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第70話 両対抗戦のお昼休み

 ピクニックシートを敷いてお弁当タイムだ。

 その前に……。

「父さん、母さん、ケビン! 会いたかったよ〜!」

 三人にくっつく。


「ミア、元気そうで安心したわ」

「可愛い一人娘を旅に出すなんてどれだけ心配したか! ドラゴンで送り届けてたら、辺境からここまで数時間で着いたのに!」

「えっ、数時間!?」

「でも、『可愛い子には旅をさせよ』って言うじゃない?」

「数時間……。確かに、旅のおかげで可愛いライくんにも出会えたし、友達にも出会えたから、良かったのかな……?」

「ほらね? あなたは心配しすぎなのよ。わたしが守護の魔道具をたーくさん持たせてるからね。誰一人としてミアを傷つけられないのよ?」

 やっぱり、母さん、いろんなところに魔道具を仕込んでたんだ……。


「そうそう。紹介させて? 旅の途中で出会ったヒマリだよ」

「こ、こんにちは!」

 なんだか緊張しているみたいで、尻尾がピン! としていて可愛い。


「それから、クロちゃんは最初に会ってるから、新しい二匹の家族ね。スライムのライくんと、ニャムスターのホッシーさん」

『ミアねーちゃんの母さん父さん、よろしくな!』

『よろしくなのにゃー!』

 二匹とも手をシュタッ!とあげてご挨拶。可愛いよ〜。


「あらあら、皆さんミアによくしてくれてありがとね」

「ミアもいつか、『新しい家族だよ』と言って男を紹介する日がくるんだろうか……」

「父さん。わたしまだ七歳だからね?」


 父さんに呆れていると、チャーリーと目が合った。

「孤児院のみんなにはもう会ってるよね?」

「そうね、チャーリーくんから色々と話は聞いているわ」

 

 おしゃべりしながらも、ピクニックシートにはどんどんとお弁当が置かれていく。

「お重だ!」

「運動会といえば……、あっ、寮対抗戦といえば、お重でしょ? 母さん、数日かけて張り切っちゃった」

 魔法の保存袋があるから、事前に準備できるのはすごい便利だ。


 そして母さんの「張り切っちゃった」は、やはりすごい。お重がいーっぱい並んでいるのだ。孤児院組がいても、まだまだ余りそうなぐらい!

 これを、もともと家族四人で食べるつもりだったのかな…?


 孤児院組は今にもヨダレを垂らしそうだ。

「さあ、頂きましょう」

「いただきまーす」


 まずは、おにぎりから!

 あれ? このお米は日本米みたいだ……。ジャスミンライスは見かけることがあっても、むちむちのジャポニカライスはまだ見たことがなかった。

「母さん、このお米、いつものと違うね?」

「そうなのよ! ついに見つけたの! おいしいでしょう?」

「わたしも、このお米欲しい!」

「しょうがないわね、後で分けてあげるわ」


 おにぎりの中には、鮭が入っていた。おいしい〜。

 ホッシーさんは一心不乱に食べつつ、頬袋にも詰めている。

『おいしいにゃぁ〜』


 ライくんは器用に、クロちゃんが食べやすいように切り分けたり盛ったり、「あ〜ん」してあげている。

 クロちゃん、フクロウボディの翼で食べ物を持ったりもできるみたいなんだけど、やっぱりあんまり器用じゃないみたいなのだ。


 チャーリーを見ると、一心不乱に唐揚げを食べていた。お重が三段分くらいぎっしり唐揚げだ。

 お重って言うよりも、ケータリングサービスみたいな詰め方である。

「ミアの母ちゃん、この唐揚げ美味しいです!」

「あらあら、ありがとね。これはね、裏山で取れた大きな鳥を使ってるのよ」

「母さん、その『大きな鳥』ってワイバーンだって、最近ようやく学んだよ?」

「わ、ワイバーン……!? そんな高級品を?」

 チャーリーは掻きこむようにして食べていた唐揚げを見つめ直した。


「高級品って言ったって、裏山にいっぱいいるからいいのよ。獲ったら無料だしね。子どもは遠慮しないで食べなさい」

「わたしも食べようっと」

『我輩も食べるにゃー!』


 ホッシーさんは両手に唐揚げを抱えてかぶりついている。ベタベタだ。後でライくんに綺麗にしてもらうから気にしないことにしたらしい。

『こ、これは美味しいにゃー!ミアちゃんの従魔になってよかったにゃ』

「うんうん。母さんの作る唐揚げはやっぱり美味しいよねぇ」


 あれこれと食べていると、クリスが両親らしき人とやってきた。

「あっ、クリス!」

「あら、イリレイさん達ね」

「クリスには、旅の初めからお世話になったんだよ。親友なの!」


 せっかくだから、こちらへどうぞ。とピクニックシートへご案内する。


 大人は大人で会話をさせておいて、私たちはパイを囲んでデザートタイムだ。

「こんなに食べたら、後半動けなくなっちゃう…」

「ミア、箒が飛ばないかもよ?」

「箒リレーは最後だもん! それまでには消化しておく……。だって、やっぱり母さんの作るパイは美味しいからさぁ」


 今日はブルーベリーパイだ。魔の山産の素材がターップリ使われているので、美味しさが桁違いなのだ。

 本当に恵まれた生活をしていたなあと思う。魔物さえ倒せれば、あのあたりはスローライフにピッタリだなあ。

『美味しいにゃ、美味しいにゃ』


 ホッシーさんは手足が白い、白黒猫なので、手がすっかりブルーベリーで紫に染まっている。

 後でライくんに綺麗にしてもらうんだよ……。

 

 久しぶりに家族にも会えたし、友達と従魔にも囲まれて最高だ。ちょっと昼寝でもしたい……と思い始めた頃、残念ながらお昼休み終了のお知らせが流れた。

 眠いけど……午後も頑張ろう!

 


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