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20-8 天空の戦い(2)

 天空島の上空では、2日目以降も激しい戦いが続いていた。 アテン軍にすれば存亡がかかっているので、必死なのだ。


 「ドラゴン達が協力すると言ったのか」とユウキが驚いた表情で言った。

「ああ、何せ竜王はグレンだからな」

「1カ月後にグラッツ山に100頭近くのドラゴンが集まる」

「100頭だと!」

「それは凄いですね」とミーアイ。

「これで問題の一つが解決の見込みが立ったと言うことでいいか?」

「カケル様、沢山の太い鎖が必要になりますわ。 至急作らせましょう」とミーアイ。

「そうだな。 他のレギオンでも協力してもらおう」と俺。

「もう一つの問題だが、一ヶ月後と言うことはアテン島の高度も大分下がり、ある程度着地点の予想ができるようになると思う、だがより正確に予測するにはやはりアテン島の協力が必要だ」

「よし、これである程度見通しがついた。 向こうに停戦を持ちかけてくれ」と俺。

「分かりました」とミーアイ。


 2時間後

 「ミーアイ様、敵がこちらの停戦の呼びかけに応じません」リオナが報告した。

「何ですって。 カケル様、いかがいたしましょう」

「クソッ、頑迷な奴らだ」 俺は椅子の肘掛けの部分を叩いた。

 俺は立ち上がった。

「アテン島へ乗り込むぞ。 飛空船を準備してくれ」

「飛空船は戦艦じゃないぞ。 輸送船として造ったものだ、被弾したら墜落してしまうぞ」とユウキ。

「分かっている。 俺がシールドを張る。 兵は飛空船の操船に必要な最低人数でいい。 準備でき次第出るぞ」


 俺が飛空船に乗り込むと、そこにはレオンとリースをのぞく警護班のメンバーが既に乗り込んでいた。 ガロンとグレンまで乗り込んでいた。

「今回は私一人で良い。 一人の方が身軽だ」

「ダメです。 カケル様は今、頭に血が上って冷静な判断が出来なくなっております」とジュリアン。

「その通りです。 危険過ぎます」とアドル。

「私たちもついて行く。 私たちは自分の仕事をする」とホーリー。

「分かった。 皆ついてきてくれ」 俺は諦めた。


 俺達が乗った飛空船は、全体を透明なシールドに覆われて、砲撃を受けながらも敵の飛空船の間をすり抜け最大速で飛行していった。 3隻の飛空船が後を追ってきた。 俺達はそれを完全に無視してひたすらアテン島を目指した。


 4時間後、アテン島が見えてきた。 3隻の敵の飛空船は、ずっと砲撃したり体当たりを試みたりしながら妨害をしてきたが、最後には諦めたのかこちらをピッタリ囲むように飛行していた。


 アテン島は太いブーメランのような形をしていた。 アテン島の上空を飛行しながら下の景色を確認した。 島の大きさは青の天空島よりもやや大きいくらいだろう。 高い山は無かったが森や丘や農地が広がっているのが見えた。 島の中心部に都市と思われる建物群が見えた。


 「あの都市の中心に、特に高い建物の塊が見える。 恐らくあれが王宮だろう。 アレの上空まで行ってください」 俺は船長に指示をした。 俺の方も気持ちが落ち着いていた。 確かに乗り込んだ時には、ジュリアンの言うとおりで、アテンの王にむかついて一発殴らないと気が済まないと思っていたのだ。


 島にどんどん近づいて行くと、街の様子が次第に分かってきた。 材質は良く分からなかったが、白い建物が多かった。 串に刺したタマネギのような形をした建物が並び、それを細い通路で繋いでいた。 多くの翼人達が歩いている者もいるが、飛んでいる者達も多かった。


 王宮と思われる建物はすぐに分かった。 6本の柱で串刺しにされた巨大なお盆の上に5角形にタマネギが刺さり、真ん中の柱にはタマネギが2段に刺さっているイメージだった。 王宮に近づくにつれ、飛空船は速度を落としゆっくりと近づいて行った。


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