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49・怪盗リディアの行方

退院して次の日に学校に行って、その帰りに異能課の人たちと集まり能力を消したり色々し、結構、退院してからハードな日が続いたな。と言うことで、現在は退院してから2日目


そして、今は10月のとある土曜日で退院後のバイトをしております。いやー、マスターやマリアさんやバイト仲間から色々心配されたけど、ご覧の通り元気な証拠を見せたらほっと一息をついていました


そんな中、私はバイトの常連客で、私のお見舞いに唯一来なかった西川さんを、マリアさんと一緒にいびり倒しています


「人が意識不明なのに、お見舞いに来ないとか酷いですよ。西川さんの血は一体、何色なんですか?」


「彩乃さん、西川さん血も涙もない鬼なので、きっと血の色は青色でしょう」


「いや…その…お見舞いに行きにくい事情がありまして」


窓辺にあるテーブルに西川さんと向かい合わせに座るマリアとその隣でお盆を持 持ちながら立つ私。おやおや、西川さんの目が泳いでいます


「事情?それはなんでしょうか?」


「まぁ、それは置いといてさ」


話を変えた!面倒くさいので、深くツッコムのはやめにして、それからは、いつも通りに小説の内容のお話聞いたり。新作はどうするとか、いつも通りに変わらないバイトでした


しかし、話はマリアさんの一言で変わります。なぜなら、マリアさんが怪盗リディアについての話題をふったからです。そう、実は昨日、島崎さんから聞いた事実で、なんと怪盗リディアはまだ捕まえていないらしい


「さやの瞳を盗んで姿を眩ましたとあったり、波に攫われる女の子を助けに海に入ってそのま行方不明。そんな、噂話が出回っているのですよ」


その、波に攫われる女の子って私のことだ。あっ、そう言えば、私が波に攫われた時、怪盗リディアが私の方に向かって手を伸ばしていたよね。それに、オーディンさんから残りの能力者は私が関わってきた人だけだと教えられた。島崎さん達は置いといて、もしかして、私はどこかで怪盗リディアと関わっているのかもしれない


「でも、最近はさやの瞳を盗んでから動きが無いとか。やっぱり海のもずくになっていたり」


まぁ、どの道、私が捕まえるんだから。そして、さやの瞳取り返すんだからね!


「あやのちゃんが捕まえるの〜」


どうやら、口に出していたらしく西川さんが笑いながら言いました。ついでに、新事実、さやちゃんはさやの瞳は普通のダイヤモンドと言っていたけど、本当はダイヤモンドの中心に黒い星型が入っている珍しい宝石なんだとか


「あっ、オレもうそろそろ行くね」


「おかえりですね」


「あぁ、それと、しばらくはここに来ないから。マスターにもそう言っておいて」


「自宅警備になるのですか!」


「違うよ、小説の取材のために今日2時発の飛行機に乗って海外に行くんだ」


「あと、1時間後で出発ですね。空港まで、間に合いますか?」


「もちろん」


「いつ、帰ってくるのでしょうか?」


「そうだね、ここ3年は帰ってこないかな」


あー、成る程。小説の取材のために海外に行く小説家の人は常連客の中にもたくさんいるから、別に驚くことじゃない 。でも、これから3年は会えないんだ。西川さんの事が弄れなくて寂しいな


「あやのちゃん、今、何を考えた?」


「なーんにもっ!です」


まぁ、最後ですからドアの外まで見送りますか。席を立った西川さんはあっ!と声を出してポケットから四角い箱を取り出しました


「あやのちゃん、オレが豪華客船で渡した髪飾り、無くしたでしょ」


そう、私が海へ落ちた時、西川さんから貰った髪飾りを無くしてしまいました。でも、なんでその事を西川さんは知っているのでしょうか?


「お見舞いに行けなかったお詫びとさよならの印にこれあげる」


そう言って箱から取り出して私のこめかみ辺りにヘアピンを付けました。西川さんの指でヘアピンの先に付いていた飾りは見えなかったけどダイヤモンドのようにキラキラしていて綺麗だったことは分かる


「豪華客船のカジノで勝ってさ、その商品にダイヤモンドを貰ったんだ。オレ、こんなのは使わないし、友達に加工してヘアピンにしたんだ」


「あっ、私、飾りの部分を見てないので外しますね」


「あっ、外すのはまだ待って、そして、今は見ないで」


「じゃぁ、いつになったら良いのですか?」


「オレが向こうの国に着いてからだから6時間後」


「えー、なんでー基準が西川さんなんですかー?」


「頼むよ」


いつもとは違う色気のある低めの声、なんだか、そんな声で言われると外すのをやめてしまう。いつもなら、勝手にやるのに。やっぱり、しばらくの間、会えないからかな


「あやのちゃん、あの時、助けれなくてごめん」


「えっ⁉︎」


「それじゃぁね〜」


西川さんは意味深な発言をしてさっさとタクシーを捕まえて脱兎の如く行ってしまいました。『助けれなくてごめん』って何?よくわからない。でも、まぁ西川さんの事だから小説のセリフの一つかな


「見たいけど、仕方が無い約束は守るか」









そして、6時間後

自宅で西川さんから貰ったヘアピンの飾りを見ました。それは、それはとても綺麗なダイヤが付いたヘアピンで、ダイヤの中には黒い星型のマークが入っていたのです


「これ、さやの瞳の特徴に似てる。へぇ、綺麗だなぁ」


見たから高そう


「いや、まさかね。本当に西川さんが怪盗リディアなわけないし」


とりあえず、これは無くしても嫌だから私の机の中にある、宝物入れに入れておこう


はぁ、今頃、西川さんは現地に行って小説の取材をしているのかな?

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