表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
260/393

26-4 禁忌の策

 セシウスがしばらく考えていたが、決心したように言った。

「カケル様、12王にはその昔、盟約で使用を封印した強力な術式があると言われております。 最近では金の王が紫の軍勢と戦った時に、使用したのではないかとみられているやつです。 それを使うことは出来ませんか?」

「何ですと、あれは封印された禁忌の術ですぞ。 初代のゴードン様も一度使われましたが、あまりの威力の大きさに驚かれ、二度と使われることはありませんでした。 あれは使うべきではありません」とグレアム。

「あの山を吹き飛ばし、大地に湖になるような大穴を開けたと言われるやつですね。 ですが、私はそれの使い方を知りません。 私が使えるのかも分からないのです」


 「確かにそれは両刃の剣と言えるでしょう。 金の王もそれに失敗し、自軍を壊滅させたと言われています。 しかしうまく使う事が出来れば、私はそれが最も有力な手段だと考えます」とスウゲン。

「恐らく破壊力という点では問題ないと考えます。 ただ、懸念されるのは再生力です。 うまく本体を破壊出来たとしても、体の一部があちこちに飛散しそこから体が再生された場合、最悪な結果を迎えます。 どの程度までバラバラにされたら再生出来ないのかも分かりませんし」とユウキ。

「そんなイチかバチかみたいな方法には私は賛成できません」とグレアム。

 ここで議論は賛否入り交じり膠着してしまった。

「少し休憩をいれましょう」と俺は提案した。


 俺は隣の部屋のソファーに座ると、リーアを呼んだ。 メルも一緒に出てきた。

「ハーイ、おひさー」 明るく出てきたリーアはピンクの中世ヨーロッパの貴婦人のドレスのようなものを着ていた。 それに対してメルは、相変わらず軍隊の迷彩服のような格好だった。

「なーに?」とリーア。

「話は聞いて状況は理解しているのだろう? 俺はあの封印された術は使うことが出来るのかい」

「“神威”ね、出来るわ。 レベルも3に上がっているしね」とリーア。

「えっ、俺っていつの間にレベル上がっていたの?」

「ほら、ちゃんとその都度知らせてやらないから。 ホント怠慢なんだから」とメル。

「あのね、黒や銀、水晶との戦いや、天空島との件もポイント加算されているからレベルが上がっているの」とメル。

「まあそれは置いといて。 使える事は使えるわ。 でもねこの神威は本当に慎重にした方が良いわね」

「カムイというのか。 具体的にはどう言うことが起こるんだい」

「膨大なレムをエネルギーの球にして目標物に落下もしくはぶつけるの。 そうするとその球に触れた物はその高熱に融かされ蒸発していくわ」

「それは爆発も伴うのかい?」

「あまりの高温のため、その周りの空気が急激に膨張して、爆発も併発するわね」とメル。

「分かった。 ありがとう」 俺がそう言うと、二人は消えていった。


 休憩の後、俺はリーア達から得た情報を話した。 俺が神威を使えると言うことを聞いて、皆の意見が大きくそれを使う方へ傾いていった。


 「それではこうしたら如何でしょう。 あくまで黄炎石を使った策を中心に計画を立てる。 ただし、カケル様には万一その作戦が失敗した時のために、神威を準備していただくと言うことで」とスウゲン。

 皆が頷いた。

「分かった、それでいこう」


 その後、ユウキ達はエルクと黄炎石の入手や運搬手段など、具体的な検討を続けた。 俺は秘密の部屋に入り、リーアとメルから神威の具体的な方法を教わった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ