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第30話 マオ寮探検

 まずは最初に来た談話室に向かってみると、そこには同じボートに乗っていた男三人組がいた。


「おっ、アンディじゃん。制服、似合ってるね!」

「なっ……! ミア、お前は、まあ、そこそこだな」

「なにそれ〜。『似合ってるね、可愛いよ』くらい言えないわけ〜?」

 

 アンディと言い合いをしていたら、金髪キラキラ男が話に入ってきた。

「お嬢さん、とても似合ってますね、黒髪と黒いローブで、まるで黒猫のよう……」

「笑顔が胡散臭い……」

 あっ、つい本音が出てしまった。慌てて自分の口を抑えて前を見ると、ピシリと固まった笑顔が引きつっている。


「ちょっとミア、殿下に失礼よ」

「殿下ぁ……?」


「おっと、失礼したね、僕はこの国の第一王子、ルイス・エルメだ、こっちの眼鏡の彼は宰相の息子イーサン・レオニダス」

「わたくしはクリスティーヌ・イリレイ、彼女はヴィクトリア・イエニー 、そして、こちらがミアとヒマリですわ」

「あっ、ヴィーちゃん、あのうるさいのはアンディ・コーシカね」

「おい、うるさいとはなんだ」


 ギャーギャーとアンディと言い合っているうちに、どうやら、みんなで寮の探検に行くことに決まったようだ。


 まずは食堂と大浴場を探すことになった。生活する上で必要だからね。

「ところで、なんでローズ寮ではなくてマオ寮なんですか? ローズ寮は高貴なお方達が入るって聞きました。えっと、ルイス……様?」

「あはは。ルイスでいいよ。学園にいる間は身分は関係ないからね。敬語もいらないよ」

「えっ……いいのかな……?」

「もちろん。むしろ、そうしてくれた方がありがたい。僕だけ仲間外れみたいで寂しいじゃないか。みんな、いいね?」

「分かりましたわ」「全く、しょうがないですね」「は〜い」


「良かった。友達が出来たみたいで嬉しいよ」

「あっ、わたしたちも皆、最近まで友達がいなかったんです! 仲間ですね!」

「敬語出てるよ」

「おっとと、仲間だね」

「そうそう。それで、マオ寮の理由はね、僕の憧れの叔母様がマオ寮出身だからなんだ」

「叔母様?」

「あっもしかして、桜姫のことですの?」

「桜姫?」


 どうやら、桜姫というのは、巷で大人気の姫のことだそうだ。姫と言っても、もうルイスの叔母さんである歳だし、嫁いでるそうなんだけどね。

 街に気軽に現れては魔道具を売ってみたり買い食いをしたり、はかない見た目なのにすっごい強くて、魔獣を退治しに出かけたり、ドラゴンを従魔にしたりしているらしい。


「桜姫の逸話を聞くたびに、僕は貴族ばかりのつまらないローズ寮なんかじゃなくて、変人の巣窟であるマオ寮に憧れていたんだ!」

「変人の巣窟って……」

「でもルイス様……、あっ、ルイスがマオ寮にいると知ったら、今年のローズ寮の方達はがっかりするでしょうね」

「ふふふ……他の貴族のみんなには、僕がローズ寮に入ることをきちんと匂わせてきたからね」


 そんな話をしながら歩いていると、あっという間に迷子になってしまった。本当に複雑な作りである。


 しょうがない、ここで、アレを呼んでみるしかないのかな? 

「助けて、ネコ衛門〜!」

「はいにゃー! ぼくネコ衛門にゃ!」

 突然、ボフンと現れたネコ衛門。案内猫の妖精らしい。妖精っぽい、4つの羽根がついていて、フワフワと浮いている。可愛い!


「食堂と大浴場の場所を教えて欲しいの」

「了解にゃ。 ここからだと、まずは大浴場の方が近いから、そっちに案内するにゃ。ここ最近は新入生が多いから繁忙期で大変だにゃー。」


 フワフワと前を進むネコ衛門のあとを追いかける。みんな頑張って道を頭に入れている。


「着いたにゃ。ここが大浴場だにゃ。次は食堂に向かうにゃ」


 サクッと移動を続ける、ネコ衛門。本当に繁忙期らしい。そしてあっという間に食堂にも着いた。地図が欲しい……。


「これで終わりかにゃ?」

「うん、とりあえず大丈夫にゃ。あ、じゃなくて、大丈夫だよ。ところでネコ衛門さんってフルーツとか食べる? お礼に、これあげるよ」

 金色のさくらんぼを差し出す。

「ニャニャ! 賄賂は受け取っちゃいけないんだにゃ。でもこれはお礼だからいいにゃ? ありがとにゃ〜!」

 そしてあっという間に消えて行った。


「ミア、なんだそれ? 金色のさくらんぼ?」

「そうそう。旅の途中で採取したんだ〜」

「俺にもくれよ」

「え〜〜〜、じゃあ、食後に食べようよ。せっかく食堂まで来たし、ちょうど、ご飯の時間だし、皆で食べていかない?」

「おお、そりゃいいな」


 みんなで食堂に向かう。食堂は、カフェテリア式のようだ。トレーを持って、自分で並ぶ。

 貴族組は戸惑っているので、庶民のわたしとヒマリが先に行く。どうやら、メインは二種類日替わりで用意されているので、それをカウンターでオーダーして、副菜は自分で小鉢を選ぶ方式のようだ。


 今日はニジマスのムニエルか、ポークチョップステーキのようだ。むむ……。ニジマスは、なんとリンドール湖で獲れるらしい。せっかくだし、ニジマスにしようかな!


 小鉢もたくさん、デザートまであって目移りしちゃう。従魔用のごはんまである。

 頭の上に乗っているライ君が、アレとこれとそれと〜って触手をいっぱい出して自分でピックアップしている。頭の上に乗ってるので重い……!

 ちなみに全部無料です。至れり尽くせりな学校だなあ〜


 全員食べ物をゲットできたので、窓際の席へ向かう。なんと食堂は湖に面しているので景色が素晴らしいのです! 贅沢。


 さあ、食べよう!

 



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