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20-2 異変

 ガロンがレーギアに戻ると、レーギア内の雰囲気が少し違っていた。

「ミーアイ様、王都からゴーレン山の間で幾つもの翼人の目撃情報が上がっております。 また軍の警戒部からは数日前に、探知機に異常があったとの報告もございました」 セリナが報告した。

「それは、翼人がこの天空島に侵入したと言うことですか」

「それはまだ確定出来ませんが、その可能性は高いと見ています」

「何のために? 今まで翼人が侵入した事は無いはずですが」

「目的は分かりません」

「それで、その翼人の所在は分かっているのですか?」

「いいえ、目撃情報は途切れてしまいました。 それと昨夜、何者かが島から出ていったとの報告もございます。 翼人はもう島にはいないのかも知れません」 セリナがそう言いながら、ふと王の傍らに立つガロンの軍服の襟に刺してある白い羽に気づいた。


 「ガロン殿、その羽はどうされました?」

「えっ、これは、ひ、拾いました」 少ししどろもどろに答えた。

「それは何の羽ですか?」

「さ、さあ分かりません」

「本当ですか、どこで拾われたのですか」

「ゴーレン山の麓です」

「何ですって、ガロン。 あなたは翼人を見たのですか?」

「・・・・・」

「ガロン殿、王がお尋ねになっておられるのですよ。 何故答えないのです」とセリナ。

「そ、それは・・・、約束だから・・・」

「約束? ガロン殿は翼人に会ったのですか?」

「・・・・・」

「ガロン殿、これは重大なことなのです。 翼人の事をお話ください」

「できない、約束だから」

「ガロン殿!」 セリナが叫んだ。


 「まあ、そう問い詰めないで、セリナ。 ガロンは誰にも話さないと約束したのでしょう。 必ず約束は守る、それがガロンの良いところでもあるのですから」

「ミーアイ様、しかしそれでは・・・」

「ガロンが約束したような人物と言うことは、悪意ある人物とは思えません。 セリナこの件、これ以上ガロンを問い詰めること無用です」

「承知いたしました」 セリナは不満そうに応えた。

「念のため警戒は続けてください。 特に目撃された地域は重点的に。 それと見つけても殺してはダメです。 極力手荒なことも避けてください」

「かしこまりました」 そう言うとセレナは下がっていった。

「ミーアイ様、ありがとうございます」とガロン。

「良い、それ以上何も言わなくて良い」


 「一つお伺いしても良いですか」とガロン。

「何ですか」

「何故、翼人をそんなに警戒なされるのですか。 翼人は敵なのですか」

「敵ではありません、今は。 だがこの先はどうか分かりません。 我々には翼人との古い因縁があるのです。 あなたにもいずれ話しましょう」


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