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突然ですが言霊が使えるようになりました!  作者: 夜桜
『二ノ宮 彩乃の非日常』
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28・ディナとメアリー

肌は真っ黒で背中からは氷の翼が生えた囚人服の男。もう、これからは化け物と呼ぼう


化け物は背中から生えている大きな氷の翼で空を飛び、空中から氷の粒を投げつけて来ます。その氷の粒を私は日本刀で逸らしたり切ったりで、メアリーちゃんの手下でもある骸骨サーカス団は氷の粒を全て躱し、各自が持っているサーベルや銃で化け物と戦っています


その間にこの空間を作り出した張本人のメアリーちゃんは戻の空間に戻らないか模索中。あぁ、早くここから出たい


「メアリーちゃん!まだ?」


氷の粒がメアリーちゃんに行かないように日本刀で捌き振り返りながら聞きました。すると、メアリーちゃんの目には大量の涙


「わからないよぉ〜」


「なっ!」


さっきまでは好戦的な笑みを浮かべていたけど今は子供のように泣きじゃくっています。あっ、子供だった


「さとりんから、あしどめっていわれてやっただけなのに、なんで、なんで」


私を足止め?もしかして、今狙われているのは島崎さんってことだよね。それなら早くここから脱出しなくちゃ、いくら島崎さんが強くても心配だよ


「ディナーたすけてー」


メアリーちゃんはさっきからディナーと叫んでいます。ディナさんはユグドラシルの仲間なのかな


「おねえさん!うえみて!」


メアリーちゃんが指で空中を指すと常識では考えられないような大きい氷河を両手で持ち上げた化け物がいました。うん、あれは確実に投げるパターンだよね。それに、いつの間にか骸骨サーカス団の数が減ってるし


ブンッ


化け物の手に持っていた氷河が落ちてきた


「【消えて】」


すると、マジックのように大きな氷河が消えてなくなってしまいました。そっちが大きな氷河なら、こっちは


「【落石】」


ドドドドドドドドドドドドドドドド


豪快な音と共に大小様々な岩が化け物の上から落ちて、化け物を下に叩き落としました。実際に落石は触ったことがないけど、これは石の応用編。岩と岩がぶつかり辺りには茶色い砂埃が舞い上がります


「ゴホッ、ゴホッ」


「おねえさん、ざつ」


「雑…ですか」


煙が徐々に散って行き、目の前には山盛りとなった落石だけがありました。やっつけたかな?恐る恐る落石の近くに行くとゾンビのように落石と落石の小さな隙間から真っ黒な手が伸びてきた。そして、勢い良く飛び出してくると私が持っている日本刀を親指と人差し指で簡単に折りそのままメアリーちゃんのいる方に突進


「メアリーぱーんち☆」


突進してくる化け物のタイミングを合わせてメアリーちゃんは右拳を突き出しました。その拳が見事化け物の顔面にヒット、転げ回りながら数十メートル後ろに吹っ飛んで、もう動かない骸骨サーカス団の骸骨が山となった場合に漫画のような『ガラガラガッシャーン』と音を立てて到着


それにしても、メアリーちゃんって怪力なんだね。なんだか、化け物と戦う前よりも強く見えるのは気のせいかな


骸骨の中からしぶとく出て来た化け物は、まるでゾンビのようです。足取りがふらふらと、今なら行けるか


「【止まれ】」


石のようにピタッと化け物は動かなくなりました


「【水流】からの【雷】」


どこからともなく大きな水鉄砲が化け物の上から降った後、耳をつんざく音と共に雷が化け物に落ちました。やった、さっきメアリーちゃんにこれをやった時は失敗しちゃったけど、今回は成功したよ。雷の眩しさに目を閉じます


「もういいかな」


目を開けると、そこには倒れている化け物ではなく、大きな翼を広げ腕を組み仁王立ちで立っている化け物が見えた


「あれで、倒れないってどう言うこと⁉︎」


「おねえさんのちからがよわいとか」


「ちょっ、メアリーちゃん」


化け物が叫び、私達をめがけてまた突進しようと足に力を入れた時、化け物の背後に大きく死神のような鎌を持った白髪のシスターが現れました。シスターは大きな鎌を素早く振り上げ


ザンッーー


化け物を頭からつま先まで一刀両断しましたが、化け物の体は真っ二つになることはなく、ただ気絶したようにその場で倒れてしまいました


「ディナ♡」


メアリーちゃんはディナと呼ばれたシスターに抱きつきます。ディナ?あっ、さっきメアリーちゃんが助けを求めていた仲間か


「こわかったよ」


「もう大丈夫ですよ。後は私が始末しますからね」


鎌を持って始末とか、あなたの方が怖いですよ。しかも含み笑いって


「あら、あなたは、さとりが言っていた言霊の子ですね」


「はい」


「ふふ、可愛らしい子。ぜひ、我がユグドラシルに来て欲しいわ」


「お断りします」


「ねぇ、ディナ。あいつはなに?」


メアリーちゃんが指を指したのは化け物


「あれは実験台ですよ」


「実験台?」


「私の能力は、能力持ちの人から能力持ちではない人へ、能力を移し替えること。ですが、これには能力をセーブすることが困難という欠点がありましてね」


「暴走」


「はい、暴走したらどうなるのかまだ見たことがなく、今回はこの人で試しました。大丈夫です、能力は無駄にはしません。ちゃんと回収しますよ」


ディナさんは鋭く尖った鎌の先端を化け物の背中に当て、そのまま、ずぶずぶと鎌が背中に入って行くではありませんか。そして、引き上げるとゆらゆらと青白く光る鬼火のような光と真っ赤に燃えるような光が鎌の先端に引っかかっていました


「これが、氷の能力と怪力の能力。流石に2つを入れると暴走するのが早いですね。今度は1つにしてみましょうか」


「なっ」


ディナさんが不敵に笑うと、その光はディナさんの胸元にある十字架のネックレスに吸い込まれ消えてしまいました


「まずは、ここから出ましょう。あちらも終わっている頃だと思いますしね」


そう言って、ディナさんは鎌を横薙ぎに払う。すると、メアリーちゃんが作った空間が霧が晴れるように消えて、風景は高速道路のど真ん中に変わりました


「はっ!島崎さん」


さとりさんと島崎さんはどうなったの⁉︎

【ディナ】 能力:移し替え


・能力説明

Aさんの能力をBさんに移すことができる

・白髪に緑色の瞳

・いつも鎌を持っている

・そして、シスター姿

・十字架のネックレスをしている

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