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少々脱線したが、話は造語に戻った。どうやら『閨』という字を使うことは玉藻と紅子の中で決定事項となったようだ。
「そのまま単純に作ると、『閨友』かな」
玉藻の提言に紅子は悩みながらも若干の軌道修正を希望する。
「『閨友』だと、直接的過ぎではないか?決して悪くないと思うんじゃが、『閨』っていうとそれだけで、多少そっちの意味が含まれるからの。それに『ねやとも』ってちょっと言い辛い」
「確かにそうかも。・・・だったら平仮名で『ねあとも』っていうのはどうだ?」
「それだとせっかくの『閨』って漢字のインパクトが薄くないかの?」
紅子は語呂的には『ねあとも』はありのようであった。そのため少し困った言い方で、平仮名記入での『ねあとも』に不満を漏らす。
しかしその紅子の小さな不満を、玉藻は会心の一撃ではねのける。
「紅子。平仮名には恐るべき力があるのだぞ」
「……と申すと?」
「少しエロい言葉があるだろ。特にそれ自体は全然エロくないのに、その単語の最後に(隠語)って付けると半端ないやつだよ」
「……」
「代表例は『コンデンスミルク』」
「!」
「さらに『コンデンス み・る・く』ではどうだ?」
「……神がここにおったか」
「いやいや、あたしはまだまだその域ではないさ」
その一言に紅子は屈服するように、笑顔で土下座した。
「ただの単語も平仮名記載でエロくなる。まさにわしらが求めていたものに相応しい!」
「あぁ。その通りだぜ!」
そしてしばらくの放心のあと、二人はわざわざご丁寧に礼御に報告をしてくれるのであった。
「と言うことで、セフレに代わる単語として『ねあとも』ができました!」
「是非、使ってくだされ!」
二人が楽しそうでなによりだと、礼御は同時に二人の頭を軽く叩いた。




