表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/87

第49話 調合の授業

「来週からは実験室で授業をするけれど、、今日はこの教室で出来ることをするわ」

 そうメラニー先生は言って、説明を始めた。


 まずは器具の説明。フラスコやビーカー、駒込ピペット、ガラス棒……前世の化学の実験みたいだ。

 使い方は前世とあまり変わらないけれど、違うのは洗浄方法だ。「ウォッシュ」と唱えると綺麗になるの!

 これ前世にもあったら良かったのに。器具の洗浄って大変だし気を使うし、割りやすいからね……。


 というわけで、まずはウォッシュの練習です。


「マジカルミアミア、ニャーニャー!」

「ニャーニャーパワー、メークアップ!」


 みんながスマートに杖を出す中、わたしたち二人は、呪文を唱えて杖を出す。ヒマリなんて変身しちゃうから、もっと恥ずかしそうである。


「お前ら、自分の杖持ちなのかー。なんか呪文があるのは嫌だけど、杖は羨ましいなあ」

「あれ? みんなは持ってないの?」

「庶民に杖は高いだろ。これは学校のレンタル杖だ。卒業までに杖無しで出来るように、魔力コントロール頑張らないとな」

 そっかあ。ちょっと恥ずかしいけど、自分の杖があるだけでラッキーなんだなあ。


「さあ、皆さん『ウォッシュ』の練習ですよ〜。洗い物をするイメージで、あわあわ、キュキュッ!です」

 ……。うん、メラニー先生は感覚派なんだな。


 ビーカーを机の上に置いて、イメージをする。

「ウォッシュ」

 ニャーンという声と共に、あわあわの猫がビーカーに飛び出し、ビーカーを包んでからニャニャっ!という声と共に消えた。


 先生の「キュキュッ!」に釣られてしまった〜! 

「あらあら、あなたのウォッシュは可愛いのね。じゃあ、本当に洗えているかの確認よ。もう一度やってみて」

 そう言いながら、先生がオイルをビーカーに垂らした。


「ウォッシュ」

 あわあわ猫が現れ、オイルを跡形もなく連れ去っていった。


「うん、合格ね。あなた名前はなんていうの?」

「ミアです」

「あ、あなたがミアちゃんね! 植物学のトロン先生から色々とハーブの食べ物をもらったわ。ハーブを食事に使うなんて思いもしなかったわ。また話を聞かせてね」


 そう言って、他の人の確認に向かった。

 ヒマリも難なくマスター。宿屋の娘、洗い物も洗濯も、イメージバッチリです。というか、平民は皆すぐに出来るようになったみたい。


 高位貴族と王族の皆さんは苦戦している。ここにいるのは、特にやんごとない身分の方々なので、洗い物なんて産まれてから一度もしたことがないんだろう。


 ルイスとオーランドが、こっちをチラチラ見てくる。アドバイスが欲しいらしい。こんな場所で、平民から王族に話しかけられるかーい!

 そんな私たちの無言の攻防を見てか、自分もできないので困ったのか、意外なことに眼鏡のイーサンが声をかけてきた。


「ミアさん。助力をお願いしたいのですが」

「えっ」

 そしてイーサンの後ろで、子犬のような目で王子たちも賛同している。


「うーん。そうですねぇ。洗い物も洗濯もしたことがなさそうだし……。あっ。じゃあデモンストレーションをします!」

 そう言って、教室の後ろの方で従魔の井戸端会議をしていたライくんを呼ぶ。そうなのだ。主にくっついてきた従魔達、後ろの方で伸び伸びしているのである。


『ミアねーちゃん、呼んだ?』

「ライくん、ちょっと食器洗いのスポンジのフリしてくれる? 殿下達にお皿の洗い方説明するから」 

『ラジャ!』


 そう言って、左手にビーカー、右手にスポンジのフリをしたライくんを持つ。

「えー。洗い物はまず、ビーカーとスポンジを濡らします。ヒマリ、ビーカーとライくんに少しお水かけてくれる?」

「うん。ウォーター」

『ヒマリっちの水……ごくごく』

「……。えー。次に、スポンジに石鹸をつけます」


 そう言うと、ライくんから謎の泡が出てきた。ナニコレ。


「泡立てたスポンジで、ビーカーを洗います。中も外もですよ〜。この泡が汚れを連れていくので、全部が泡で包まれるようにしてください。そのあとは水で洗い流すだけです」


 机の上にトレイ型にしたライくんを置いて、水魔法で洗い流す。洗い流した水はライくんに吸収されるので、水浸しにならないのだ。

『ごくごく……やっぱりミア姉ちゃんの水が一番だな」

「……。これで乾いたら完成です!」


 いつの間にか、他の高位貴族も、先生も集まって私のデモンストレーションを見ていたようで、拍手が起きた。


「洗い物って、ああやってするのね」

「スライムって可愛いわね」

「なんか分かった気がするぞ」


 このあと、みんな無事にイメージできたようで全員が合格した。

「ミアさん、ありがとうございました」 

「お役に立てて良かったです」

 イーサンとの会話が白々しい。王子達は奥でウインクしている。


「今日の授業は早めに終わりそうね。でも、終わりにする前に、杖の変形も教えるわ。これは来週までに寮で練習してマスターしてきて頂戴。来週の調合に使うからね」

 そう言って、杖をナイフや木べらに変形する呪文を教えてくれた。魔力を通しながら切ったり混ぜたりする時に必要らしい。


 来週の調合のために、ちゃんと練習しなくちゃね! 楽しみ!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ