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第56話 孤児院救出大作戦 その4

 クッキーをもりもり食べながら、宰相の息子、メガネのイーサンがチャーリーに説明をしているのを聞く。

「……というわけで、僕たちがここに来た時点で、作戦の僕たちの出来るパートはほとんど終了しているわけさ。あとは大人たちがどうにかしてくれるから。安心してくれ」

「そっかあ……良かった。これでみんな飢えなくて良いんだ」

「チャーリー、お疲れ様」

 チャーリーの頭をぽんぽんする。


「ん、ありがと」

「大人の助けが入るまでの分の食糧は、色々持って来たから、後でまたキッチンに置いていくからね」

「本当、ミアに会えたことは幸運だったな」

「えへへ〜」

『まあな!ミアねーちゃん、すごいからな!』

 ライくんがぽよぽよと賛同してくれる。可愛い。


 ホッとしたチャーリーにクッキーのおかわりを勧めて、まったりした時間を過ごしていたら、お腹一杯になった子どもたちが中庭へ出てきた。

「ミアちゃん、ごはんありがとね」

「うん! あとで、食材とお菓子も置いていくからね」


 たくさん食べたら、眠くなって来たので、みんな自由に孤児院の中を散策させてもらうことにした。

 わたしはチャーリーとクリスと外庭のお散歩だ。ニコラスさんはちょっと離れたところからフラフラついてきている。

 アンディとヴィーちゃんは子ども達と走り回っているし、王子達とイーサンは何か作戦のための下見、ヒマリは黒猫ノワールを手懐けるのに悪戦苦闘している。


「院長先生がいた時は、外の大きな花壇とかも手入れする暇があったんだけど、一年放置していたからもう雑草が伸び放題だよ」

「お花もいいけど、野菜とか植えてもいいかもね、食べれるし」

「確かにな。またいつかのために備えて、一面芋畑にでもするか……」

 歩きながら花壇に到着する。


「あら? この辺り、どれも薬草じゃないかしら?」

「あ、本当だ」

「え、雑草じゃないのか?」

「うん。これが元気草、これはバジル、ケールもあるね」

「その元気草ってやつ、良く野菜がわりにスープに入れてたぞ」

「もしかしたら元気草を食べてたから、少量のご飯でもなんとか皆持ち堪えてたのかもね?」


 花壇をチェックすると、結構いろんな薬草が生えていた。

「薬草は自分たちで使ってもいいし、売ってもお金になるし、良かったね」

「おう! 教えてくれてありがとな」

「冒険者ギルドに行くと、薬草の種類とかも教えてくれるから、行ってみたらいいかも。わたし達も冒険者ギルドで学んだんだ!」

「えっ、このお嬢様もか?」

「お嬢様……。そ、そうよ。わたくしはもともと家庭教師に基本は教えてもらってたけれど、実際の薬草を見たのはミアと一緒に辺境から王都まで乗合馬車で来た時よ」

「お嬢様が乗合馬車で……」

「我が家の教育方針なのよ。最初は嫌だったけれど、ミアと出会えたし、乗合馬車で良かったわ」

「えへへ〜。わたしもクリスに出会えて良かったよ〜!」

 思わず抱きついてしまった。クリスは顔が真っ赤だ。


「あはは、お貴族様も悪い人ばかりじゃないんだな」

「そ、そうよ! もちろん面倒くさい人も悪い人もたくさんいるけどね、今日ここにいるメンバーの親は良い貴族よ」


 お話しをしながらも薬草をチェックしていると、一部萎れていた。

「あれ? ちょっと萎れているね。よく見たら土が結構乾燥してるね」

「ここ最近、晴れ続きだっただろ?」

「そう言われてみればそうだね、王都に来てから、雨の日ってほとんどなかったかも。ここ、水やりしても良い?」

「良いけど、結構広いから大変じゃないか?」

「魔法を使うのです! マジカルミアミアニャーニャー!」


 手元に現れた魔法少女ステッキ、いや、魔法の杖を見てビックリしているチャーリー。

「ミアの魔法はちょっと特別だから、見てると面白いわよ」

「ウォーター」

 そう唱えると、ニャーン、ニャーン、ニャーンという声と共にたくさんの水の猫達が杖から飛び出て庭に水を撒いていく。

 太陽はキラキラと輝いていて、たくさんの小さな虹、そして大きな虹を作り出して、とっても幻想的な光景になった。


「うん、こんなもんかな?」

 水魔法を止めてチャーリーの方を見ると、チャーリーが静かに涙を流していた。


「ご、ごめん。なんだか気が抜けたのかも。綺麗な虹を見てなんか涙出て来ちゃった」

「うわあーん、チャーリー」

 なんだかわたしまで、感極まってしまいチャーリーにぎゅうっと抱きつく。なぜか、わたしがよしよしと頭をぽんぽんされてしまった。


「孤児院が直ってもわたし達は友達だからね! 頻繁に遊びに来るからね」

「うん、うん! チビ達も喜ぶよ。もちろん、俺もな」

 涙も止まってニコッと笑うチャーリーに、わたしの方が元気付けられてしまった。


「ミアとクリス、そろそろ寮に戻る時間だぞー」

 アンディが呼びに来てくれた。

「はーい」

 チャーリーと手を繋いで駆けていく。アンディはギョッとした顔で手を繋いでいるわたし達を凝視している。なんだろな?

 そんなわたし達をクリスとニコラスさんがクスクスと笑いながら見守っていた。


 帰る前に孤児院のキッチンにおやつや食材を置く。

「そうそう、野菜はあるけど庭に生えている元気草も料理に入れた方が良いかもね?」

「そうだな、しばらくはそうしておく」

「ケールもオススメだけど」

「あれ苦いだろ〜!?」

「今度、美味しい食べ方教えるよ!」

「今度。そうだな。また来てくれよ」

「うん、すぐに来るからね」


 とりあえず、孤児院を助けられそうで良かった。ホッとした気持ちで寮に帰った。

 あとは、王様や宰相さん達に頑張ってもらわなくちゃね!!

 

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