表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
204/393

18-10 開戦

 「カケル王、良くおいでくださいました」 ザウロー王はそう言いながら、俺達を迎えてくれた。 そして王の幕舎に迎え入れられた。


 「ザウロー王、明日はどのように戦われるおつもりですか」

「正面からぶつかるだけです」

「失礼ですが、それでは勝てないでしょう。 よろしければ我々の案を聞いていただけますか」 そう言うと、ユウキから聞いている計画を伝えた。


 「そんなことが可能なのですか」 ザウローは驚きを隠さず言った。

「はい、今夜密かに届きます」

「それはこちらとしても、ありがたことですが、なぜそこまでなされるのですか」

「我々自身のためです。 黒のレギオンが銀のレギオンの支配下になったらもう我々には勝てなくなるでしょう」

「分かりました。 感謝いたします。 カケル王のご提案を全面的に受け入れます」


 「ありがとうございます。 それとユウキが気にしていたのですが、王都内の方はどうなっていますか」

「レジスタンスの事ですね。 ユウキ殿の言われたとおり、奴ら直前に軍を投入して一斉に捕縛しようとしてきました。 ですがこちらも、分散してしかもアジトを次々に替えて居場所を特定させないようにしております。 予定通り行動できます」

「そうですか、それは良かった」


 「竜王様にもおいでいただき感謝いたします」 ザウローはグレンに対して礼を言った。

「礼を言われるようなことはしていない。 ボクはただカケルについてきただけだ」

「カケル王、細かい所までご配慮感謝いたします」


 真夜中に3隻の飛空船が到着した。 中からはエランとエランが率いる飛竜部隊(特殊部隊)500名が現れた。 そして木箱に入った大量の物資が降ろされた。

 それに合わせ、ザウローは未明から戦場の指定した場所に無数の穴を掘らせた。 それは夜明け前には完成し、各部隊は配置についた。


 夜明けと共に、シーウエイが3万5千の歩兵と100両の戦車を率いてやって来た。

「なんだ、あの無数のモグラの穴のようなものは? まさかあの穴に戦車の車輪配置がはまって動けなくする作戦か。 甘いな、ユウキたちの作戦がこの程度なら、ガッカリだよ」 シーウエイは戦車を前面に横3列に配置し、モグラの穴の100メートルほど手前まで進めた。 穴の背後の黒の陣までは射程が微妙な距離だったからである。


 ザウローは敵の配置に満足すると、俺の顔を見た。

 「それでは始めますか」

「そうですね、頃合いでしょう」

「突撃だ!」 黒の王の命令により辺りに甲高い角笛の音が響き渡った。


 黒の兵達は一斉に走り出した。 敵の遠間からの攻撃に対抗するには一気に距離を詰め、白兵戦に持ち込むしかなかった。 士気は高かった、“我々にはドラゴンがついている”その思いが、彼らのテンションを上げていた。


 最前列の戦車隊が黒の陣に向けて照準をつけていると、モグラの穴に異変があった。 穴から一斉に人が現れたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ