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【その2】平成生まれの孤独

すみません予告と内容が異なります。

 まずは廊下側の一の列から順番に発表して行った。

――男子1。

「僕の名前は僕のお母さんが昔スマ○プの追っかけをしていてキム○クが好きだったので拓哉と付けたんだと言っていました」

「キム○ク〜!」

 目立ちたがりやの男子の冷やかしにたわいもないクラスの笑い声が巻き起こった。

(ベタだなぁ……ってゆーかキム○クじゃなくて、原田拓哉だからハラタクだし)

――女子1。

「私の名前は私のお母さんが、す○はなよの名前が好きで子供が生まれたらその名前にしようと決めていたので “すみよ” と付けたそうです」

(それなら “はなよ” だろ!?) 

 それからとうとうオレの番がやって来た。

(おお〜ドキドキする〜ぅ!)

 前の席の奴が発表を終え席に座るとさっそくオレはその時を迎えた。

「ん゛っ……ん゛ー!――えぇ」

 声が裏返らないようまずは咳払いで喉の調子を整えいざッ! 発表――

「僕の名前は――」

「はい、立って発表して下さい」

「!?」 

 先生にそう注意され、慌ててオレはイスから立ち上がった。 

(うおぉぉ〜〜何やってんだオレ?かっこ悪ィ〜〜!?)

「――僕の名前の由来は……」

 その時やたらと教室の中が静かに感じオレは嫌〜な緊張を感じ額から変な汗(?)が出て来た。

(やばい――オレは追い詰められた芸人か……!?)

「僕の名前の由来は……」

 緊張のあまり思わず同じ文を二回読んでしまった。

 しかしクラスの奴等は頑なに口を閉じたまま誰一人笑わなかった。

「……ミュージシャンのは○しょーのようなカッコいいミュージシャンになれるようにと願いを込めて父が “省吾しょうご” と名付けたそうです」

――静かな教室……。

(……あれッ? 何だこの静けさは――まさかまさか……?)

「は○しょーって誰?」

「知ってる〜?」

「知らな〜い」

(ちくしょ〜〜この平成生まれめ〜〜! あんな良い歌、歌ってるのに〜〜ィ! お前ら昭和の名曲をもっと聞け〜〜ッ!)

 無念さを感じつつもオレは冷静に着席した。


次回、兄弟ネタ(多分)

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