第23話 虎娘とお風呂
お風呂場につく。魔法鞄は腕輪型にして、着替えもブレスレットに全部しまって、いざ!
『今日はミアねーちゃんから洗ってやるぜ』
とライくんが言うので、お言葉に甘えて。スライムにすっぽり包まれる。今日は、目と鼻と口だけ出てる。
そんな状態でいたところ、お風呂の扉がガラッと空いた。ヒマリと目が合う。やっぱり扉を閉められた。そして、そろそろと扉が開く。
「ミア、何してるの……」
「スライム洗浄だよ、これ、ウルツヤになるの。一回やるとハマるのよ」
恐る恐る入ってきた、ヒマリ。
虎耳に、虎しっぽ。ヒューヒュー!やっぱり可愛いね。
『よし、ミアねーちゃん、終わり! 次はヒマリねーちゃんだな!』
ポヨン、ポヨン、とヒマリに向かう。
「もしかして、ボクの番!?」
『おうよっ』
あっという間に、ヒマリがライくんに包まれた。ううむ。こうして見てると、結構、いや、かなり怪しい見た目になる。
きちんと虎耳と尻尾も包んでます。そしてスライム洗浄&パックが終わった。スライムから出てきたヒマリは、なんだかキラキラしていた。一皮剥けたというか(実際に剥けてるのかも)、全体的に明るい色になった。
「うわぁ〜! ボクの耳も尻尾もフサフサのツヤツヤだよ〜!」
『えっへん。よ〜し。次はクロ先輩もやっちゃおうっと』
『むっ。我もか!?』
あっという間に包まれたクロちゃん。そしてライくんが離れると、やっぱりツヤツヤになっていた。
「ライくんすごいねぇ!」
『そうだぜ、俺様、すごいんだぜ』
「じゃあ、次はライくんの番だね」
ライくんにはなるべく平たくなってもらって、みんなでモミモミしました。
みんな綺麗になったので、湯船へゴー!やっぱりお風呂は最高だね。
「そうだ、ヒマリ。明日は貴族の友達、クリスが迎えに来るんだけれどヒマリも遊びに行く?」
「ボクが行っても良いのかな?」
「あとで手紙も書いておくけど、これから一緒に旅をするわけだし、大丈夫だと思うよ! お貴族様だけど、すっごい良い子なの!」
「じゃあ、お願いするね」
「街歩きをするから案内よろしくね」
「任せて」
「世間知らずの田舎っ子と、お嬢様の世話を頼みます!」
「うっ……不安になってきた……」
お風呂から出て、ライくんタオルで乾かす。これに慣れると、普通のタオルが使えなくなりそうです。
「しっぽが、あっという間にフサフサ……」
ヒマリも感動している。
そのあとは、わたしのお部屋へ。あんなに食べた後なのに、クッキーやらフルーツやらを並べておしゃべりをしつつ、旅に必要そうなものをヒマリに見せていく。
「テントに、干し肉でしょ〜。あとは着替えとか、お小遣いかな? 学校に着いたら全部無料になるみたいだから、旅の間のお金があれば良いみたい。ギルドカードも作っておいて良かったね! お金の持ち運びが楽になるもんね。あっ、テントは私のやつに入って良いからね。結界付きなの!」
「ふむふむ。うちは宿だから、たまに帰ってこない冒険者さんが置いていく物とか、処分しておいてって頼まれる旅道具がそれなりにあるんだ。ちょっと漁ってみようかな」
「あっ、大事なのは、馬車でお尻の下に敷くクッションね! これないと、お尻が痛くなっちゃう」
「分かった」
「わたしは旅の最中、森に入って採集したりしてたよ。だから、もし森に入るなら解体と採取用にナイフとかあると便利かも? でも普通の人は森に入らないみたい!」
「なるほど。ボク、やっぱり色々と荷物を見てくるよ! 見せてくれてありがとね」
「うん!」
「じゃあそろそろ戻るね」
「分かった。明日は10時にクリスが迎えに来るから、それまでに出かける準備をしておいてね」
「了解!」
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみ!」
走るように出て行ったヒマリ。色々と荷物のチェックをしたいんだろうな。わたしの荷物は、色々入ってるけど、何が入ってるか未だに謎だしな……。
さて、わたしはクリスにお手紙を書こうっと。
「クロちゃん、今からクリスにお手紙書くけど、届けてくれる?」
『お安い御用だ』
明日の街歩きと、今後の旅の仲間に、ヒマリが追加になったことを伝える手紙を書く。
「よし、こんなもんかな? クロちゃん、よろしくお願いします」
『まかせろ』
「ありがとね〜」
クロちゃんは、あっという間に窓から出て行った。
さてと、クロちゃんが帰ってくるのを待っている間に、歯磨きとか寝る準備しちゃおうっと。ライくんが口の中に入って歯磨きもできるって言ってるけど、さすがにアレなので……。でもライくんならホワイトニングとかもできそう。
あれこれと寝る準備をしたり、ライくんをポヨポヨしていたら、あっという間にクロちゃんが帰ってきた。
お返事は、「分かったわ。楽しみにしてるわね」とのことでした。
よし、明日のために今日はもう寝るぞ〜!




