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04

 


 イリスの会から1ヶ月が経ち、私は今、

 猛勉強していた。

 それこそ我が家の本棚を全て読み漁るように。もともと前世では本が好きだったのですらすら読めた。

 私の予想は当たり、五代名家は、瑠璃坂、紫藤の他に翠城 (すいじょう)琥珀院 (こはくいん)緋津華 (あかつか)と、赤、青、緑、黄色、紫だった。どれも私の同級生、一個上や、一個下にご子息がいらっしゃるらしい。うーん。攻略対象の可能性大。


 しかし、紫藤はおそらく外れだ。だってあんなにアホだもん。小学校も一緒だなんて辛い。


「星羅、お客様だよ」


「薫お兄様、、また、ですか?」


「そう。随分懐かれたね。」


 紫藤がイリスの会以降、度々我が家に遊びに来るのだ。迷惑極まりない。

 お兄様は用事があるようで、部屋を出て行った。いやーん私のオアシス、、


「おるんなら返事せんかぁ!我ぇぇ!!」


 颯爽と私の部屋に入ってきた紫藤はドカっとソファーに腰掛けた。今度はなんなんだ。


「私は忙しいのです。何度も申し上げますが、連絡もなしに来ないで下さい。それと、部屋に入っていいと言ってません。」


「あぁん!?奥歯ガタガタ言わせたろかぁ!」


 帰れ。


「それで今日は何をしにいらしたんですか?」


「おらおらぁ!」


 うきうきでポケットからトランプを出す。え、ポケットにスタンバイしてたの?てか、普通に話せよ。

 2人でできるトランプゲームは限られているので、ポーカー、スピード、神経衰弱をやっていたが、圧勝。紫藤、弱!


「この恨み、どう落とし前つけてくれとるんじゃぁ!?おいいぃぃ?」


「、、、、、」


 呆れてトイレに行こうと席を立ったら机にぶつかり、ゲーム途中の状態だったトランプがバラバラになった。


「どう責任取るんじゃワレ!小指出せや!」


 私が黙って小指を差し出すと、紫藤はその後どうしていいか分からなかったらしく、小指をそっと握ってきた。



 紫藤が帰ってからは樹といちゃいちゃタイム。あー癒される。


「おねーさま、すきって10回いって?」


 ひっかけクイズだな!


「ふふ、すきすきすきすきすきすき、、、すき!」


「えへへ、ありがとう!」


 え、なんだこのテクニック!可愛いぞ!もう!キュン!抱きしめちゃうぞ!私は弟を抱きしめて、キスの雨を降らせた。





 お風呂の時間になると、父がいそいそとやってくる。この父、娘とお風呂に入るのが大好きなのだ。別に変態というわけではなく、お湯を使って遊ぶのが好きらしい。小学生に上がってからはさすがにまずいので私とのお風呂は四月までとなっている。


「星羅〜、今日も紫藤家の桐くんが来てたんだって?桐くんは星羅のこと好きみたいだねぇ」


 黒髪に垂れ目でいつもニコニコしてる雰囲気の美形。お父様と薔薇の溢れるお湯の中に2人でしっぽりつかっている。


「いいえ、お父様。彼は一風変わっておりますから(恐らく)友達がいないんです。だから普通に話してくれる私と遊んでいるだけです。小学生になれば終わりますよ。」


 そうか?としゅーんとしている。あいつとの結婚は絶対嫌だ。余計なことは考えないでくれ。


「紫藤様は鳥に似てますよね、あまり人間と話している気がしませんの。」


 鳥はもちろん馬鹿鳥な。


「星羅はカブに似てるよね」


「、、、、、、」






 お風呂上がり、お母様に「お父様がお風呂で変なことするの」と言っておいた。


 その後父は速やかにリビングに連れて行かれた。



 まだ子どもだから顔が丸いだけだもん!




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