「ポテトサラダにはソースが合うんです。」
世の中には親に対して、尊敬する人、鬱陶しく感じる人、また恨みがある人など様々に感じる人がいます。皮肉なことにこういった人たちは親を選べないのだ。要するに、親がいるから幸せになれるとは限らないのだ。
「は~。翔平、やっと内定貰えたー。」
「誠吾良かったな。やっと就活終わったな。どこか遊びに行こうぜ。」
「良いね。俺、甲子園に行きたい。」
「俺も行きたい。あ...でも誠吾の親は大丈夫?」
「それなんだよね。」
「てか、誠吾の親って厳しいよね。どうにかならないの?」
「ならないのだ。」
男の名前は、丸山誠吾。地元から少し離れた地域にある大学に通う4年生。大学までは高速バスで通うという兵だ。彼女なしの至って普通の大学生。ただ親の束縛が無ければの話。
この日、誠吾と友達の翔平は、遊園地に来ていた。
「さすが日曜日、家族連れが多いね。」
「そう言えば誠吾、今日親に何て言って来たの?」
「授業。」
「ハハハ。」
翔平は半笑いをした。
「まあ折角2人とも内定貰ったんだし、今日は思いっきり遊ぼうぜ。」
「うん。」
2人はジェットコースター乗り場に行った。
「2時間待ち・・・乙」
「確かに、子供が多いもんねー。」
「誠吾、俺何か飲み物でも買ってこようか?」
「ああ、お願い。」
そう言って翔平にお金を渡した。翔平は飲み物を買いに行った。
「にしても暑いし、待っているのは辛いなー。」
誠吾の奥で叫び声が聞こえた。
「助けてーーーー。」
誠吾は“何事だ”と思わんばかりに気になった。そして、叫び声を発した女の子が誠吾に向かって走り抱きついてきた。
「な、何?」
「助けてください。セクハラされました。」
「セクハラされた?誰に?」
誠吾は辺りを見回した。
「あの人です。」
女の子は指を指した。指を指した相手は、いかにも変体面した顔の男だった。
「何されたの?」
「お尻触られた。」
「分かった。ちょっと待ってて。」
誠吾は、その男のに向かって走っていった。そしてその男に向かって蹴りを入れた。
「痛い。すいませんでした。申しません。」
男は泣きながら走って遊園地から出て行った。誠吾はジェットコースター乗り場に戻ろうとしたら列が詰められていた。
「げ...翔平に怒られる。」
「あ...あの。ありがとうございました。」
さっきの女の子が誠吾に向かって来た。
「いや。そっちこそ大丈夫?セクハラにあったんでしょ?」
「助けられてかなり安心しました。」
「なら良かった。女の子なんだから気をつけなきゃ駄目だよ。」
「はい。」
「じゃあ俺行くね。」
「本当にありがとうございました。」
誠吾は人の役に立てたことが嬉しかった。
続く