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18-13 決戦(1)

 セシウスが率いる緑の軍勢7千とバウロが率いる海兵部隊3千は、黒の王都から南西10キロの地点にいた。 セシウス達は敵の裏をかくため、一旦ガルソン島に移動しそこから藍のレギオンの船を使って、3日前の早朝に王都の南西にある港から上陸し、ここまで密かに進軍してきたのだった。


 セシウスの目的は、密かにシーウエイの銀の軍の側面ないし背後に回り込み、黒の軍勢と協力して銀の軍勢を撃破することだった。 もしくは、増援軍がシーウエイの方に回された場合、それを途中で阻止することだった。


 斥候が戻って報告した。

「2キロほど先の街道を、西から南に向って銀の軍勢約2万が移動中です」

「南の戦場への増援ですね。 襲撃しますか」とバウロ。

「それがよろしいでしょう。 増援があると言うことは、南の戦場で黒の軍が優勢と言うことです」とスウゲン。

「よし、やるぞ」とセシウス。


 セシウス達は街道から300メートルほど離れた林の中に潜んだ。 林の前部にはバズーカ砲を持った兵士が草むらに伏せて、敵の軍勢が通るのを待ち構えていた。 銀の兵士達は銃を肩にかけ、4列に並んで行軍していた。 先頭と最後尾には50台ずつの自動車が配置されていた。


 セシウス達が潜んでいた林の前を、軍勢が通過し始めた。 機銃を備えた先頭の自動車が林を通過し終える頃、セシウスが手を挙げ戦闘開始の合図を出した。

 バズーカを持った兵士が一斉に立ち上がり、自動車の車列に向けて次々と砲弾を発射した。 砲弾を受けた車両は轟音と共に爆発し、空中で一回転して横転した。

 

 セシウスの部下達は、林から飛び出すと敵の軍勢に向け矢の斉射を浴びせた。 レムを使える者は、次々と火球を放った。 銀の兵達は、待ち伏せを予想しておらずおおいに慌てふためいた様子だった。


 それを見たバウロは頃合いと判断し、部下に突撃を命じた。 海兵部隊は鉄の盾を片手に駆けだした。 一気に距離を詰め乱戦に持ち込むことによって、銃の効果を殺そうという考えだった。


 銀の兵達は広く展開し、迫り来る藍の兵士達に向けて銃を撃ちまくった。 生き残った自動車も兵士が機関銃を林に向けて、めくら撃ちを始めた。

 バズーカを持った兵士達は、次々に敵兵の密集部分に砲弾を撃ち込んだ。

 

 辺りに響く爆発音、銃撃音、悲鳴、金属音が入り交じる中、一帯は乱戦になっていた。 乱戦は海兵部隊の最も得意とするところではあったが、敵の兵数が多く次第に押され気味になっていった。


 そこへ、セシウスが兵を引き連れ、側面に突撃していった。 セシウスの特別製の槍は、生き物がごとく自在に敵中を踊り回った。 セシウスと少し離れた場所では、バウロが暴れていた。 喜々として槍を振るう姿は鬼神の如くで、誰も近づけなかった。 二人が前線に加わっただけで、戦況は一変した。 銀の軍勢は混乱を始め、2万の軍勢が押され始めたのである。 銀の軍勢にとって、一旦こうなると戦況を引き戻すことは、容易ではなかった。


 戦闘が始まって1時間が経とうとした頃、勝敗は決した。 銀の軍勢は総崩れを起こし撤退を開始した。 来た方向に引きはじめたのである。 バズーカを持った兵士が逃げる兵達に向けて砲撃し、ダメ押しをした。


 「追撃しますか」 第一歩兵部隊の部隊長ゲランがセシウスに尋ねた。

「いや、そこまでは必要あるまい。 我々の役目は、南の戦場に行かせないことだ。 ゲラン、兵をまとめてくれ、南に向うぞ」

「承知しました」

 セシウス達はシーウエイの背後を突くため、南に向った


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