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12-10 銀のレギオン軍の暴走

 「チッ、何をやっているんだ。 バカ者が」とギリオン。 そう言うとギリオンと数名の兵がバウマンに駆け寄った。 兵が素早く応急手当をすると、担架に乗せて連れて行った。


 「これで、決着はつきました。 このレギオンの王はミーアイ王です。 銀のレギオンは退いてください」 俺はギリオンに言った。

「そうはいかない。 まだ決着はついていない」 そう言うと、右手を上げた。 それを合図に、銀のレギオンの兵士が一斉に武器を取り、ミーアイ王に向って来た。


 (クソッ、やはりこうなるのか。 スウゲンの言うとおりだ) この展開は、銀のレギオンの飛空船が入ってきた時点でスウゲンが読んでいた。 俺は“ゲート”を開いた。 すると即座にバウロとセシウスが飛び出してきた。 そしてその後にはバウロの海兵部隊約500人が続いた。


 「カケル様、待ちくたびれましたよ。 じゃあ暴れていいんですね」とバウロ。

「セシウスさんまで来たのですか」と俺。

「当然でしょう。 俺だけ留守番なんて出来ないですよ」 セシウスはそう言うと、槍を手に喜々として走りだした。

「俺たちも行こう」とアドル。 レオン達も走り出した。 俺の側に残ったのはアビエルとホーリーとハルだった。


 銀のレギオンの兵は全部で2千人ほどと思われた。 彼らは銃のような物を持っていた。 大きく半円形を描くように広がると、海兵部隊に対して一斉に撃ち始めたのだった。

(銀のレギオンには銃があるのか。 やばいぞ)


「撃て撃て、ミーアイさえ殺してしまえばこちらの勝ちだ」 ギリオンが命じた。


 (まずいぞ) 海兵部隊は左手に小さな丸い盾は持っていたが、それで全身は防ぐことはできず、次々と倒されていった。


 ミーアイは銀の兵士と海兵部隊の間に土の巨大な壁を作り出した。

「クソッ、奴らこざかしことを、覚えてろよ」とバウロ。

「だが、あれは厄介だな。 こちらの得意な接近戦に持ち込めない」とセシウス。


 銀の兵士達は左右から攻撃しようと、土の壁を回り込むようにしながら攻撃を加えた。 ミーアイは左右にも土の壁を出現させた。

(まずい、このままではじり貧だ)


 その時、銀の兵士の後方、東の方角から多数の三角形のエイのような形をした飛行物体が現れた。 それには青のレギオンの兵士が乗っていた。 そして先頭には、セリナがいた。


 「良いか、ミーアイ王をお守りするのだ。 銀のレギオンに好き勝手させるな」 セリナがそう命ずると、青の兵士達は一斉に散開し、“ボーク”と呼ばれるエイから光の矢を放ち、銀の兵士達の背後を攻撃した。


 思いもかけぬ攻撃に、空に向って銃を撃つ者、逃げ惑う者など、銀の兵士達には混乱が生じた。


 セシウスとバウロはこの機会を見逃さなかった。

「今だ、反撃だ。 目に物みせてやれ」とバウロ。

「ウオーーー」 海兵部隊は一気に反転攻勢に移った。 バウロやセシウスは一気に敵中に躍り込み混戦に持ち込んだ。 こうなれば敵味方入り乱れているため、銃も撃てなくなった。 迷彩服の兵達は、海兵部隊の剣や斧で次々と打ち倒されていった。


 俺はギリオンを見つけると、そこまで一気に駆けた。 ギリオンは俺を見つけると、驚愕の表情で俺をみていた。

「兵を退け、このままでは兵達は全滅するぞ。 もう大勢は決した、無駄に死なせるな」


 「クソッ、ここまでか」 ギリオンはそう言うと、退却の信号弾を撃たせた。 それを見た迷彩服の兵達は、一斉に退却を開始した。

 海兵部隊は追撃を始めていた。

「追うな、そのまま退かせるのだ」 俺は命じた。


 銀のレギオンの兵達は飛空船に乗り込むと次々と発進し、天空島を離れていった。


 セリナとその兵達がミーアイの前に集まると、一斉に跪いた。

「ミーアイ王、馳せ参じるのが遅くなり申し訳ございません」とセリナ。

「良い、お前もバウマンの部下であったこと、兵も少なく対抗できる状況になかったことなど、お前の事情は理解できる。 だが今後は私の右腕として、私を支えて欲しい」とミーアイ。

「はっ!」

「それでは早速、バウマンの配下の兵達を支配下に収めてくれ」

「かしこまりました」


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