プロローグ~馬より落ちて落馬する~
競馬で有り金全部溶かした人の顔が見たい…あびゃあ~。
恐らく不定期更新になると思いますが感想等貰えると嬉しいです。
『さぁ!最後の直線だ!1着は依然として四番、ミカヅキクロー、その後を本日の二番人気、六番のスターシャインが追い掛けています、少し離れて三頭の馬が後を追っていきます』
場所は中山競馬場、日は12月もそろそろ終えようという暮れ時。
『と…、やや!?後方から一気に飛び出して追い込んでいくのはこれは!これは!天才ジョッキー、遥 彼方、本日の一番人気!七番のドラゴンタイガーだ!!』
ここ、中山競馬場では一年の締めくくりとなる、大レースが行われている。
『さぁ!ここで大本命がやって来た!やはり主役は後からやって来る!!今!ドラゴンタイガーが1着争いに合流だ!これでレースはまだわからない!!』
ファン投票によって出走馬が選ばれるそのレースは正に今年活躍した馬達の一番を決めるようなものだ。
『ミカヅキクローはやや厳しいか!今年の菊花賞馬、スターシャインが伸びるか!それともドラゴンタイガーか!?』
ゆえにそのレースは日本ダービーさえにも匹敵する。
『抜けたぁぁぁぁあ!!有馬記念、やはり最後の直線を抜けたのは天才ジョッキー、遥 彼方、そして龍虎ドラゴンタイガーだぁ!!』
だが…、忘れてはいけない。
『え…』
どんなに大きなレースでも、優秀な馬でも、そして天才と呼ばれるような騎手であっても。
『これは…落馬!落馬です、彼方騎手、まさかの落馬、後続馬が止まれない!』
事故…というものは、起きる時には起きるのだ。
『馬群が…、馬群が彼方騎手を巻き込んでいきます…、これは、彼方騎手は大丈夫なのか!?』
一体、何が起こったのだろうか…。
騎乗馬が故障していたのか?それとも馬具に不備があったのだろうか?
原因は何であれ、彼、遥 彼方は落馬し、後続馬が彼の身体を容赦無く巻き込んでいく。
混戦したレースだった、決して後続馬もその騎手にだって、責任は無い。
しかし、馬群の中、何頭もの馬に身体を、そして頭を蹴られ、彼は即死した。
天才ジョッキーとして、その能力を存分に発揮する事もなく…だ。