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第52話 初めての実技の授業

 今日は魔法実技の授業である。練習場に集合だ。


 実技の先生は、なぜか虹色の髪の毛をした、チェルシー先生という可愛い魔女さんです。とっても幼く見えます。

「おはようございます。魔法実技の授業を行います。まずは皆さん杖を出してくださいね」


 みんながローブから取り出す中……。

「マジカルミアミア、ニャーニャー!」

「ニャーニャーパワー!メークアップ!」

 わたしとヒマリの声が響く。


 ヒマリの変身シーンは効果音もつけたいくらい可愛い。

 ちなみにクラスのみんなはもう、私たちの呪文に慣れてくれました。ありがたや〜。


「ふむ。このクラスには平民が二人いると聞いていましたが、あなたたちかしら?」

「ハイっ、そうです!」

「その割には良い杖ですね」

「ボクはご縁があって、アンディ・コーシカ君のおばあさま、カレン様に譲って頂きました」

「わたしのは、母さんが昔使っていた杖を改良したって言ってました」

「カレン様のことは覚えてるわ。彼女もわたしの授業をとっていたわよ」


 え? どう見たって12歳くらいにしか見えない、ちびっこ魔女なのに……? きっと全員同じことを考えているのだろう。

 クラス全体の空気が「???」という感じだ。


「こほん。私は種族の関係で、寿命が長いのですよ。これから成長するんですから……!」

 腰に手を当てて、胸を張っている。


「おっと、話が逸れてしまいましたね。さて、今日は初回なので皆さんの実力を知るために、いろいろとテストしますからね。はい、一列に並んで〜。あ、身分とか無視で近くにいる人から、じゃんじゃん並んでくださいね」


 王子達に前を譲ろうとしていた少年が、気まずげに、そのまま一番前に立った。


「まずはライトからにしましょう。皆さん、その場でライトを唱えてくださいな。大きさは普通の電球くらいで良いですわ」


「「「ライト」」」」

「にゃ〜ん」


 一部の人たちのライトは、ピカーーー!っと特大発光している。あ、ヴィーちゃんの光、強烈だなあ。ちなみに、わたしの光は相変わらず猫型です。猫の生首が浮かんでいるみたいです。


「ふむふむ。皆さんの魔力操作のレベルは大体わかりました。一部、なぜか猫型の光が出てましたが、まあ、良いでしょう」


 そう言いながら、先生は魔法で、大きな的を作った。

 

「次は攻撃魔法にしましょうか。ウォーターをあの的を狙って打ってください。これは一番前の君から順番に」


「はっ、はい!」と言いながら緊張しながら前に出た少年が撃った水の攻撃はヒョロヒョロ〜と飛んで、ぽすん、と的に当たった。

「ヤッタァ!」

 嬉しそうな顔で列の後ろに駆けていく。


 こうして見ていると、やっぱり高位貴族の方がコントロールや威力が良い見たいだ。

 王子達はバッチリ完璧なウォーターだった。

 クリスもアンディもイーサンもバッチリ。あ、ヴィーちゃんは特大の水魔法を打ってまわりを水浸しにしていました。火魔法は使わせたくありません。


 次はヒマリの番だ。

「ウォーター」

 シュパッ!ときれいに決まる。


「えっ、嘘だろ、あいつ平民なんじゃないのか?」

「ヤバイ、平民がいるからって安心してたけど俺、結構下の方じゃん」

「いや、まだもう一人平民がいるぞ」


 そんな声が聞こえてくる。わたしもヒマリも、旅の間、クリスという名の鬼コーチにしごかれていたので結構上手になったのだ。

 馬車に乗ってるだけの時は魔力制御の特訓をしてみたり、危なくないライトの魔法でコントロールを磨いたりね。


 さあ、わたしの番である。

「ウォーター」

「にゃーん」という猫の声と共に、ねこウォーターが的を目掛けて走り抜ける。


「猫!?」

「速いぞ」

「狙いも完璧だ」

「うおー平民に負けてるぜ、俺」


 えへへ。上手にできたよ、よかった。

「えっと、ミアさん?」

「はい、なんでしょう先生!」

「あなたの魔法はなんで猫型なの?」

「分かりません! 最初から猫型だったので、可愛いからそのままにしています」

「ふむふむ。長く教師をしているけれど、ああして形があるのは初めてみたわ。猫型が出来るなら、私もフクロウ型とか出来るのかしら。むむ〜」


 先生が目を閉じながら、ぶつぶつ言いつつ、呪文を唱えた。

「ウォーター」

 その瞬間、フクロウ型の水が「ホッホー!」と声を上げながら的に向かっていった。


「でっ! できたわ〜! どうどう? 私のフクロウ魔法も可愛いでしょう?」

 フクロウも可愛いけれど、はしゃいでいる先生がとっても可愛いです。わたしが先生を見つめてニコニコしていると、先生がハッとした。


「コ、コホン。では今のを元に、グループ分けをしますよ」

 

 グループは、まず魔力制御と魔力コントロールを練習する人たち。ヴィーちゃんはここです。

 それから威力や精度を高める人たち。

 最後に、基礎はできている人たちに分かれた。いつものメンバーのヴィーちゃん以外はここのグループです。


 この後は、各自グループで魔法の練習を一通りして今日の授業は終わった。授業が終わって、悲しそうなヴィーちゃんが近づいてきた。

「うう……私だけ、一番下のレベルだ」

「今日から毎晩、魔力コントロールの練習を見て差し上げますわ」

「クリスの指導はすごい良いよ。きついけど」

「うん、きついけどね」

「えっ……そんな……でも、もうちょっと上手くならないと味方を巻き込んじゃうもんな。頑張るよ!」

 クリスがぽんぽんとヴィーちゃんの肩を叩いているけれど、励ましているというよりは、鬼教官の圧力に見える。


 さて、今日の午後は選択授業の魔物学だから、全員授業はないぞ〜!

「一週間の授業、ようやく終わったねぇ」

「そうねえ」

「とりあえずお昼ご飯を食べたいね」

「寮と学園の食堂、どちらがいいかしら?」

「ボクは寮がいいなぁ〜。落ち着くもん」


 というわけで、寮に戻ってお昼ご飯を食べることにした。

 週末の予定は孤児院訪問だ!



 


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