表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/87

第17話 冒険者服を着てみる

ミアへ

あんまり時間がないから用件だけ書くわね。

明日は貴族の付き合いがあるので(話したいことがたくさんあるわ!)、街歩きは明後日はどうかしら?

十時頃に宿へ迎えにいきます。


追伸

わたくしも、街での常識はあまり無いから二人で身に付けましょう! 明後日、楽しみにしているわ。クリス


「どうやらクリスとの街歩きは明後日になったみたいだよ」

『明日は何をするのだ、主』

「う〜ん、冒険者ギルドでも行ってみようかなあ? 旅の途中で狩ったやつ、納品したいし!」

『俺も一緒に行くからなー!』

ポヨンポヨンと跳ねながら、手をあげているライくん。


「うん、みんなで行こうね。よし、そうと決まれば寝るぞー!」

 布団の中に入ると、ライくんは枕のすぐ横に、クロちゃんはわたしのお腹の上に立って足踏みを始めた。これは……「フミフミ」では……!?

 クロちゃんのゴロゴロという喉を鳴らす音を聴きながら、フミフミを堪能していたら、あっという間に寝てしまい、気付いたら朝だった。


 起きると、頭の下にライくんがいた。スライム枕……! ちょっぴり冷んやりしていて気持ちいい。楽しくて顔を埋めたりしてみる。


『朝のスライムパック大サービスだぜ』

 なんだかライくんが洗顔とパックをしてくれた。至れり尽くせりある。


「世の中のスライムが、こんなに優秀だったら皆、従魔にしたがるんじゃない?」

『ちっちっ、俺様くらい優秀なスライムはそうそういないんだぜ』


 ポヨンポヨンと跳ねるライくんはちょっと説得力がないけど、可愛い。

「いつも、ありがとね〜!」

 ブラッシングができないので、ライくんを捕まえて、モミモミ。ついでにクロちゃんも撫で撫で。匂いも嗅いじゃう。


「さあて! 朝の猫エナジーチャージ完了! 今日も元気に行くよ〜!」


 今日は冒険者ギルドに行くからね。冒険者スタイルがいいと思うのだ。お着替えブレスレットから、「冒険者」を選択する。


 ピカッと光って、白猫パジャマから、冒険者スタイルに変身していた。自分の格好を、チェックしてみる。

ショートパンツに、ニーハイソックス、シンプルなトップスに、短いケープ、フード付き。もちろんこのフードには猫耳がついています! それから、猫手袋です。猫手袋は、指先が出ているタイプ。でもカバーもついてるので、全部覆うこともできるみたい。靴は普通のニーハイブーツと見せかけて、靴底に猫の肉球マークが入っていた。


 あっ、ちなみに、部屋の中で着る時は靴は手元に出すこともできるし、ブレスレットから出さないこともできるよ。万能ブレスレットちゃんなのだ。ますます母さんって一体何者なんだろうと思うけれど、ありがたく使わせていただきます。


『ヒューヒュー!ニーハイがいいねぇ〜』

 ポヨンポヨンと跳びながら、ライくんが褒めてくれる。

『主、似合ってるぞ。耳は我とお揃いだな』

『むっ、俺だって耳あるぞ〜』

「そういえばライくんって、なんで猫耳あるの? 出会った時は無かったよね?」

『むっ。そりゃあ可愛いからだろ! 尻尾もはやせるぜ。ほれっ』


 そう言うと、ライくんから尻尾が出てきた。ブンブンふられている。犬の尻尾みたいだ。


『でも、まあ普段は邪魔だからな。耳だけにしてるんよ。ライ様すごいんだぜ〜』

 そう言いながら、尻尾をしまったライくんは、クロちゃんの背中に飛び乗った。


『さ、朝ごはん食べに行こうぜ!』

『むっ、我に乗るとは』

『まあまあ、クロ先輩、硬いこと言わない』


 ヤレヤレという顔でクロちゃんはわたしの肩に飛び乗った。あれ? 結局、皆わたしの上に乗ってるじゃんね?


 食堂に着くと、たくさんの人がいた。わたしの席、あるかなあ〜。見渡していると、女将さんがやってきた。


「あっちでちょうどヒマリが食べているから、今日も相席でいいかい?」

「もちろんです!」


 女将さんの指した方を見ると、ヒマリがこちらを見ていた。ちょびっとだけ笑った気がする。あ、尻尾がピンってしてるから、喜んでくれてるかも。

 ヒマリの方へ行く。


「ミア、おはよ」

「おはよう、ヒマリ。ここ座ってもいい?」

「うん。どうぞ」

「ありがとう!」


 座ったところに女将さんが朝ごはんを持ってきてくれる。

「朝食は夕食と違って一種類なんだ。でも日替わりだからね」


 そう言って配膳してくれた。

「うわあ、美味しそう!」


 トーストに具沢山の野菜スープ、オムレツだ。トーストは厚切りで、網焼きトーストで網目が素敵。


 早速いただくことにする。

「いただきます!」


 記憶が戻ってから、やっぱり「いただきます」は自然に出てきちゃう。さて。まずはトースト!

「ん〜! 網焼きで香ばしくて美味しいねぇ」

「ん」

「これ蜂蜜垂らしたら最高かも。ちょっとかけちゃおう」


 そう言って、鞄から蜂蜜を出してパンにかける。うちの裏山の蜂蜜、美味しいんだよね〜。視線を感じる。

「ヒマリも食べる?」

「食べる!」

 初めてヒマリが勢いよく喋った気がする。食いしん坊万歳。やっぱり友達は食べることが好きな人じゃ無いとね!


 ヒマリのパンにもかけてあげる。それから、クロちゃんにはちぎった蜂蜜がけパン、ライくんには、ライくんの希望で頭にかけてあげた。


「ライくん、蜂蜜がけのスライムでなんか美味しそうになってるよ」

『今、全身でこの蜂蜜を味わってるのだ』


 ふと目の前を見ると、ヒマリがとっても嬉しそうにニコニコしていた。しっぽはピーン!だ。

「この蜂蜜、うちの裏山で取れたやつなんだ。美味しい?」

「うん! ミア、ありがと」


 野菜スープもいろんな野菜の旨味が出ていて美味しくて優しいお味。オムレツは堅焼きでした。

 美味しかったけれど、卵かけご飯食べたくなっちゃった。そういえばお米を見かけていない……。これは大問題だ!


 朝ごはんを大満足で食べ終えた。

目の前を見ると、ヒマリが蜂蜜がけのパンをちびちびと、ゆーっくり食べていて、ちょうど食べ終えたところだった。ライくんは蜂蜜でキラキラしている。ベトベトしないのかなあと触ってみたけれど、ウルウルでした。不思議。


「ミア、今日友達に会うの?」

「今日は友達は貴族の付き合いがあるとかで、会うのは明日になったんだ。今日は冒険者ギルドに行ってみるつもりだよ!」

「案内するよ」

「えっ、いいの?」

「うん。蜂蜜のお礼」

「ありがとう!」


 わたしはもう出かけられる準備はバッチリだったけれど、ヒマリは準備をしてくるということで食堂で待つことにした。


 ヒマリを待っていると、女将さんがやってきた。

「今日は二人で冒険者ギルドに行くんだって?」

「はい、案内してくれるそうです!」

「お願いがあるんだけれど、三時くらいまでヒマリと外で遊んできてくれないかい? 今日、ヒマリの誕生日だから、内緒でお祝いを用意したいんだ」

「わあ! 素敵ですね! 了解です。任せてください」

「ミアちゃんの分もごちそう用意しておくからね」

『ゴッチそう〜!』

 ぴょんぴょん飛び跳ねるライくんは食べる気満々である。


 そこにヒマリが戻ってきた。

「ミア、行こ」

「うん! じゃあ女将さん、行ってきますね〜」

「行ってきます」


 さあ、冒険者ギルドへレッツゴー!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ