心に刺さっている
芸術の秋ですね。
創作についての雑感を少々。
中学二年生の頃。
所属していた文芸部で、顧問の先生からこう指摘された。
『あなたの詩は理屈っぽい』
高校一年生の頃。
体育の時間、どうしても上手くとび箱を跳べなかった時
とび箱指導に絶対の自信があった体育教師からこう言われた。
『君がとび箱を跳べないのは、素直じゃないからだ。僕の言う通り素直に跳べば、絶対に跳べる』
それから時をはるかに超え、今から十年弱前。
一度は折ったペンをセロハンテープで直し、ヨタヨタと物語を綴り始めた頃。
自分だけでは己れの殻が破れず苦しんでいた私は、高校時代の恩師へ拝むように指導を乞う。
持て余しながらも真面目に向き合ってくれた彼から、こう指導された。
『あなたの作品は正直、読むのが辛い。作者のあなたは楽しいかもしれないけれど、読者は楽しくない。もっと読者を楽しませてあげなさい』
理屈っぽくて素直じゃない、つまらない作品を書くおばさん。
私の一断面だろう。
自覚があるからしつこく記憶しているし、未だに心に刺さっている。
心の片隅に戒めとして持ち、理屈ばかりで組み立てず、自分に見えている物語を出来るだけ素直に、作者も読者も楽しめるように書いてゆこうと、今日もチマチマと文を綴る。
唯一、認めながらも反論するのは体育教師の言葉だ。
『素直じゃない生徒へ、あなたは素直じゃないと指摘するだけでは教育にならないのでは?何故素直に身体が動かないのか、寄り添って理由を考える時間を一瞬でも、持つべきでは?』
もっとも、素直に身体が動くからこそ体育教師になった人には、永遠にわからない反論であろうが。