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第63話 ニャムスター現る

 箒のシューちゃんが相棒になってから、学園の敷地内を飛び回っている。実技の授業で合格をもらった生徒なら、普段も乗って良いのです!

 これで王都にも簡単に行ける!と思ったけれど、そういえば学園の周りには結界があって、そこは突き抜けられないのでした。


 学園のある島から王都に出るにはアヒルさんボートで渡るしかないのです。そして人の多い王都は、とっても偉い人と緊急時以外は箒が禁止なんだってさ〜。

 残念!


 というわけで、日々、学園を隅々まで探検しています。


 すでに探検済みのクロちゃんとライくんがナビゲーター。

『ミアねーちゃん、今日は湖畔の森に行くぜ〜』

『釣りをしながらピクニックなのである』


 というわけで、今日は魚釣りに連れてこられました。

 学園の端にある木々を抜けるとき、箒のシューちゃんで突っ込んでジグザグに飛んだら従魔達大喜びでした。


 ここは二匹の秘密の釣り場らしくて、魚がどっさり釣れるらしい! 森の近くだから栄養がたっぷり流れてるのかな?


「よし、じゃあこの辺で良い?」

『おう! ピクニックシートはこっちで、釣りはそのポイントな』

『餌になる虫は、その岩の下なのだ』


 ちょうど椅子に良い岩があるので、二匹とそこに腰かけて釣り糸を垂らす。

「ふわぁ〜平和だねぇ」

『絶好の釣り日和、日向ぼっこ日和である』

『ふわぁ〜俺、溶けてきた〜』


 のんびりしながら、クッキーやポテトチップスを摘む。

 ふふ。山盛りのおやつも用意してあるのだ。抜かりなし!


 お菓子を食べながら、釣りをしていたら、ライくんとクロちゃんが何かに気付いたらしく、お菓子の山をじっと見ている。

 何かな? と思って振り返ると……。


 そこには! そこには……!!!

 頬袋にお菓子をたくさん詰めた、ハムスターが……。ハムスター? いや、ネコっぽいような……? サイズと頬袋以外はネコだ。

 こちらを見てブルブル震えて毛は逆立っている。でも目線は逸らさず、そろそろとお菓子をとっては頬袋に詰め続けている。その頬袋、どれだけ入るの?


『主、やつはニャムスターという種類の魔物だ』

「にゃむスター?」


 とりあえず可愛い。触りたい。でも動いたら逃げられそう。

「お菓子、食べたいだけ食べて良いんだよ〜。持ち帰るだけじゃなくて、食べていけば?」


 話しかけてみるも、うーん。通じてないみたいだ。

『ミアねーちゃん、俺が通訳してやるよ』

 

 ミョーンミョーン、と伸び縮みしながら、何かを説明しているライくん。あれ!? ライくんがニャムスターさんを包み込んじゃった!? 

 まさかの捕食ですの!?


 ドキドキしたけれど、ライくんから出てきたのは、艶々フサフサになったニャムスターさんだった。

『一応、ミアねーちゃんのために全身綺麗にしておいたから触りたい放題だぞ』

「えっ!? 触っても良いの?」

『お菓子のお礼だそうだぜ〜』


 そっと手のひらを出すと、恐る恐る乗ってきたニャムスターさん。

「こんにちは、ニャムスターさん。ちょっとだけ撫でさせてもらいますね」

「にゃっ」

 通じてるのか分からないけど、お返事は頂いたので、人差し指でオデコや顎の下を撫で撫で。背中も撫で撫で。そのうち、溶けてきました。ほら、ハムスターって溶けるじゃないですか、あんな感じ。


『スライムの俺もびっくりの溶け具合だな〜』

『こやつ、完全にリラックスしておるぞ』


 このニャムスターさん、白黒で、手足は靴下を履いているみたいに白。背中には大きな白星マークがついている。

 白星を背負うニャムスター。縁起が良さそう。


 星マークか〜。名前をつけるなら、ホッシーかなあ。ステラもいいよねぇ。でもやっぱりホッシーかな〜。

 撫で撫でしながら、名前を考えていたら、ついつい。ついつい呼んでしまった……。


「ねえねえホッシーさん。君は、この森に住んでるの?」

『あっ、主……!』


「ん? ああっ!!」


 手の中のホッシーさんがピカーっ! と光ってしまった! ああ、オデコにネコマークがついてしまったぁーーー!


「ご、ごめんホッシーさん。なんかうっかりテイムしちゃったみたいだよ〜!」

『へけっ!なのにゃ。問題ないのだ! むしろ吾輩が受け入れたからテイムになったのにゃ!』


 おお! おしゃべりできてる〜!

『主、身体は大丈夫か? 魔力、だいぶ使っただろう』

「ん〜。 大丈夫……かな? でも一応、釣りはやめてピクニックシートで寝転がっておこうかな〜。湖に落ちたら危ないもんね」


 ピクニックシートに移動する。ちょっと疲れた感はあるけれど、問題なさそうだ。


『俺にも、ついに後輩ができたか〜』

 ライくんが伸び縮みしながら嬉しそうだ。


「改めて自己紹介をするね。わたしはミアだよ。ここから遠い辺境から魔法学園に来たんだ。こっちはネコフクロウのクロちゃん。こっちはネコスライムのライくん」

『吾輩はホッシーなのだ。この森に住むニャムスターなのだ。先輩方、よろしくなのにゃ』


 こうして、釣りにきたら、なぜか新しい仲間が増えてしまったのであった。

 ホッシーさんにも従魔用アクセサリーを買ってあげなくちゃね!

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