」

「何が想定外よ、想定内でしょう?」

「だって、わたし、結局のところ平民だよ? 親は領地と権力持ちだけど、平民だよ?」

「いや、それもう平民とは違うわよ……」

「しかも領地って言ったって、魔の山だよ?」

「まあねぇ」


 クリスは魔の山に接しているイリレイ領出身なので、魔の山がどれだけ辺境で、田舎で、魔物ばっかりかっていうのを分かっているのだ。


「魔の山を治められるるのは、あなたの両親しかいないわね」

「でしょう?」

「まあ、将来、あなた達の姉弟どちらかが継ぐのでしょうけれど……」

「ケビンに託すよ! わたしはモフモフパラダイスの建設で忙しいからね」


 学園の食堂でそんな話をしている間も、いろんな人が話しかけたそうにこちらをチラチラ見てくる。

 でも面倒なので気づかないふりだ。

 うう〜落ち着かないなあ!


「とりあえず、魔の山に住み続けるつもりなら、ミアの旦那さんは強い人じゃなきゃだめね」

「うわぁ、わたし達、七歳なのに既に結婚の話ぃ?」

「学園には婚約者がいる人もたくさんいるわよ」

「そういうクリスはどうなのさあ」

「私は、まだ特に決まっていないし、気になる人もいないけど……。まあイリレイ領を継ぐなら、強い人じゃなくてはだめね」

「ほうほう。わたしは結婚するならレオ様がいいな〜」

「レオ様って聖獣じゃない!」


 クリスとキャイキャイ話していると、突然大きなモフモフが横に現れた。

「俺の名前が出た気がしたぞ」

 レオ様である。


「ああっ、それはその〜」

「ミア、結婚するならレオ様がいいって言ってたんですわ」

「あっ、恥ずかしいから言わないでよ〜!」

 クリスは、レオ様のイケメン人型を見たことがないから軽く言えるのだ。


「ふう〜ん。そうなのか、ミア? 俺の番になりたいと?」

「ふえっ!? そんなの分からないですー!」

「まあ、まだ幼体だしな。子どもはおやつでも食べて大きくなるんだぞ」

 肉球で頭をぽんぽんされた。きゅん。


『ミアちゃん、我輩のおやつを分けてあげますにゃ』

 頬袋から出したおやつをホッシーさんが分けてくれた。ちょっと湿っているけど、ありがたくいただく。


 うちの従魔は可愛いぜ。


「ところでミア。そろそろ聖女の代替わりがあるらしいわよ」

「聖女?」

「あ、もしかして聖女って聞いたことない? というかミア、教会に行ったことないでしょう?」

「う…うん」

「聖女はね、教会を通して神様のお告げで選定されるのよ。結婚すると代替わりになるみたいで、今代の聖女は、もうすぐ結婚するの。昔は魔王と闘ったりしたみたいなんだけれど、最近はずっと魔王は出てないじゃない? だから、まあ、慈善活動をしたり、たまに浄化したりってぐらいらしいんだけど」


 まさか、この世界には聖女もいたなんて。そして魔王もいたなんてびっくりだ。わたしが生きている間には魔王さんには復活してほしくないなあ。


 でもそうか。教会かあ。

 この世界に転生したお礼を言いに、教会には行った方がいいよね。

「この辺りで一番近い教会はどこなのかな?」

「学園内にあるわよ?」

「えっ! 知らなかったよ! 次、授業ないから、ちょっと覗いて見るよ」

『主、我が案内するぞ』

「ありがとう、クロちゃん!」

「教会に行くなら俺も行くぞ。たまにはヤツのところにも行った方がいいからな」


 レオ様が「ヤツ」呼びする相手は一体誰なのだろうか……。まさか、神様!? 聖獣だしね。


 食器を片して、授業へ向かったクリスを送り出してから食堂を出る。

 そろそろ授業が始まる時間なので、わたしに話しかけたそうにしていた人たちも授業に向かわなくてはいけない。それに聖獣のレオ様が一緒にいるので、そう軽々とは話しかけられないのだ。ふふ。


 それにしても教会はどんなところだろうな〜!

 楽しみ!




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