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第72話 食事会の準備

 寮対抗リレーの閉会式も無事に終わったので、応援席へ向かう。

 チャーリー達は「優勝おめでとう! すごく楽しかったぜ! 誘ってくれてありがとな」と帰っていった。


「母さん達は、いつ帰っちゃうの?」

「今日は、食事会があるから、明日の昼ぐらいかしら? あ、そうそう。ミアも食事会に出るわよ」

「そっかー。……。ん?」

「ほら、おじいちゃんおばあちゃんにも会いたいでしょ?」

「おじいちゃんおばあちゃんって、前の王様と王妃様ってことでしょ!?」

「まあ、そうだけど、家族なのよ?」

「そうだよねぇ……。分かった! 後でルイスに連れてってもらうから、また後でね!」


 マオ寮のみんなのところに戻ったわたしは、ピンクちゃんが母さんに駆けて行くのを見た。

 あの子、なぜ母さんが母親だって思ってるんだろう? 疑問である。


 とりあえず、優勝して盛り上がっているマオ寮のみんなとともに寮へ帰り、自室でホッと一息つく。

 今日は打ち上げなんだって。食堂ごはんも、いつもより豪華なんだそうだ。


「いいな〜。わたしも、食堂のご馳走食べたいな〜」

「あら、ミアは食べないの?」

「うん。母さん達と食事会だって」

「あら! つまり王族との食事会なの? ミア、着て行く服あるの?」

「か、考えてなかった……!」

「ミア、ほら、あなた変身ブレスレット持ってたじゃない? 何か使えそうなもの入ってない?」


 さすがクリスだ。そうだそうだ。いろいろ入ってるんだった。

「んー。メイド、猫メイド、お茶会、舞踏会、城で食事会……」

「猫メイドが気になるけど、とりあえず城で食事する用の服があるみたいね!」

「良かった〜」

「着替えたら髪の毛セットしてあげるから、とりあえずシャワーでも浴びてきなさい。ミア埃っぽいわよ」

「はーい! ありがとね!」


 砂に突っ込まなかったとは言え、やっぱり障害物競走に出たからか、他の人よりも汚いのが分かる。


『スライムパックもしてやるぜ〜』

『我もツヤツヤになるぞ』

『我輩もニャ〜!』


 普段は寮の大浴場を使っているけれど、今日は自室のお風呂を使うことにする。寮の間取りはは四人で一つのタウンハウスを使う感じなので、お風呂もちゃんとあるのだ。


 まずはお風呂にお湯を張って〜。

 従魔達から洗っておこう。時間もないし、三匹まとめて、ゴシゴシ。

『にゃァァァァァ』

 ザブーンと流して、湯船に放り込む。湯船で浸かりつつ、浮いているライくんに包まれてスライムパックを受けている二匹。

 うん……何度見ても捕食されてるみたいだ。

 でも、これやると、本当に艶々のモフモフになるんだよね〜!


 わたしも全身洗って、湯船へ。ライくんが包んでくれるので湯船と言うよりスライム風呂だ……!

 でも肌はお湯に触れてないのに、あったかくて気持ちいいしリラックスできる〜。ほえー。


 ほっかほかのツヤッツヤになってお風呂から出る。

今日はタオルドライではなくて、スライムドライだ。全身ライくんに包まれるとあら不思議。全身乾いて、髪も艶々の肌もプルプルだ!


『ニャー。お風呂は苦手だけど、ライ先輩のスライムパックは最高ですにゃ。我輩の毛並みがフッカフカですにゃ』

『ああ、我も羽はツヤツヤ、顔まわりはふわふわの良い仕上がりだ』

『へへーん。俺様、すごいスライム!』


 ぽよぽよしながら嬉しそうに飛び跳ねるライくん。ああ〜うちの子達、可愛い! むぎゅ〜


『主、そろそろ服を着たらどうだ』

「おっ、そうだね、んー『城で食事会』」

 ピカっ! と光って、あっという間に早着替え完了である。


『おお……! ミアちゃん可愛いにゃー』

 鏡を見てみると、桜色のドレスを着たわたしが映っていた。ドレスは胸下切り替えのふんわりしたシフォンドレスで、これなら食事がいっぱい食べれそうで安心だ!

 くるりと回るとシフォンがふわぁっと舞って可愛い。よくみると、桜の刺繍があちこちに入っている。


「おおー桜姫の娘仕様ってことかな」

『ミアねーちゃん、いけてるぜ〜!』


 お風呂場から出ると、待ち構えていたクリスに早速、鏡台の前に座らされた。

「うんうん、ミア、可愛いわ。これが城での食事用? 桜姫と繋がりがあるって一発で分かるドレスね」

「このドレスね、胸下切り替えでふんわりしてるから、たくさん食べれそうで気に入ったよ!」

「ミアったら……。でもお城だから美味しいものたくさんあるんでしょうねぇ」

「もし持ち帰れたら、持って帰ってくるね!」

「……そんなことしてたら奇異の目でみられるわよ」

 おしゃべりしながらも、髪を梳かしてくれるクリス。


「ミアの髪はサラサラだから、顔の脇の髪の毛を編んで、ハーフアップで後ろでまとめるわ」

「おお! ありがと。顔まわりの髪の毛は食べるときに邪魔だからね!」

「ミアったら食べることばっかり」


 あっという間に綺麗に髪の毛をまとめてもらった。

 さすが、自分でくるくる縦ロールにできるクリス。ヘアアレンジの技量が半端ない。


「あっ、そろそろ行かなくちゃ! じゃあ、行ってくるね。食堂の打ち上げ、楽しんでね」

 従魔を三匹抱えて、寮の談話室へ駆けていくと、そこには王子っぽい服を着たルイスとオーランド、それにフワモコ聖獣レオ様が既にいた。

 城での食事、緊張するけれど楽しみだなあ〜!





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