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14-9 黒の狙い

 夜明け前にトウキンの軍とザウローの軍が消えた。

 見張りの兵からの報告を受け、早朝にも関わらず会議を行なうことになった。

「消えた部隊は何処に行ったと考えますか」 俺は一同に尋ねた。

「恐らく西の部隊は、グーツ族のソウラ、東の部隊はドラク族のバスランに向ったと思われます」とユウキ。

「どう言うことだ。 この砦の攻略は諦めたのか」

「そうでは無く、向こうもこちらの戦術に気づいたのだと思います。 それで作戦を変えてきたのだと思います」

「もう少し分かりやすく説明してくれ」

「彼らは、森に隠れている我々の仲間を引っ張り出して叩こうと考えているのです」

「では何故、ソウラやバスランへ向ったと言えるのだ」

「街を攻めるためです」

「何だと、彼らを攻めてもしょうが無いではないか。 グーツ族は砦建設には協力したが兵は出していないぞ。 ドラク族は今回中立を保っているでは無いか」

「関係ありません。 彼らも緑の王の保護下にあります。 ですのでそこを攻めれば我々が守るために出てくると見越しているのです」

「クソッ、勝手な理屈を言いやがる。 ドラク族は同胞じゃないのか」とコーセル。

「ではどうするのだ」

「セシウス殿とバウロ殿ともこの可能性については話してあります。 対応策も考えております。 どちらも3万という大軍なので容易ではありませんが、彼らなら大丈夫でしょう。 バウロ殿の方にはスウゲン殿も一緒ですので」とユウキ。

(あれ、バウロとスウゲンって仲が悪いんじゃなかったっけ?) 俺はユウキの顔を見た。 ユウキは俺の心配を見抜いたようで、言い足した。

「大丈夫ですよ。 確かにバウロ殿とスウゲン殿は相性は良くないですが、バウロ殿はスウゲン殿の力は認めておりますので」

「分かった。 彼らを信じよう」

 とりあえず、セシウスとスウゲンには念話でこの事実は伝えることにした


 「ところで、こちらはどうなると見ていますか」

「川の両岸の軍は無くなりましたが、アーセル王は諦めていないと思います。 王の性格からすると、こんな砦も落とせず諦めたとなれば、兵達にも示しがつかないでしょう。 ですので、今日はより苛烈に攻めて来るはずです」

「そうか」 俺はため息をついた。

「昨日破壊された第1の門は修理してあります。 今日は第2の門も突破されることも想定しておかなければいけないと考えます」とトウリン。

「それとカケル様、思うように攻撃が進まなかった場合アーセル王が、カケル様に一騎打ちを持ちかけてくる可能性がございます。 もしそのような事になっても、絶対に応じないでください」とユウキ。

「分かった」


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