*第7話*
あたしはいつのまにか寝ていた。
だいぶ寝てたのにまだ寝れるとは
おそるべし、自分・・・!
『おにぃーちゃん!あのね、今日ね!先生がね
お絵かき、上手だね、ってほめてくれたの!』
『おー、よかったじゃん!鈴は本当に絵が上手だもんなぁ』
『おにぃーちゃんもお絵かき上手だよ~?』
『鈴ほどじゃないよー?』
あれ・・・なに?これ・・・
『おにぃーちゃんはね!鈴のおむこさんになるの!』
『あらあら、普通は反対よ?鈴がお兄ちゃんのお嫁さんになるのよ?』
『そーなのぉ?』
『ええ、そうよ~。』
『じゃあ!鈴、おにぃーちゃんお嫁さんになるーっ』
『大きくなったらな?』
『うん!早く大きくなるっ』
・・・お母さん・・・?
お兄ちゃん・・・?
どうして?!なんでいるの?!
『それじゃ、少しでてくるな?鈴羽、いい子にまっててな?』
『うん!パパ待ってる!ママもおにぃーちゃんも!』
『ごめんね?それじゃいってきます』
『よしよし、いってきます』
『いってらっしゃーい!』
お母さん!だめ、いっちゃだめだよ!!!!!
いったら・・・いったら・・・!
『きゃぁぁぁぁ!!!!!!』
『加奈子!お前、だれ____』
『父さん!母さ____』
『ママ・・・?パパ・・・?おにぃーちゃん・・・?
お出かけ・・・行かないの・・・・?』
やだ・・・なに、これ・・・
夢・・・?なんでこんな夢・・・
『パパァァ!ママァァ!おにぃーちゃぁぁん!
鈴いい子にしてるからぁぁー!帰ってきてぇぇ・・・・』
『鈴・・・』
『鈴羽ちゃん・・・』
やめて・・・同情するような顔しないで・・・
『ねえ、あの子。ここ最近引っ越してきた子なんだけどさ_____』
『ええ、親御さんともども殺されて親戚の長井さんのところに、
引き取られたんですってね____』
『本当に・・・かわいそう・・・』
『兄妹もなくされたんですってね』
『かわいそうに・・・』
やめてよ・・・かわいそうとか言わないでよ・・・
『かわいそうに・・・』
『かわいそうに・・・』
やだ・・・!やだよ・・・
-kanaya-
「やだ・・・よ・・・」
隣で寝ていると、不意に美原の声が聞こえた。
「ん・・・美原??」
「かわい・・・そう・・・なんて・・・言わないで・・・」
美原、夢でもみてるのか・・・?
もしかして・・・
「お父さん・・・鈴・・・いい子にしてる・・・」
ご家族の夢・・・か・・・
俺はどうもこういうことには弱いらしい。
「俺・・・家族じゃねえけど・・・」
「お兄ちゃん・・・また・・・優しく・・・わら・・って・・・」
おれはいてもたってもいられなくなり
家族でもなんでもないけど、返事をしてしまった。
「大丈夫、俺ここにいるから・・・鈴羽はいい子だよ」
俺がそういうと、美原はふわりと笑って
またリズムのいいかわいい寝息を立てて
寝たのだった。
-kanaya-