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37-5 対紫戦略

 シーウエイが来訪してから2週間ほど経ったある日、俺はスウゲン、ユウキと今後のことについて話し合っていた。


 「それで、どのように進めるつもりですか」 俺は聞いた。

「やれることをやって、一つ一つやって潰していくだけです。 まず最初は橙です。 タイミングは、アンドレアス殿がアストリアの王都奪還をするのに会わせるのがよろしいでしょう。 そうすれば橙の兵力は分散され、橙の王都を奇襲することができます」とスウゲン。

「なるほど、アンドレアス達の状況はどうなっているのだ?」

「レッドローズは兵力が増しているとのことです。 恐らくこの夏には王都奪還の作戦を決行すると思われます」とユウキ。

「そうですか、ではそれに会わせて橙を攻められるように準備を進めてください」

「承知いたしました」とスウゲン。

「それにしても、もう紫には黒も銀もこちらについたことは知れているだろうに、沈黙を続けているのが不気味すぎる」とユウキ。

「いつでもこの状況をひっくり返せると思っているのでしょう。 もしくは、最高の舞台が出来上がるのを待っているのかも知れません」

「どう言うことですか?」と俺。

「王達が率いる大軍に攻め込まれ、絶体絶命と思われる状況を圧倒的な力の差を見せつけて叩き潰す。 それを狙っているのかも知れません。 それをやられたらどうなりますか」

「我々は兵の大半を失い、士気は喪失、王達はバラバラになる。 そうなればもう紫は確実に各個撃破していけば良い」とユウキ。

(うーん、全然楽勝じゃないじゃないか)

「魔王軍の召喚に対する対応策は?」

「今の所ございません」とスウゲン。

「戦車や飛行機はどうだろう?」と俺。

「既に我々がそれに対処する戦い方を示しています。 向こうも対応策は考えて来るでしょう」とユウキ。

「そうか。 まだまだ前途多難と言うことか」と俺はため息をついた。

「そう気を落とされますな、きっと打開策はございます。 何とか召喚を防ぐ方法があるはずです」とスウゲンは笑った。

「そうですね、よろしくお願いします」


 「ところで、アンドレアスの方だが、その後こちらが手助けしなくても大丈夫なのか」 俺はユウキに聞いた。

「先ほども申しましたが、兵数は増えても課題は多いと思われます。 レギオンの兵達のように十分な訓練を積んでいれば、連携のとれた高度な戦術をとることもできますが、兵達に技倆の差があるため選択肢が狭められてしまいます。 アンドレアスさんはその辺は考えてやっていると思いますが、大変だと思いますね」

「また休暇を取っていくか?」

「私がですか?」とユウキ。

「だってそこが次の段階に行くところの鍵なのだろう」

「それはそうなのですが、アンドレアスさんは露骨に嫌そうな顔をするんですよね」

「なぜ?」

「アンドレアスさんはプライドが高いので、手助けを受けていると言うことが、自分の力を信じられていないと感じるのでしょう。 それとカケル様に気を遣わせているということに、恐縮してしまうのだと思います」

「ではこうしては如何でしょうか。 それでもアンドレアス殿はすぐにこちらの意図に気付くでしょうが・・」とスウゲンは提案した。

「なるほど、良しそれでいこう」


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