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玉藻前の尾探し譚  作者: 歌多琴
4 赤しゃぐま、愛を語る
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-9

 その後の一段落はわりと早くに訪れた。つまり、先ほどの男女の絡みシーンが終わったのである。


 画面に映る女性の裸体と漏れる嬌声に興奮する少女と童女。を後ろから眺めている成人男性。


 礼御は、なんだこれ、と内心頭を抱えた。初めて見る十八禁ゲームに興奮しないというと嘘であったが、ただ野生的に興奮するにしきれない。第三者が見たら、この状況はどう映るのだろうか。


 その絡みシーンの途中で玉藻が「暑くね?」と漏らし、その後の展開に礼御は冷や汗をかいた。暑いのは当たり前である。ダダ漏れている音は、これ以上隣人に聞かれていいものではない。そのため礼御はためらうことなく窓を閉めた。それゆえに冷房が恋しくなるのだが、こいつらがもたらした状況で、さらによい環境にするのは癪だったので冷房は禁止した。


 ゆえに暑かった。そして礼御の前の二人の女子は「じゃあ脱ぐか」などと言い出した。


 画面に映る女性の裸体と漏れる矯正に興奮して全裸になった少女と童女。を後ろから眺めている成人男性(興奮を抑えている)。


 第三者が見たら、この状況はどう映るのだろうか。間違いなく性犯罪者がそこにいただろう。


 それを免れるため、礼御は諦めて冷房を許可したのである。


 そして現在、冷房で涼む三人は棒アイスを食べながら、雑談する。


「見て見て――」


 玉藻は無邪気に笑ってアイス(みかん味)を舐める。


「さっきの女の人の真似!」


 礼御は玉藻の棒アイスを奪い、一口で平らげた。


「ほれほれ――」


 紅子は溶けたアイス(ミルク味)を自分の顔に垂らしていた。


「さっきの女の人の真似!」


 礼御は紅子の棒アイスも奪い、一口で平らげた。


 そして何かを待望する面持ちで二人は礼御を見つめるのだった。そんな二人をよそに、意味がわからん、と礼御は自身のアイスを食べる。


 それでその思考がどういった経緯でそこにたどり着いたか、礼御にとって不明だったが、二人の妖は息の合った口調で一言ずつ発する。


「レズはホモ」

「ホモはレズ」


 二人は気持ち悪いニヤリとした笑を礼御に向け、そして互いを見つめあった。


 二つの語彙、それぞれの意味は礼御でもわかったが、それらが合わさった意味は不明である。しかしどう考えてもいい気分のしないその言葉に礼御は嫌気が差した。


 礼御は立ち上がると押入れからタオルを一枚取り出し、それを白色の液で汚れた紅子の面に押し付けるとともに、玉藻の額に握った拳を軽く押し付けるのだった。

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