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第24話 アクセサリーを買う

 今日は楽しみにしていた、異世界街歩きの日になった。昨日は冒険者ギルドに行って、猫のお屋敷に行っただけだったからね!

 楽しみで早起きしちゃった。


 変身ブレスレットから、「町娘その1」を選ぶ。普通の膝丈のワンピースだ。胸元に猫のマークがついている。うんうん。普通の町娘っぽい!


 食堂に降りていく。今日はヒマリはまだ起きてないみたい。さっと朝ごはんを食べて、部屋に戻り十時の待ち合わせに備える。

 と言っても、やることがないから、クロちゃんをブラッシングしたり、ライくんをポヨポヨしたりしていただけなのです。


 十時五分前になり、下に降りていくと、既にヒマリとクリスが玄関に着いていた。二人は気まずそうに、モジモジしている。ニコラスさんはニヤニヤ楽しそうにしている。


「ごめんごめん、遅くなっちゃって」

「わたくしが早く来すぎただけですわ」

「そうです。お嬢、ずっと楽しみにしてたんですよ」

「こら、ニコラス!」


「えへへ、クリスも楽しみにしててくれたみたいで嬉しいなあ」

 ついつい笑顔になっちゃう。


「さて、ご紹介します。この虎の女の子はヒマリ。昨日誕生日で、魔法学園入学の通知がきたの! 来週から一緒の馬車に乗って学園へ行きます」

「よろしくお願いします」

 ペコリと頭を下げるヒマリ。


「あなたがミアの友達で、これからわたくしたちと旅を共にするのなら敬語なんて使わなくてよくってよ」

「お嬢は『わたくしとも友達になってくれる?』と言っています」

 ニコラスさんによるツンデレ解説が入り、恥ずかしそうにしているクリス。


「ありがとう。ボクのことは、ヒマリって呼んでね」

 本当に敬語じゃなくていいのかな?と戸惑いながらも、ニコリと微笑む虎娘の笑顔が可愛くて破壊力抜群だ……。


「え、ええ、ヒマリと呼ばせていただくわね! わたくしの名前はクリスティーヌ・イリレイ。クリスと呼んでくれて構わないわ。こっちの護衛はニコラス、従魔はビアンカよ」

 よろしくね、と言うニコラスさんに、ピヨ〜と鳴くビアンカ。


「あ、ボクの従魔の名前はオレンだよ」

 こちらもピヨ〜と鳴いて挨拶。


「オレンって名前にしたんだね〜!」

「うん、寝る前に考えてて、色々口に出してたらオレンになってたの……」

「あ、それ、クロちゃんもそうだよ……」

 安易な名前をつけた組の私たちは少し気まずげに目を合わせる。


「よし、じゃあお出かけしようか。ボクが案内するよ。どこか行きたいところや買いたいもの、欲しいものはある?」

「はい! わたしは従魔のアクセサリーが欲しいです」

「従魔のアクセサリーですって?」

「うん、昨日、冒険者ギルドに行ったら、つけてた方が良いって言われて」

「それならわたしも見たいわ」

「じゃあ、まずは雑貨やアクセサリーが売ってるところに行こうか」


 三人で横並びになって歩く。わたしが真ん中になった。

「クリスは、イリレイの街歩きはよくしていたの?」

「う〜ん。ほとんど行ったことがないわ。あの街では顔が知られていて、結局普通に歩くことができないのよ。護衛もたくさんつけなくてはいけなかったしね。だから今日がとても楽しみだったのよ!」

「わたしも楽しみだったの! イリレイの街ですぐ馬車に乗っちゃったから、ほとんど滞在しなかったからさ」

「ボクも案内してるけど、そこまで詳しくないよ。だって、ボク、友達いなかったからそんなに出歩かなかったんだ……」


 ズーンと落ち込んでいるヒマリ。

「……わたし達、みんな友達いなかったけど、今はもう友達だもんね!」

 両隣の二人の手を繋ぐと、二人共、パァーっと笑顔になった。


 それから、他愛もないことをお喋りしているうちに雑貨屋さんの集まるエリアについた。露店も多い。

 あちこち露店を見ていると、一つ気になるお店があった。端の方にある、緑の髪のお姉さんのお店だ。

「あら、このお店のものは他の露店とは質が全く違うわね」

「デザインも洗練されてるね、とっても綺麗」

「ボク、このお店初めて見たよ」


 三人で商品を見てワイワイ話しているとお姉さんが話しかけてきた。

「あらあら。嬉しいことを、ありがとう。わたしは旅の途中だからね。こうして旅の最中に露店を開きながら旅をしているんだよ」

「どう見ても、露店ではなくて、貴族向けの店のレベルですわよ」

「でも色んな人に手に取ってもらいたいからね」


「お姉さん、わたしたち、従魔のアクセサリーを探しているんだけれど、ここにも売ってる?」

「どの子がつけるの?」

 お姉さんに、ビアンカ、オレン、クロちゃん、ライくんを見せる。


「鳥形はサイズが自動で調整される指輪を足輪にしたら良いと思うわ。ネコフクロウは首輪と足輪、どちらでも着けられるわね。スライムは……。どうしようかしら?」

『我は足輪の方がいいぞ。首輪は苦しそうだからな』

「オッケー、クロちゃんは足輪ね」

『オレは、この猫耳にピアスをつければいいと思うぞー!』

「それって、猫耳がない形態になった時はどうなるの? それに固定されるの?」

『まあ、その辺はこの天才ライ様に任せておけって!』

「ん……分かった。ライくんはピアスにするそうです」

 スライムの神秘よ。ほんとうに、うちのライくんは万能スライムです。


 みんな、ここの露店で買うことを決めてあれこれと選ぶ。

 従魔につける分は、それぞれの髪の色をした石が付いたアクセサリーにした。

「なんかわたしの髪色だと黒い石になっちゃって、あんまり可愛くないんだけど……。クロちゃんとライくん、違う色の方がいい?」

『我は好きだぞ!』

『おう! 闇の使徒みたいでカッコイイだろ!』

「ミア、この黒い石、すごい素敵ですわよ。ただの黒ではなくて、奥に光を感じると言うか……。とっても良い石ですわ」

「うん、ボクも好き」

「そっか〜! 皆、ありがとう! じゃあ、これにしようっと」


 なんだか従魔の分だけではなくて自分の分も買いたいなあと思って見ていると、虹色に輝く指輪を見つけた。指にツタが巻きつくデザインだ。

「この虹色の指輪、すっごく可愛い!」

「うふふ、それは自信作ですのよ」

「これ、今日の記念に皆でお揃いで買いたいんだけど、どうかな? 小指につけてさ〜」

「素敵ですわね!」「いいと思う!」

「じゃあ決まりだね。これ、三つくださいな。言い出したわたしにプレゼントさせてね」

「そんな悪いですわ」「そうだよ」

「ふふ、こう見えて、わたし小金持ちなんだから……!」

 腰に手を当てて偉そうに言ってみる。


「それでは、今回はお願いしますわ。次はわたくしからプレゼントさせて頂きますわよ!」

 ヒマリは「良いのかなあ……」と言っていたが、贈り物に慣れているクリスの方があっさりと譲ってくれた。


 三人それぞれ、お金を払う。こんなに素敵な品なのに、びっくりするくらいお値段が良心的だった。

 それぞれの従魔に早速つけてあげる。ライくんのピアスは不思議だ。ゼリーにピアスしてるみたいなのに、落ちないんだもん。

 そして指輪! みんなで小指につけてみた。二人の小指にわたしが嵌めてあげた。結婚式気分だ。両手に花だぜ。うん、可愛い!


 二人とも指輪を見て嬉しそうだ。良い買い物ができて良かったな。さあ、次はお昼ご飯だね!



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