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第31話 食堂でご飯を食べよう!

 隣のテーブルに、従魔用のごはんを並べてあげたので、従魔のパーティーみたいになっていて、ものすごく可愛い!

 モフモフ達が並んでごはんを食べている姿、拝みたいくらい可愛い。ナームー。

 あっ、ヴィーちゃんの従魔、タカのタカコはデッカイ肉を食べている……!


 はっ、いけない。ずっと見ていたいけれど、わたしもごはんを食べなくては。王子や眼鏡の二人は給仕のいない食事に戸惑っているが、私のクリスと、おまけにアンディは旅をしてきたから、問題なさそうだ。


「いただきま〜す」

 うんうん。ニジマスが、しっとりジューシー、バターの香りが美味しいねぇ。サラダもドレッシングが爽やかで美味しい。

 もぐもぐと食べていると、皆こちらを見ていた。

「ミア、本当に美味しそうに食べるわね」

「うん、美味しいよ! 自分で作る料理もいいけど、誰かに作ってもらう料理もやっぱり美味しいよね〜! 食堂で働いている皆さんに感謝だよ、ほんと」


 外を見ると、湖面がキラキラしていて、とても美しい。ちょうど陽が沈むところで、奥にはお城が見える。


「ルイスはお城で育ったんだよね? すごいねぇ」

「すごくなんかないよ。結構、堅苦しい生活だよ?」

「うわぁ、それは大変かも……。 わたしはど田舎から来たから、のびのびとは育ったかなあ」

「お前は、のびのび育ちすぎな」

 アンディが辛辣だ。


「そこの眼鏡の……。なんだっけ。えっと……」

「イーサンだ。イーサン・レオニダス」

「そうそう、イーサン君はどこで育ったの?」

 あんまり喋らないメガネ君にも話しかけてみた。


「僕は、王都生まれの王都育ちだ。父が城で働いているからね」

「イーサンの父親は、宰相なんだ」

「おおー。なんか分かる。宰相の息子って感じ。賢そうなオーラが出てるもんね」

「ふっ……」

 あ、こいつ。「そりゃそうだ、俺様賢いんだぜ」って顔しやがった。

 何気に、どの人も癖があって、「変人マオ寮」にぴったりって感じがしてきちゃった。


「わたし、デザートも食べようかな。さっき美味しそうなのがいっぱいあったんだよねぇ。みんなの分も取ってきてあげるよ。食べるよね?」

「わたしも一緒に行こう」

 ヴィーちゃんが立ち上がって一緒に来てくれた。二人で歩き出す。心なしか、ヴィーちゃんはソワソワしている気がする。


「ヴィーちゃんって、甘いものが好きなの?」

「うっ、そ、そうだ。騎士なのに変だろう?」

「そんなことないよ! 身体を動かしたら、たくさん食べなきゃいけないからね。それにヴィーちゃん普通に可愛いし。スイーツも似合うよ」

「兄上達にはいつもからかわれていたから……」

「この学園は食べ物も無料らしいからさ、思いっきり食べよう……!」


 デザート置き場についた。大きなトレーに、あれもこれもと載せていく。みんな何が好きか分からないからね。余ったらスライムラップして部屋に持って帰れば良いよね。


「たくさんありすぎて目移りするね」

「ああ、そうだな……!」

「飲み物は無いのかなぁ?」

「そこに茶葉とポットならあるぞ」

「お湯はないのかなあ。魔法学園だから自分でお湯ぐらい出せってこと?」

「そうかもしれないな。とりあえずお茶セットも持っていくか」


 わたしは山盛りのスイーツ、ヴィーちゃんはお茶のセットを持って、そろりそろりと歩いていく。


「ただいま〜!」

「うわぁ、お前ら、たくさん持ってきたな」

「へへへ。余ったらスライムラップするから良いもん。無料、スバラシイ!」

「まあ、確かにスライムラップは便利だよな」

「スライムラップとは……?」

「あとでお菓子が余ったら見せてあげるよ〜。今は食べよう! みんな、好きなの取ってね」


 トレーをテーブルの真ん中に置く。

「わたしは、これ〜!」


 チョコレートケーキである。スポンジにもチョコがしみしみで美味しそうなの!

 ライくんが「ミアねーちゃん、俺もスイーツ食べたいぞー」と向こうのテーブルから言っているので従魔の子達が食べやすそうなものを選んで、フルーツと一緒に従魔テーブルに置いてあげたら歓声が起きた。「キュキュー!」「ピヨー!」って、従魔の歓声が可愛い。


「そうだ、すっかり忘れてたけど、これ金色のさくらんぼだよ。スイーツの前に食べた方が良いかも。フルーツの甘味が分かりやすいから」

 バッグから出して、トレーの上に載せる。


「おお、ミア、ありがとな!」

「これ、市場ではとても高級品ですよ? それを、こう、いとも簡単に……」

「自分で採ったから無料だからいいの。ところでお茶なんだけど、ポットと茶葉はあったんだけど、お湯が見当たらなかったの。これって自分でお湯を出せってことかなあ?」

「どうやら、そのようですわ。これも魔法の練習ってことなのでしょうね」

「誰がお湯出す?」

「ミアが旅の間に淹れてくれたお茶、美味しかったじゃん」

 と、アンディ。旅の間、うろちょろしているアンディにお茶を振る舞ったこと、あるもんな〜。


 杖出すの恥ずかしいけど、お茶のためだ、しょうがない……。

「マジカルミアミア!ニャーニャー!」

 

 ピカッと光って、手には猫ヘッドの魔法の杖が現れる。

「ホットウォーター」

 猫型のお湯が「ニャーン」と声を上げながらポットの中に飛び込んだ。


「ふう。貴族の皆さんが満足する味になるかは分からないけど、とりあえず蒸らしてから飲もう」

「今の魔法はなんだ?」

眼鏡のイーサンに聞かれる。

「え? ホットウォーターだよ?」

「いやいや、なんか猫の形をしてただろう」

「ああ、なんかわたしが発動する魔法、全部猫型になっちゃうんだよね。」

「どうやってる? 原理は? 理論は?」

「ええ〜わかんないよ〜。とりあえずスイーツを食べる!」


 イーサンと話しているうちに、王子ルイスが紅茶をみんなに注いでくれていた。

「一度、やってみたかったんだ〜」

 と嬉しそうなのでまあ、いいだろう。


「いただきま〜す!」

 チョコレートケーキを口いっぱいに頬張る。

「ん〜! 美味しい!やっぱりチョコは正義だね」

「こちらのタルトも美味しいですわ」

「この金色のさくらんぼ、めちゃくちゃ美味いな」

「…………」

 ヴィーちゃんは、黙々と食べている。優雅なのに、めちゃくちゃ速い。

 ヒマリも美味しそうに黙々と食べている。尻尾がユラユラしたり、ピン!としたり可愛いのだ〜。アンディも同じように尻尾を見ていたので、無言で威嚇しておく。


 平和だ〜。

 楽しい学園生活になりそうで良かったな。


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