第34話 学校のカフェテリアでランチ
カフェテリアで、列に並ぶ。何を食べても無料だなんて、すごいな〜。ここもメインはカウンターで頼んで、副菜は自分で好きなだけピックアップするシステムだ。
今日はガッツリと食べたい気分。
ん〜。メニューを見ていて見つけた、カツカレーにする。
誰だか分からないけれど、転生者の方々、ありがとう……! カツカレーはきっと貴方の功績でしょう!
おばちゃんにカツカレーを頼んで、副菜はちゃんと野菜を選ぶ。デザートは、後でにしようっと。
天気も良いのでテラス席に座る。庭が見事なのだ。
ちなみに、クリス、ヒマリ、ヴィーちゃんと席を探していたら、なぜかアンディまでくっついてきた。
「なんで、あんたがいるのよ」
「しょうがねえだろ、あの貴族グループにくっついていくの嫌だったんだよ!」
「出会った時は貴族がどうのこうのって威張ってたくせに〜」
「そ、それはごめんって!」
アンディをからかいつつ、五人でランチタイムだ。
アンディとヴィーちゃんもわたしと同じカツカレー。クリスはサーモンのムニエル、ヒマリは唐揚げ。
早速食べ始める。
「ん〜美味しい! カツがサクッと揚がってて、カレーの食欲を刺激する香り〜。たまらん!」
アンディーとヴィーちゃんは、一見貴族らしくお上品に見えるのに、すごい速さで食べている。ヒマリも、黙々と唐揚げを口に運んでいる。よく見たら、山盛りの唐揚げだ。
じっとヒマリを見つめていたら、「食べる?」と言って一つくれた。
それを見ていたアンディーとヴィーちゃんも、じっと見つめていたので、一つずつ貰っていた。クリスも控えめにチラチラ見ていたので分けて上げていた。
ヒマリにはお礼にカツを一切れ。ついでにクリスにもカツをあげる。
「わたくしのサーモンは、分けづらいですわね……」
「ふふ、無理に分けてくれなくても良いよ。気持ちだけで嬉しい!」
あっという間に食べ終わって、デザートタイムである。皆でデザートを取りに行く。
なんと、カフェテリアのテーブルは、使用中は真ん中の魔石が赤く光るのだ。誰も使っていないテーブルは緑になるの。
カウンターから見える場所の席だし、真ん中の魔石も赤にしてあるから大丈夫。
皆、各々のデザートを持ってきた。それから紅茶の茶器と茶葉。ついでに、わたしはコーヒーも!
そうなのだ、コーヒーがあったの。
赤い目をした先輩がコーヒーをがぶ飲みしながら何かを勉強している姿が見えたので、結構人気なんだと思う。
前世ぶりのコーヒーを飲む。いざ……。
「にが〜い!」
なんだこれ〜! コーヒーってこんなに苦かったっけ? まだ味覚がお子様なのかな……。
「ミア、そんなのも飲めねえのか?」
「じゃあ、アンディこれ飲んでみてよ」
「え……それって間接キ……」
「ええ? 偉そうに言って飲めないっていうの?」
「飲めるよ、飲めばいいんだろ!」
ぐっとコーヒーカップを奪って飲むアンディ。
「にっが〜!!!」
「やっぱり、わたしたちってお子様なんだね……コーヒーの美味しさが分かるのはいつになるかな……」
そう言いながら、アンディから取り返したカップに紅茶用のミルクと砂糖を入れた。
前世ではブラック派だったけど、今はお子様だ。コーヒー牛乳にしちゃおう。
「うん! これなら美味しい!」
「お前、それ……俺が口つけた方……」
「え? なんか言った?」
「なんでもない……」
アンディが何かブツブツ言っていた。耳の良いヒマリには聞こえたようだけれど。
そんなことをしている間に、クリスが紅茶を煎れてくれた。
「美味しい〜! クリス、ありがとね」
「ふふ、どういたしまして」
わたしの選んだデザートは、クッキー山盛りに、蜂蜜くるみパイだ。蜂蜜がとろ〜んとたっぷり。胡桃に絡み合って、パイ生地のバターの香り。ああ〜幸せ。
もぐもぐ。
目を細めて噛み締めて食べる。ああ、美味しい……。
「このままデザートを延々と食べていたいけれど、今のうちに、さっきの冊子の説明をするね。これって貴族の人はもう知ってる内容なのかなあ?」
「そうね、大体は家庭教師から聞いていた内容だわ」
「やっぱりそうなんだ……。みんな、実力テストの存在も知ってたみたいだしね……! とりあえず、ヒマリに説明するから、何か足りないところがあったら補足してね〜」
「ミア、ありがとう〜」
ウルウルしながらお礼をいうヒマリが可愛すぎて、耳モフモフをしてしまう。モフモフ。モフモフ。はっ。いかんいかん。
説明をザックリとする。
この本には学生生活の基本が書いてあること。
まずはクラス分けや選択科目の取り方。
さっきの実力テストによって、基礎科目のクラス毎の能力別クラスが設定される。
もしも各クラスの最初の実力テストで好成績を取れたら、その授業はパスしても良いこと。
選択科目もいくつかあって、一年生は二クラスとること。その選択科目によって、来年以降取れる授業が変わってくるので気をつけること。
こんな感じのことを、ザックリ説明した。
そのあとは、貴族の皆さんから、あれこれとアドバイスを貰ったり、冊子を読んだり、お菓子をお代わりしたり、のんびりと過ごしていたら時間に近付いてきたので、教室に戻ることにした。
さて、わたしのクラス分けはどうかな? って言っても、算数以外は期待できないけどね……!




