第45話 権力のある友達に相談
寮に戻って、部屋のみんなと合流して食堂へ行く。 今日の定食はミートソーススパゲッティか、ロコモコだ。ロコモコにしよう。前世でハワイで食べたぶり!
ロコモコを受け取って、副菜をいくつか選ぶ。ロコモコだけだと茶色いからね……! 王子達はいるかな〜と見渡してみると、発見しました!
「ねえ、今日は王子達に話があるから、あのテーブルに合流してもいい?」
「いいわよ」
「うん」
「問題ない」
「ありがとう!」
とことこと王子達のグループに近づく。
「ヤッホ〜。ここ座ってもいい?」
「ああ、もちろんだよ」
ライくん達は従魔用のテーブルへ。レオ様もそちらに座っていたので、ライくんは『兄貴〜!』と駆け寄っていた。
「ミア、今日は一人で街に出たんだろう? 王都はどうだった?」
「うん! 市場で色んな食材を買って、すごい楽しかったの」
「やっぱりミアが買うのは食材なんだな」
旅にくっついてきたアンディは、わたしがどれだけ食材を買いまくるのか知っている。
「まあね、備えあれば憂いなしって言うしね!? 実際に、今日、その備えが役に立ったんだよ」
「なんだ、一人で全部食べたのか?」
「ちっがうよ〜! 猫を追いかけてたら孤児院に着いたんだけどね、その孤児院、ボロボロで、子供達はガリガリで、食料も全然無かったの」
「王都の孤児院は、それなりに予算が割かれているはずですが」
眼鏡のイーサンが、眼鏡をクイッとしながら話に入る。
「なんかね、孤児院長が変わってから、院長が来なくなっちゃったんだって。だからお金も食料もなくてね。街の衛兵さんに相談しても誰かに脅されてるみたいで取り合ってもらえないらしくて。小さな子達が街でお手伝いして野菜のクズや売れ残りのパンをもらって生活してるの」
思い返したら悲しくなってきちゃって、ロコモコを食べる手が止まる。
王子達が顔を見合わせて頷く。
「これは調査の必要がありそうですね。宰相の父に手紙を出しましょう」
「そうだね、ミア、知らせてくれてありがとう」
「うん! ありがとう! とりあえず、一週間分くらいの食料は置いてきたから」
「ミアの買い込みが、まさかこんなところで役に立つとはな」
「えっへん」
何やら考え事をしている様子のオーランドが気になる。
「オーランド、どうしたの?」
「うん、孤児院は確か、僕を王太子にしようと画策している第二王子派の人が運営していたよなあと思って」
「え、そうなの?」
「うん。でもこれが原因で彼らが力を失えば、第二王子派も力を失って、僕は堂々と兄さんと仲良くできるはず……!」
ブラコンのオーランドは何やらやる気を出している。
「やっぱり結局はそこに行き着くんだね」
「あ、でも誤解しないで。兄さんとの関係はおまけで、一番はその孤児院を救いたいって思ってるよ」
「良かった〜。やっぱり持つべきものは権力を持つ友達だね!」
「ミア、言い方……」
早速、王子達は調査依頼の手紙を書くために部屋に戻ることになった。
「話を聞いてたけれど、孤児院はそんなことになってたのね」
「本当にさあ。ひどいよね? でもみんなすごい良い子でさあ……。一番お兄さんのチャーリーなんて、まだ十歳なのに、子供達を食べさせようとすごい頑張ってるんだよ」
「ミアがたまたま気付いて良かったわね」
「本当に良かったよ〜。 あ、そういえば、王都でニコラスさんに会ったよ? 一緒に屋台ごはん食べたけど、仕事に遅れる!って慌ただしく戻って行った」
「あらあら」
「それにしてもさ、今日孤児院の現状を見て、『食べ物はもっと大事に味わって食べよう』って思い直したよ!」
「ミアはいつだって、ご飯を全力で楽しんでるきがしてたけど」
「もっとって意味だよ、もっと!」
目の前のロコモコを見つめる。ピカピカ白米に、肉汁たっぷりジューシーなハンバーグ、そこにたっぷりのグレービーソースと目玉焼き。
卵の黄身を崩しながら、混ぜて食べると最高。
このグレービーソースもお肉の旨みを逃すことなく閉じ込めてあって、美味……。もぐもぐ。もぐもぐ。
耳をすませばハワイの波音が聞こえてくるよう……。目の前に広がる青い海、白い砂浜……。
まあ、実際は目の前には虹色の湖なんですけれども。ちょうどサンセットタイムなので美しい。
気持ちはハワイである。あろは〜。
「なんだかミアが遠い目をして食べてるわ」
「ん。集中させてあげよう」
「そうだな」
三人の声が遠くに聞こえる。
このあとのデザートは、ハワイっぽく、マラサダと、ハウピア、マカダミアチョコ、パイナップル型のクッキーを食べた。
本当に、なんでも作るんだなあ、この食堂……。
マラサダは揚げドーナツみたいなお菓子で、フワフワでジュワーっと、いかにも太りそうなやつです。でも美味しいは正義なのです。
ハウピアはココナッツで作ったお菓子でもちもちのゼリーみたいな感じなんだ。おお、気分は南国〜。
え? デザート食べすぎ? いいのです。だって成長期ですから!




